「ま、まー、何だ。大したことねーみたいだし、問題はない」 「……あ」 大体、思い出した。たしか御互い、馬鹿みたいに飲みあってたんだけど、見るからに限界が近かったクレインに対して、僕は僕で平然と杯を重ねてた訳で――。 「突然、クレインが近くにあった棒切れで僕の頭をガコン、と」 何ていうか、酔ってて力が入らなかったのかなとか、手元にあったのが理力の杖じゃなくて良かったとか、色々と思うことはあるけどさ。 「とりあえず、僕に言うことは無い?」 「……悪かったな」 うん、素直っていうのは、何処の国でも共通する、基本的な美徳だよね。 「それで、この場合、勝負ってどうなるの?」 まあ、どう贔屓目に見ても、クレインの反則負けは揺るがないところなんだけどさ。 「あぁ? 理由はどうあれ、てめぇは途中で場から離れたんだぞ? どう安く見積もっても、勝負無しが妥当なところだろうが」 「……」 うわ、何、この卑劣極まりない論理。物事の見方って、一つじゃないんだね。 「だけど引っぱたいた分の詫びについては別勘定だ」 「ん?」 「ついてきな。アッサラームが、どうやって発展したのか見せてやるぜ」 この時、ちょっとエロティカルなことを考えてただなんて、女の子二人には内緒だからね。 PR |
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