「大した理由じゃねぇよ。てめぇ、自分を『勇者』だなんていう割に、何考えてんだが、さっぱり分からねぇからな。少し腹ん中、捌いてみようと思っただけだ」 別に好きで自称してる訳じゃないけど、人から見るとそんな取られ方してたんだ。僕としては、ちょっと反応に乏しいくらいだと思ってたんだけどなぁ。 「要約すると、一人酒の寂しさに耐えられなくなったということですのね」 「おい、坊主。このアマ殴れ。人生の先輩としての命令だ」 そんな後が恐ろしいこと、出来る訳が無いじゃない。 「まあ、俺に勝てたら仲間になってやるって話は嘘じゃないぜ。尤も、俺ぁ、豪傑で知られる傭兵団で全戦無敗だったがな」 うわ、セコッ。何、その修行を始めたばかりの少年剣士に全力を出す達人みたいな真似。僕が当事者だったら、多分、泣いちゃうよ。 「ね~。どうでも良いから早く飲ませて~」 いや、むしろ良く先んじて飲まなかったね。そんな良識があったことの方が驚きだよ。 「盗賊ギルドの間じゃ、酒を一人で先に飲んだら何をされたら文句は言えないって決まりがあるんだから~」 ハハハ。そりゃ、盗みが生業の人達じゃ、そういうことになったりもするよね。 「では、開始ですわ」 アクアさんの一言が、戦闘開始の銅鑼代わりとなって、僕達の死闘は始まった。 PR |
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