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 ひたすらに、ブログのブツをアップするシリーズも、十日で何とか決着。もう、推敲する日々は嫌なんだよぉ。政治講座六篇が効いた……。

( ・ω・) 学んだこと。宿題とかと一緒で、適度に消化しないと、最後に泣くのは俺自身!

 シャンパーニの塔。その建造は古く、百年以上前とされている。本来の目的は岬守りの灯台であるが、陸路の発達と、北方方面へ向かう船舶の減少に伴い、本来の機能を失う。後に、ロマリア本国の影響力が弱い僻地であることなども一因となって、山賊を始めとする、ならず者達の溜まり場となる。その悪しき伝統は、数年前、アレルがカンダタを追い出した時に、とりあえずの終幕を迎えたのだが――。
「半年位前から、一人の男が占拠し、住み着いている、と」
 目の前にある古塔を見上げ、収集した情報を思い起こした。
「だけど、ここに来るまで、被害にあったって村は特になかった」
 略奪をしてないなら、何でお尋ね者として手配がされてるんだろうか。
「にしても、凄く古いのに、しっかりした造りだよね~。王宮とかみたい」
 シスは、チョロチョロと近辺をうろついては、何が楽しいのか、外壁に触れて回っていた。
「あたしの経験だと、こういう塔には、隠し扉の一つや二つあったりするんだよね」
 あー、そういうことか。だけど、そういうのって、内壁が多いんじゃないかなぁ。大体、灯台に隠し部屋って、良く分からない――。
『メラミ』
 不意に、呪文を口にする声が耳に届いた。次いで、肌を焼かんばかりの熱波と、目が眩む程の光量を知覚する。それが塔の上から放たれた火球であると気付くのに約一秒。向けられた先が盗賊の少女であると理解するのに、更に一秒を要した。
「シス!」
「うぎゃ!?」
 妙な叫び声を上げながらも、壁を蹴り飛ばし、反作用の力を利用して後方へ身を飛ばすことで直撃を躱した。やっぱり、この手の軽業は、少し芸術的でさえある。
「あー!? 髪の毛がちょっと焦げてる!?」
 本人に、優美さは余り感じられないんだけどね。
「それよりも、上!」
 逆光で見上げ難い上層階を、目を細めることで何とか視認しようとする。誰か……居る。それは間違いない。だけど、どんな奴かまでは――。
「!?」
 ゾクリと、悪寒が全身を駆け巡った。それは精神的なものもあったのかも知れないけど、一番の理由は、別にあった。
「二人共、頭を防御して! ヒャドの、氷の雨が降ってくる!」
 刹那、陽光煌く氷塊が、数限りなく降り注いできた。僕達は壁際に退避すると、極力小さく固まって、盾を使い、頭だけは守り抜く。季節外れの雹の嵐は、ものの数十秒で終わったけれど、辺りの荒野一面に氷が敷き詰められ、又しても、身震いする程の寒気が走った。

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