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 大長編でなくても、何処か別格扱いを受け、立ち位置が微妙な出木杉君。いっそ、彼をラスボスに仕立てて戦う大長編を作ったら面白いのではなかろうか。

( ・ω・) 未来道具をフルに使っても……勝てる気がしねぇ!!

「ソワソワ」
「……」
「ワソワソ」
「だー! 何、そこかしこを動き回ってやがんだ。少し落ち着きやがれ!」
「う、うん。何ていうか、こういうところ来るの初めてでさ」
 アリアハンにもこの類の店はあったけど、足を踏み入れたことは無かった。年月を感じさせる魔術書に、怪しげな薬品と、一般人の感覚だと少し敷居が高い。
「何も遠慮するこたぁねぇよ。こういう店を開く奴は大抵、正規の魔術研究所なんかに仕官出来なかった、言わば落ち零れだ。半分、趣味でやってるみたいなもんだから、構って貰えるだけで喜ぶような連中ばかりだぜ」
「随分な言い様だね、クレイン」
 店内に、しゃがれた老女の声が響いた。
「各地で戦いが絶えない御時世、望めばどの国にも宮廷魔術師として高禄で召抱えられるであろうあんたが言うと、必要以上に嫌味なもんなんだがね」
 この店の店主であり、クレインの馴染みだというお婆ちゃんが、皮肉めいた口調でそう言った。
「けっ。誰があんな権力と派閥だけを争ってゴタゴタしてる場所でなんざ働くかよ。俺ぁ、バラモスを倒したら商売を始めるって決めてんのは、婆さんも知ってるだろ」
 クレインが、商売? うーん。今日で会うのは二度目の僕が言うのはアレだけど、致命的に接客業は向いてないような……。
 い、いや、腹黒い計算とか、悪どい商談なんかは得意そうだし、そんな一面だけで決め付けるのもまずいよね。

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 前日分の続き。それにしても、二十一世紀になって十年程が経ちますが、二十二世紀になって、二十一世紀屈指の発明と言われそうな技術革新って何かありましたっけ。今のところ、ESP細胞辺りが候補なんですかね。歯の再生医療どうなった。

( ・ω・) 科学の終焉は何処にあるのか、そういう業の深い話にも繋がって来ますよ

「ところで、真性引き籠もりさんであるあなたが、どうしてこんな派手な町におられますの?」
「誰が引き籠もりだ、誰が!」
 いやぁ、この二人も、仲が良いよねぇ。
「只の買い出しだ。魔法の研究ってのは、色々と物入りだからな。この町にゃ、世話になってる店があんだよ」
「……」
「んだぁ? 呆けたツラしやがって」
「あんたに、専門店に一人で入る社交性なんてあったんだ」
「坊主、止めるな。このガキアマ、一発殴って教育しちゃる」
 うわー、気持ちは分かるけどちょっと待った。クレインが本気出したら、洒落にならないって。
「そ、それにしても、その手の専門店なんてちょっと興味があるかなぁ」
 は、話を普通の方向に持ってかないと。
「男の方が専門の店だなんて表現されますと、ちょっと怪しげな感じさえしますわよね」
 だ~か~ら~。少しはこっちの苦労も察してよ!
「やべぇ……頭痛ぇ……」
 大丈夫。苦い薬と一緒で、回を重ねれば慣れてくものなんだよ。
「おい、坊主」
「な、なんでしょうか」
「ちょっと店、付き合えや」
「へ?」
 そ、そりゃ、本音を言えば行ってみたい気持ちがあるけどさ。
「坊主も、このアマ共が居ない時間ってのが必要だろ。つうか、俺がこいつらから離れてぇ」
 あ、不本意ながら、ちょびっとだけ同意かな。
「それでは、わたくし達は宿を取ってから町を見て回りますので、二刻のちに、この広場に集合ということで宜しいですの」
「あ、あー、じゃあ、それでお願いします」
 かくして、僕は旅に出て以来、始めてと言っていい、女性陣との別行動を経験することになった。

 二十世紀の三大発明って何だろうと、何となく考えてみる。飛行機、核兵器、インターネットは有力候補として……携帯電話も入るのかなぁ。宇宙開発関連も入れて、あ、自動車の量産も二十世紀になるのかな。

