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 ちょっと古い話題ですが、朝青龍氏が決定戦の末、優勝しましたよね。あんだけ一部に嫌われながらも、視聴率と世間の関心はガッツリ奪う辺り、大したキャラクターだと思います。

( ・ω・) 新ジャンル、横綱ヒールってのはどうでしょう?

「バラモスってのは用心深い性格だからな。長命なのを良いことに、部下を使ってジワジワと侵攻させておいて、本人は城に引き籠もったまんまだ。こっちから出向かない限り、会うの無理だろうな」
「そんなバラモスに、あなたはどうやって――」
「だから、何でてめぇにそれを言わなきゃならねぇんだ」
 頑なに、この話題にだけは触れたがらない。稀少な情報だからなのか、或いは、他に理由があるのか。それでも、僕は食い下がる。
「只でとは、言わない」
「金なんざ要らねぇぞ」
「僕は、勇者オルテガの次子、そして勇者アレルの弟、アレクだ。僕が持つ情報の全てを渡すと言ったら?」
「あぁ?」
 正直、僕が持つ手札は、彼のそれと釣り合うものかは分からない。これは、駆け引きだ。彼が口を閉ざす可能性を狭めない為、最善の努力をする必要がある。
「これは、兄さんが僕に宛てて送ってきたものだ」
 そう言って、腰の道具袋から、件の宝珠を取り出した。
「アリアハンの宝石商が言うには、『今までに見たことが無い宝石』ってことらしい。血塗れで、しかも何の手紙も添えられずに送られてきたこれは、バラモス退治を志していた兄さんにとって、重要な意味を持っていたもののはずだと思う」
「ってことは何か。てめぇも結局、そいつが何なのか分かってねぇんじゃねぇか」
 そう攻められるのは、予想の内だった。
「だけど、この宝珠を持っているのは僕で、あなたではない。これが将来、重要な因子になるとすれば、あなたは手詰まりにならざるを得ない」
「甘ぇな。今、おめぇをぶん殴って奪っちまえば済む話だろうが」
「それは無いよ」
「あ?」
「あなたは、無抵抗の人から物を奪えるような人じゃない。敵と認識した人を攻撃は出来てもね」
 とりあえず、シスが意識を失ってて良かったなぁと、ちょっと思ってしまった。だって、絶対、茶々入れてくるもん。
「チッ……」
 僕の言葉を聞いて、男は小さく舌打ちした。そして口に手を当てて思案を巡らせる。
「仕方……ねぇか」
「話をしてくれる気になった?」
「少しだけ、な」
 よし、引き出せた。僕は、自分の口先がそれなりの結果を残せたことに安堵感を覚え、身体と精神が脱力するのを感じていた。

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