2010
大長編ドラえもん『のび太の日本誕生』内で、土地なんて元々そこらにあったものを、あとで人間が勝手に値段をつけたものじゃないか的な台詞があります。今にして思うと、コロコロ連載が1988年10月号から1989年3月号で、映画公開が1989年3月と、思いっきり日本が土地バブルに浮かれていた時代ですね。まあ、あれで結構、時事ネタとか多い作品なので、特にどうこう言う訳じゃないんですが、地味に社会的なネタだったんだなぁと。環境問題とかは、露骨とも言える程に盛り込むことは多いんですけどね。他にも、探してみればちらほらあるのやも知れません。
( ・ω・) 唯、ドラえもんに関わる実在の有名人は、郷ひろみ以外認めないよ?
人間って、寝たり、気を失ったりしてるからって、こんな微動だにしないなんてことがあるはずがない。よもやという最悪の仮定が、頭を掠めた。
急いで胸に手を当ててみたけど、全く動きを感じなくて、僕の鼓動の方が倍速以上で鳴り続けていた。
「このオッサン、こっちの人形と同じ感じになってるね」
シスの言葉を理解するのに、普段以上の時間を必要とした。
「それって、やっぱり死――」
「違う違う。同じだって言ってんの」
シスの言葉を解読するのは、いつだって難解だ。
「なーんか微妙に変な感じはしてたんだけどね。変わった奴だとそーいうこともあるから、そこまでは気にしてなかったんだけどさ」
それって、『バブルスライムはバブルスライムの毒で死なない』みたいに、シス自身には適用されてないってことで良いのかな? いや、シスも大概変人だよね?
「今になってよーやく分かったよ。オッサンも、人形だね」
「……」
シスの言葉は大概の場合は理解に苦しむ。だけど今の言葉は、格が違った。
「はぁ?」
直後、僕から漏れ出たのは実に陳腐な頓狂な声だった訳で。
だ、ダメだ。話が突拍子もなさすぎて頭が全然ついてってない。え、モロゾフさんが人形って何。僕の頭が悪いって言うか、固いだけなの?
「うおっ!」
「うわっ!?」
不意に、モロゾフさんが奇声を上げて立ち上がった。僕は余りに驚きすぎたもんで、その場に尻餅をついて、その身体を見上げる格好になる。
し、心臓が痛いくらいに強く動いてるし、どうしたもんだろうか。
「父さん……おはよう」
「おお、ジュリ、無事で良かった」
普通に再開の会話をしないで下さい。ついていけてないんですよ。