私がこんな感じの二次創作をドラクエ3以外でやるとしたら、ドラクエ5になるんですかねぇ。だけどアレって、途中にハードすぎる展開があるから、文に起こすのは辛いような。私、鬱展開弱いですし。ボケなきゃ死んじゃう病ですし。
( ・ω・) この病、二次創作をする上で、致命的なんじゃなかろうかと思わなくもない
「これが、旅の扉……」
いざないの洞窟の最深部、淡い青色の光を放つ水面に目を奪われ、僕は思わず感嘆の声を漏らした。
「たしかこれって、どんなものなのか、良く分かってないんだよね?」
「ええ、その通りですわ。文献が残るよりも遥か昔から世界にありますの。いつ何処から来たものなのか、未だに分かっていませんのよ」
分かっているのは、これに飛び込むことで特定の場所へ移動が出来ることと、これを守る為、各国が祠を建造したという二つくらいだ。どういう理屈で人や物を運べるだとかは、説はたくさんあるけど、良く分かっていない。
「これと似た転移の力に、ルーラやキメラの翼があるけど、そっちも謎が多いんだよね」
「ええ。ある程度の資質があればルーラは扱えますが、いつからある魔法かは分かっておりませんの」
「キメラの翼も、僕達が使えるくらい数はあるのに、作り方なんかは聞いたことがない。そもそも、キメラっていう生き物そのものが確認されていないんだよね」
「わたくし達が行くことの出来ない神界か魔界、或いは別の世界の力や生物とも言われておりますわ」
「あくまで、仮説ってことらしいけど」
何処まで行っても、憶測は憶測だ。実際に証拠で以って論理的構築をしない限り、絵空事の域を出ない。
「それにしても、魔法の玉って凄いよね~。古いって言っても、壁をあんな粉々に出来るなんてさ」
「うん」
兄さんとトウカ姉さんは、レーベの村で研究家のお爺さんに魔法の玉を貰って、この祠を封印していた壁を破った。船の行き来が減った今、表の世界へ飛び出すにはそれしか方法が無かったからだ。
「ってかさ。あの玉を色んな国で大量生産すれば、魔物達との戦いも楽になるんじゃないかな?」
「う……僕も同じこと思ったことあるから言いづらいんだけどさ。あれって、特殊な材料が必要だから一個しか作れなかったって、研究者のお爺さん、言ってたでしょ」
「そーだっけ?」
シスって、記憶力が無いんだろうか。それとも、目の前のことを処理するので精一杯なんだろうか。どっちにしても、ちょっと猫っぽいよね。身のこなしとかもひっくるめて。
「ところでお二人共、今日の体調は宜しいですの?」
「はい?」
「いえ、恐らく旅の扉は初めてかと思われますので、確認までに」
「体調と、旅の扉に何の関係が?」
突拍子が無いその質問に、脊髄反射的に質問で返してしまう。
「報告例は少数ですが、場合に依っては船酔いにも似た症状が出るとも言われてますの。ですので、無理は禁物ですわよ」
「へー」
船酔いに似てるって、凄く揺れるんだろうか。こればっかりはやってみないと分からないかな。
「僕は大丈夫だよ」
「あたしも」
「それは何よりですわ」
特に問題は無いようだし、そろそろ行こうかな。
「これって、入るだけで良いんだよね?」
「ええ。ですがその前に身を清め、主に祈りを捧げるのが、わたくしの会派の――」
「ひょいっと」
「わわっ!?」
アクアさんが言い終わる前に、シスは勢い良く飛び込んでしまう。その際に、僕の手を掴んでたものだから、必然的にこっちも道連れになる訳で――心の準備が出来る前に、顔が水面に叩き付けられた。
「ムグァ!?」
い、息を充分に吸い込んでないから、胸の辺りが痛いくらいに苦しい。あ、だけど何だかモニャモニャして良い気分……って、これ、危ないんじゃないの!?
「あらあら。お二人共、せっかちさんですのね」
あ、アクアさん、そういう問題じゃ無いってー! 嗚呼、何か意識と視界がボヤけていくよぉ……。
兎にも角にも、僕の旅の扉初体験は、何だか良く分からない、しっちゃかめっちゃかなまま終わったんだ。
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