( ・ω・) うん、三つに絞るのは、無理だと思うんだ

「ん~。アレクさんは一体、何をどの様に考えましたの?」
「え、え~と、そのことについては、ここで話は終わりってことで」
 も、もちろん、アクアさんに解説されるまでもなく分かってたよ。本当だよ。
「う~~!! るぅぅらぁ」
 そして、最近、シスの唸り声が堂に入ってきた気がするんだけど、僕の気に掛けない技術も上がってきたよ。
「あぁん?」
 不意に、声が聞こえた。
「て、てめぇら!」
 声の先に居たのは、シャンパーニの塔で会ったクレインだった。その風体は相変わらず素浪人にも似たみすぼらしさで、正直な所、この賑やかな町では浮いているとも言えた。
「あー、あん時の極悪魔術師!」
 シス。天下の往来で、そう人を指差すのって、余り礼儀正しいことじゃないんだよ。
「こそ泥だけにゃ、言われたくねぇな」
「あたしは義賊。まだ理解してないって言うなら、復唱して貰わないと困るかな」
「誰がするか!」
 いやぁ。この二人は本当に仲が良いなぁ。棒読みになんて、なってないよ?
「あら、ツンデレ枢機卿さんがおりますの」
 謎の言葉も、嫌な出世を遂げてるし。
「なぁ、坊主」
「うん?」
「このアマ、本当に宗教家なのか?」
 そのことについては、僕も全然、自信が無いから、返事は保留の方向で。

 将来的に書いてみたいスピンオフ的作品として、文部科学省官僚、西ノ宮の物語があったりなかったりします。まあ、西ノ宮の場合、前線で活躍する頃には、姓が変わってそうですが、それはそれで。vs 日教●編とか書いて物議を醸せれば良いなぁと思ったり思わなかったり。まだ勉強不足なので、今のところは無理ですが。

( ・ω・) 世の中、基本的に突っ込んだら負けのことの方が多いんだよ!

「へい、いらはい、いらはい。鉄の兜が安いよ~。今ならお値打ち価格、たったの三万二千ゴールドだ」
「神は、既に現世に降りられています。皆はその御心に沿えば、魔王バラモスなどは恐れることはありません」
「何て、言うかさ」
 アッサラームの町に入って開口一番、僕は素直な感想を漏らした。
「物凄く、俗っぽい町だよね?」
「このけたたましさが、好みの分かれる町として有名ですの」
 何だか、アクアさんが見逃しちゃいけないような宗教的な輩も居たんだけど、放っておいて良いの?
「それで、とりあえずどうしようか。何は無くても宿の手配かな?」
 まだ日は高いけど、野宿続きの僕達にとっては、優先すべきところだ。
「今日は、一部屋で良いですわね」
「……」
 は?
「な、な、何を言ってるんですか、アクアさん?」
 通常、僕達が泊まる宿は、僕の一人部屋と、女性陣の二人部屋の二つだ。それが今回に限り一つって、え、何、どういうことなのさ。
「不夜城、アッサラームですもの。一通り町を覗いたら暗くなるまで仮眠を取って、夜の顔を見るのが基本になりますので、キチンと宿をとる必要性があまり無いのですわ」
「あ、あー、そういうこと」
 も、もちろん、ちゃんと説明されなくても分かってたよ。

 何か小沢騒動が、グダグダと終息の方向に向かってる気がするんですが、これで終わりなんでしょうか。だとすれば、国策操作と言われてもしょうがないと言えばしょうがないですが。だって、あの程度のこと、何処でもやって……ケフン。

( ・ω・) 口が裂けてもそんなことは言えない、清廉潔白(笑)な野党の皆さんでした

「ちょっと待って、アッサラームって、何処かで聞いたような」
 えーと、たしかあれって――。
「そうそう。僕達と旅をする前、アクアさんが盗賊退治したとか何とか」
 たしか、爺ちゃん相手に武勇伝を語ってたよね。
「良く憶えておられますわね」
「うん、記憶力にはちょっと自信があるから」
 たまには、勇者として有利な得意分野が欲しいなぁ。
「あの一件は大変でしたの。昨今の治安悪化や社会不安から皆さん、命を捨てて襲って来ましたの。わたくしはそんな彼らを千切っては投げ、千切っては投げの大乱闘で――」
 これって、突っ込んだら負けだよね? 僕の解釈、間違ってないよね? 
「ふぅん、アッサラームか」
 兄さんの手紙には書いてなかった町だけど、何か惹かれる感じがあるよね。結局、船を買える程のお金は稼げてないし、修行も兼ねて行ってみようかな。
「だけど、地図見ると、ポルトガとは真逆だよね」
「……」
 だ、大丈夫。世界を見て回る一環だと思えば、そんな些細なことは、大した問題じゃないって、多分。
「おうおう。これでアレク殿も、一人前の男になるじゃろうて」
「?」
 何故だか、言葉に含みを感じた。だけど何処か浮かれた気分になっていた僕にその違和を重大なものとして感知することは出来ず――結果として、あんな事態へと発展したのは不覚の一言なんだと思う。



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