2010
うぉい。本当に、中国で投獄中の劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞しちまったぞ。それに対し中国共産党は、『平和賞を冒涜するものだ』と声明を発表。今後、ノルウェーという国家に対して経済制裁を示唆する内容だったそうです。そういうことするから、こんな嫌味な受賞されるんだろうが。ギャグでやってるんですか、あなた方は。
( ・ω・) まあ、平和賞出す方も何か売名的なの多いし、どっちもどっちって感じはするんですが
「野性的な男も、一部で需要があるって言うけどね」
はい、クリスさん。勢いに任せて適当なことを言ってはいけません。
「それはそれとして」
話がとっ散らかるいつもの流れは、意図的に断ち切っておこう。
「これは、先にどうにかしておかないと」
幸いにして、僕達が最初に入った入り口は、視界に入る近さにあった。あら~。こりゃ見事に岩で蓋をされちゃってるね。軽く人一人分の大きさ越えてるし、シスが一人で動かせないのも道理だわ。
「多分、私達四人で押しても、どうにもならないわよ。唯一の男手が貴方だし」
クリスさんも、こなれてきたのか相当に口が悪いです。
「もう外に出てますから、こんなの大した障害にならないですって」
言って、僕は精神を右の掌に集中させた。
『イオラ』
憶えたての中位爆裂呪文を、岩の中心に向けて叩き込む。衝撃を外部に漏らさず、自壊する様に破壊するのはそれなりに難易度が高いんだけど、こういう小細工は得意分野だ。派手な破砕音と共に、岩だったものは石ころと砂塵へと姿を変えた。
「へぇ、やるじゃない」
「魔法だけは、人様に見せられるものだと思っておりまして」
うーん、何か久々に魔法で良いところを見せられたから気分が良いね。
言うまでも無いけど、この手法を洞窟内でやろうとしたら、制御の失敗一つで生き埋めになるからよっぽど切羽詰ってない限りはやらないからね。
「んでシス。モロゾフさんとトーマスさん、何処に置いてきた訳?」
一応は歴戦の冒険者っぽいモロゾフさんだからそんなに心配はしてないけど、不具合があったなら救出は早い方が良いだろう。トーマスさんに関しては、魔力供給が断たれただけっぽいから大丈夫だろうけど。