「ん……」 深い沼の底から、急激に引きずり出されるようにして、意識が覚醒した。何処からとも無く漏れ入る赤い光を知覚したけど、その弱々しさから、まだ夜だと理解する。 「よぉ、坊主、起きたか」 聞き覚えのある声に、首だけをそちらに向ける。そこに居たのは、アクアさん曰く、ツンデレ大都督……あれ、何か違う気もするけど、とにかくクレインその人だった。 「えっと、たしか僕達、一緒にお酒を飲んで……」 何だか、途中から凄く記憶が曖昧なんだけど。って言うか、ちょっと頭が痛いし、何がどうなってるのさ。 「とりあえず、ここは僕達の宿だよね」 頭の焦点が直ってくるにつれ、現状が段々と飲み込めてくる。ここが、何刻か前に借りた宿の一室であること。ベッドは三つあって、向こう側の二つの敷布が膨らんでるから、アクアさんとシスが中に居るんだろうと思う。 それにしても、本当、いつ、帰ってきたんだっけ? 「まあ、その何だ。人ってのは、失敗もすれば、勢いで動くこともある。そんなムキになんな」 「ん?」 何、今の発言。一体、どういう意味なのさ。 「ひょっとして、僕の頭が痛いのと何か関係がある?」 「う……」 その唸り様、肯定と取らせて貰うけど良いよね。 PR |
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