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 臓器的な話をすると、一番、働き者的な意味で偉いのは脳味噌として、次はやっぱり心臓でしょうか。二十四時間労働、死ぬまで休みなし。私には真似が出来ません。むしろ、脳より偉い気がしてきた。

( ・ω・) 世の中、偉くなる程、労働時間が増えるって言うけど、良し悪しだよね

「えーと……結局、あなた達、何をしにきたの?」
 正直、自分達でも良く分からなくなってきたりしてるよ。
「そんな、生き恥まで晒して」
 僕、泣いても良いよね?
「ま、まー、それはそれとして――」
 ちょっと強引だけど、話を戻しておこう。幸い、このエルフさん、警戒はしてるけど、すぐに逃げ出すって感じでもないし。
「僕達、十年前、ここに立ち寄ったかも知れないオルテガって人と、ノアニールについて調べてるんだけど」
「――」
 不意に、彼女は顔を少し引き攣らせた。
「そのことを知って、どうしようっていうの?」
「どう、って」
 面と向かって言われると、ちょっと困る気もする。
「僕は、オルテガの子供なんだ」
 とりあえず、基本から抑えておこうかな。
「父さんは世界中を旅してて、ノアニールでその足跡を見付けた。こっちにも来たって話を聞いたから、足を伸ばしてみたってところかな」
 あわよくば、眠りの町の情報も手に入れられたらなんて、甘いことを思ってたりもする。
「あのね……世の中には、余り触れない方がいいことも多いんだよ」
「え?」
 それだけ言い残して、エルフのお姉さんは、村へと戻っていった。ねぇ、今のって、どういう意味なの?

「訳分かんなーい」
 シスと意見が合致するっていうのは甚だ遺憾だけど、僕も同じ印象だ。エルフ達は、父さんとノアニールについて、何かを隠してる。それが何かは分からないけど。
「と言っても、正面から聞いても教えてくれそうもないしなぁ」
「押してダメなら引いてみろ、ですわ。気の無い振りをしてわざとつっけんどんな態度を取る、ツンデレ作戦なんてどうですの?」
 だから、ツンデレって何なのさ。
「御主達……」
 ふと、年老いた声を耳にした。
「あなたは?」
 僕達の前にいたのは、一人の老人だった。小柄な体躯に、シワの多い顔、白く伸びた顎鬚と、よくある特徴が目に付いた。
「エルフの里に、何の用じゃ?」
 今日は、この質問に何度も答える日だなぁ。
「えーと、ですね」
 再び、ここに至った経緯をかいつまんで説明した。
「そう、かの」
 老人は、特に感情を表に出すことなく、相槌を打った。
「付いてきなさい」
 言って、促す様に森の一角へと歩を進めた。え、何、どういうこと?

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