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 オバマ新アメリカ大統領が誕生しましたが、選挙から三ヶ月あいたせいか、私は微妙に冷めたものもあります。所詮は、『アメリカ大統領』だろ的な。

( ・ω・) 知ってるかい。あのブッシュ(息子)でさえ、ピーク時は支持率九割あったんだぜ?

「ねぇねぇ。ロマリアって、闘技場があるらしいんだけど――」
「君は一体、何を期待してるのさ」
 ロマリア城下の市街に入った途端、シスはそんなことを言い出した。
「大丈夫、大丈夫。賭け事なんて、所詮は胴元が儲かる様に出来てるってことくらい、あたしだって知ってるから手なんか出さないって」
「そういう話じゃないでしょ」
 僕達は物見遊山で世界を旅してる訳じゃないんだよ。
「唯、試合観戦をしてる人って、どうしても集中力がそっち行くから、あたし達にとっては格好の仕事場なんだよね」
「だから、一般人からは盗っちゃダメ!」
 って言うか、盗賊行為は一切禁止だから!
「つきましたわよ」
 アクアさんに導かれ辿り着いたのは、市街の中心からやや離れたところにある教会だった。大きさとしては中規模といったところだろうか。聞くところに依ると、五十人程度の修道士と修道女が男女別に共同生活を営んでいるらしい。
 アクアさんも旅に出る前はここで過ごしていたという話だから、殆ど実家みたいなものらしい。
「久方振りですから、気分はウキウキですわ」
 こんなことを言っているけど、実際は数ヶ月くらいの話らしい。だけどこれから、本格的に世界を回るとなると、次はいつになるか分からない。だから一度、顔を出すことにしたんだ。
「おぉ、アクア。良く帰ってきたのぉ」
「お爺様、御無沙汰しておりましたわ」
 僕達を出迎えてくれたのは、年で言うと七十は越えていそうな年配の男性だった。だけど老け込んでいるという印象より、風格の方が先に目に付く迫力があった。
「各地での蛮勇は聞いておるぞ。それでこそ、儂の可愛い教え子というものじゃ」
「堕ちた者に、鉄槌を与えてるだけですわよ」
 それにしても、聖職者同士の会話には全く聞こえないところが恐ろしいなぁ。
「して、そちらの二人が、かの」
「ええ。幸いなことに、巡り会えましたわ」
 言って、まるで値踏みでもするかの様にジロジロと見詰めてくる。だけどそれ程に不快じゃないのは、職業補正なんだろうね、きっと。
「成程、良い目をしておる」
「はぁ」
 これって、素直に喜んで良いところなの?
「儂、一度で良いから、この台詞を言ってみたかったんじゃ」
「お爺様の夢でしたものね」
 納得。血が繋がってるかは知らないけど、この人は間違いなくアクアさんの身内だ。
「それで、しばらく泊まって行くんじゃろ」
「いえ、出来ましたら明日にでもポルトガに向かいたいと思っておりますの」
 そう、僕達の当面の目標は、世界を回ることが出来る船を手に入れることだ。その為には、世界一の造船国家、ポルトガに行かないといけないんだ。

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