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 微妙に遅れましたが、ミックスコント出場枠についての説明です。えー、まあ、昔からやってみたいなぁという恐ろしい願望はあったのですが、自分のキャラだけでも収集つかないのに、人様のなんか自殺行為だろという歯止めが掛かり自重していたのですが――作品を限定化して、一つ辺り三人とか絞れば何とか……なんぞと思ってしまったのが運のつき。でも、その三人ってどうやって決めるんだ。作者推薦じゃ面白くないから、読者に決めて貰おうぜーと、私の中で盛り上がり、現在に至ります。

( ・ω・) 何かとんでもない面子で構成されそうで、オラ、ワクワクしてきたぞ

「今、ちょっと、宿の帳簿見てたんだけどさ」
「そんなもの見て、どうしようって言うの?」
 本来なら、余り褒められた行為じゃないんだけど、断る相手も寝てることだし、そこは目を瞑っておこう。
「行方不明の資産家とか居たら、御礼が期待出来るじゃない」
 流石は、その思考力の九割を欲得で消費してるシスらしい発想だと思う。
「あのね。そういうのは、十年前、ロマリアの調査隊がとっくに処理してるから、今更、漏れが見付かるとは思えないよ」
 所詮は役人仕事だから絶対とは言い切れないけど、大人しくさせる為に、こう言っておこう。
「いや、たしかにそれっぽいのは無かったんだけどさ」
「でしょ」
「でも、別の意味で面白い名前ならあったよ」
 言って、帳簿の中程を指し示してくる。えっと、何々――。
「!?」
 そこには、僕にとって見慣れた文字列が書き記されていた。
「オル……テガ」
 父さん、父さんが、ここノアニールに立ち寄ったのって言うの?
「へへーん、良く見付けたでしょ」
「う、うん。凄いと思うよ」
 相変わらず、こういうものに対する嗅覚は尋常じゃないなぁ。
「それはそれとして、番台の上に乗るのは行儀悪いからやめようね」
「え~」
 たしなめる所はしっかりたしなめておかないと、何処までも調子に乗る辺り、本当、猫っぽいなぁ。
「そう言えば、オルテガ様はロマリアを去られた後、北に向かうと仰られていたような記憶がありますわ」
「ってことは、父さんがここに来たのはほぼ間違い無いのかな」
 父さんがロマリアを後にしたのは十数年前。そして、ノアニールが眠りに包まれたのも、ちょうどその時期――これは偶然なんだろうか?
「たまたまで片付けるのは軽々に思えますが、強引に関連付けるのにも無理があるといった感じですわね」
「そう……だね」
 たしかに、時期が被るといっても、一年程度という幅のある話だ。通りすがっただけというのも、充分に考えられる。
「オルテガ様が仰られていたことが、もう一つありましたのを思い出しましたわ」
「え、なになに?」
 父さんや兄さんの話となると、気分が高揚するのは、しょうがないことってことにしてよ。
「これも、この町と同程度に御伽の国の物語ですわ」
「御伽の?」
「ええ、オルテガ様はこの地方の伝承にある、『エルフの一族に会ってみたい』と言い残して旅立たれましたの」
「エル……フ?」
 それはまさしく、現実感の喪失した、夢物語に近い話だった。
「何でしたら、行ってみますの」
「え?」
「ノアニールの西、海岸近くの森の中に、エルフ達がひっそりと暮らす隠れ里があると、お爺様に聞いたことがありますの。尤も、会ったことはありませんわね」
「ほ、本当に、エルフなんて居るの?」
「それは、わたくし達の目で確かめることですわ」
 降って湧いた父さんの名前と、幻の一族、エルフの伝説。何がどうなってるかは分からないけど、僕にこの話を断る理由は、一つとして無かった。

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