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 物凄いぶっちゃけた話、ここのところ、このブログは自転車操業です。ほぼ、当日に原稿が書かれていると言っても過言ではないでしょう。

( ・ω・) 今こそ、ライオン仮面の恐ろしさが良く分かるぜ

「あら、迷い込んだとはいえ、これも何かの縁ですわ。お茶の一杯くらい御馳走して頂いても、咎められないと思われますわよ」
 相変わらず、アクアさんは図々しいなぁ。
「僧、ですか……随分と不浄なものを抱えているようですが、それも人間達の言う徳とやらに繋がるのですか」
「いえ、これはどちらかというと、わたくし個人の趣味ですわね」
「フジョー?」
 まさか、盗賊シスのことだなんて、この場で言えやしないよ。
「何にしても、私達は人間と馴れ合う気はありません。今すぐ出て行きなさい」
「あ、あの――」
「何か?」
 冷えきった瞳で射竦められ、僕は言葉を継ぐのを躊躇してしまう。
「十年位前、この村にオルテガって人が来たかどうか――」
「知りません」
「え、あ、いや、古い話ですし、ゆっくり思い出すとか、誰かに聞いてみるとか――」
「その様な男がここに立ち寄ったことはありません」
 強い言葉には、絶対の意志が籠められていた。
「もう一つ、伺わせて貰いますわ」
「――」
 女王様は、僕に向けていた凍りきった視線を、アクアさんに移した。
「ノアニールの方々が眠り続けているのと、この隠れ里に関係性は――」
「ありません」
「本当ですの?」
「私の言を信じられないというのであれば、最初から質問しないことです」
 言って彼女は、踵を返した。その場に居た二人のエルフも付いていってしまい、後には僕達三人だけが残される。
「どう思う?」
「幾つか、嘘はついておられましたね。口振りがあからさまというのを差し引いても、オルテガ様を男と断定したのは頂けませんわ」
「うん、たしかに『オルテガ』は男に多い名前だけど、それはあくまで僕達の世界の常識だ。人間と関わらないことにしてる女王様が知ってるのは不自然だと思う」
「へー、成程。そういう見方も出来るんだ」
 それにしても、怒らせちゃったかなぁ。ここからどうしようか。
「思い付きましたわ」
「今度は、何を?」
 アクアさんの閃きは、玉石混交過ぎるから、余り期待しないのが正しい対処法だって分かってきた。
「モシャス、ですわ」
「モシャス?」
 あの、他人に化けるっていう高等魔法のこと?
「あれを使ってドワーフの風体に化ければ宜しいのですわ」
「あ~……」
 たしかに、その理屈は正しいと思うんだけど――。
「アクアさん、モシャスなんて使えるの?」
「魔法使いの呪文を、どうしてわたくしが使えますの?」
 わーい。質問を、質問で返されたよー。
「アレクさんは、どうですの?」
「無理無理。あんな高度な魔法、今の僕には遠過ぎるって」
 もしかするとクレインなら使えるかも知れないけど、確実に怒鳴られて終わりだよね。
「ヒッヒッヒ。二人共、なってないなぁ」
 ふと、シスが何だか下品な笑いを見せた。
「要は、エルフ達を外見で騙せば良いんでしょ?」
 自信満々に言い放つその台詞に、言い様の無い悪寒を覚えた。だけど言葉に秘められた意味を理解するには、僕は余りに若過ぎた訳で。 

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