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 遊戯王の世界には、かつてヤタロックという、極悪非道なコンボがありました。となるとやっぱり、『ふにろっく』の開発を急ぐべきなのではなかろうかと思われます。

( ・ω・) この『やっぱり』に違和感を覚える内は、あなたはまだ常識人と言えるでしょう

「うわ……」
 静寂が支配する森の奥深く、中空となっている区画にそれは存在した。
 優しい木漏れ日が差し込む佇まいは何処までも柔らかく、ここに居るだけで心が安らぐのを感じることが出来た。
「本当にあったんだ、エルフの隠れ里」
 エルフと思しき少女を追い掛けている内に、気が付いたら辿り着いてしまった。これって、運が良いってことなのかな。昔から、余り良い目は見てない気もするんだけど。
「バカ! 人間を見て慌てたからって、逃げ帰ってそいつらを連れてくるなんて、本当に、バカ!」
「だ、だって、しょうがないじゃない。状況を鑑みれば、情状酌量の余地は残されて然るべきだと思うよ?」
 エルフって、高尚で清廉な印象があったんだけど、意外と俗化されてるんだね。
「あ、あの~」
「キャー! 人間に喋りかけられたわー」
 どうしよう。話がこれでもかってくらいに進まない。
「何か、良い解決策知らない?」
「わたくしの記憶では、エルフ族はドワーフ族と仲が良かったとありますの」
「じゃあ、仲介を頼めば良いのかな」
「ですが、それなりに旅をしているわたくしですが、会ったことはありませんわね」
「……」
 人はこれを、堂々巡りって言うと思うんだ。
「だったらいっそ、脅迫するってのはどう?」
「きょ、脅迫?」
 今度は、シスが随分と物騒な単語を持ち出してきたなぁ。
「この場所を人里に知らされたくなかったら、こっちの質問に答えろって言うの」
 たしかにその手の交渉は外交の基本かも知れないけど、この場で持ち出すのはどうかなぁ。
「それにしましても、この様な状況に置かれますと、初めて異種族や異民族と出会った方々の苦労が分かりますわね」
 僕にとっては、アクアさんそのものが何よりの異文化交流だなんて、口には出せなかった。
「何を騒いでいるのです」
 凛とした、声がした。
「じょ、女王様」
 村の奥まった場所から姿を現したのは、気品に溢れ、適度に着飾った女性だった。耳が大きく尖っているところをみると、彼女もエルフなのだろう。実年齢を推定するのは難しいけど、人間で言うと二十代くらいだろうか。冷たい双眸と、無表情にさえ思える面立ちは、他のエルフ達と良く似ていた。
「人間――」
 不意に、女性の顔色が曇った様に思えた。
「どの様にしてここに辿り着いたかは知りませんが、すぐに帰りなさい。ここは人間が関わる場所ではありません」

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