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 もう二月だというのに、初詣報告。いや、行ったのは一月三日ですよ。近所の氷川神社です。しかし調べてみると、祀ってあるのは須佐之男だとか何とか。

( ・ω・) だって近所に、月読関連の神社なんてある訳が無いだろうと

「分かりましたわ」
 不意に、アクアさんがポンと自身の掌を叩いた。
「あなたがバラモスを倒すと仰られてるのは、そのお師匠様を助ける為ですのね」
「あぁん?」
 それにしても、クレインって、何処までもガラが悪いよなぁ。
「ざけたこと抜かすな。誰があんな爺の為にこんな躍起になるか。俺ぁ、自分の負けが許せないだけだ」
「世間では、その様な心情をツンデレさんと言うのですわ」
 本当、アクアさんって、謎の言葉を駆使するよなぁ。
「あ、そう言えば――」
「どうしましたの」
「結局、どうやって帰ってきたかを聞いてない」
「……」
 クレインが言うには、バラモス城は特異な結界が張られていて、魔法に依る移動は出来ないらしい。しかも湖の上に佇んでるから、陸路、海路共にどうしようも無いし――訳が分からないとしか言いようが無い。
「バシルーラ、だ」
「あの、敵を遠くに飛ばす奴?」
 あれ? でも結局、ルーラやなんかと一緒で、魔力で飛んでくんだから、同じことの様な?
「謎は解けましたわ」
「どゆこと?」
「ルーラは、術者自身とその仲間が飛ぶものですから、当然、魔力はその集団を中心に発生しますの。ですがバシルーラは術者が放ち、対象を飛ばすものですので、魔力感知には引っ掛からないと思われますの」
「そうか。極端なことを言えば、飛ばされた身体は、肉の塊ってことになるんだ」
「その通りだ。俺ぁ、半年前、バシルーラでカザーブ近くに飛ばされて、それ以来、ここに住み着いている」
「でも、ちょっと待って。クレインがここに居るってことは、バシルーラを使ったのは――」
「――」
 クレインはそこで、小さく声を詰まらせた。
「メロニーヤの爺だ」
「――!」
「あの爺、人身御供のつもりか何か知らねぇが、頼みもしねぇのにこんな真似しやがって……生きてやがったら、干からびた面、弾き飛ばしてやる!」
「やっぱり、ツンデレさんですわ」
 とりあえず、アクアさんの言うことは気にしないでおこう。
「これで、俺の知ってる情報は全部だ。何度も言うが、ルーラ、キメラの翼の類で直接、バラモス城に乗り込むのは不可能だ。範囲を広げて、ネクロゴンド近辺なら可能かも知れねぇが、俺ぁバラモス城へ行って帰ってきただけだから、そこには行けない。バラモスを倒す力もさることながら、そもそも奴の懐に辿り着く手段がありゃしねぇんだよ」
「それで、半年もこんなことろに引き籠もってましたのね」
「一々、癪に障る女だな」
 うん、慣れないと、アクアさんの癖は、相当、神経に届くものだと思う。

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