2010
北アフリカが特に有名なピラミッドは、奴隷の力で作られたものではなく、農業が暇な時期の公共事業だったという説があります。まー、あたしゃ歴史学者じゃないんで、本当かどうかは分かりませんが、思うことはとりあえず、何で墓なんて作るん? いや、ナイル川の灌漑とか、有意義な事業は幾らでもあるじゃないですか。人類は、やはり何も成長していないような。
国威発揚とか、国力を見せつける為だったんでしょうか。まあ、二十世紀になってようやく、観光業的な意味で価値が出てきた訳で、必ずしも無駄ではなかったような……絶対、そこまで計算してませんけど。
( ・ω・) 高速道路も、千年経てば文化遺産って言い切るのが近道なのではなかろうか
「公女様だったんですか?」
「違うって、否定してるんだけど」
言葉尻はそういうことになってるけど、目の方はどちらともとれない冷めたものだった。どうやら、暗黙の内に肯定する分には、さして問題無いみたい。
「やっぱり、目付けの人から、『このジャジャ馬が!』って言われたりしたんですかね」
「あ~。いいとこのお嬢さんに生まれたら、一度は言われてみたい台詞だよね~」
「どう反応していいか、本当に分からないんだけど」
ある意味、そういう素の受け答えこそ、こちらにとっては一番、美味しいものだったりします。
「後、第三女ってことは、お姉さんが二人居るんですよね?」
「母親が違って、仲が尋常じゃなく悪いってのも、ありがちな展開かな」
「あなた達、普段からそんな会話してる訳?」
「これらは全て、仲間であるアクアさんの影響です」
人格的な問題で困った時はあの人のせいにしておけば、大体のことは丸く収まると思うんだよ。
「一度、そのアクアって人に会ってみたいものね」
「あと数日でポルトガ城下町に戻ってきますから、御都合さえ合えばどうぞ」
今後の人生に多大な影響を与えようと、自己責任であることは付け加えておくべきなんだろうか。
「ん、ちょっと待って下さい」
「今度は、何」
「お姫様ってことは、剣の師も、相当のもんだと思って良いですよね」
素性のはっきりした親衛隊員クラスか、地元で名士の道場主か、少なくても、僕みたいにそこらの兵士じゃないだろう。旅に出た後に知り合ったっていうなら、その限りじゃないかも知れないんだけどさ。