「ん?」 稼ぎに稼いだチップを換金している最中、別の場所に人だかりが出来ていることに気付く。それにしても、そろそろ日が昇るっていうのに、皆、元気だなぁ。 「ちょっと覗いてこうか」 「出禁食らった奴の台詞じゃねぇな」 「参加しなきゃ問題無いでしょ」 そう言って、人だかり越しに、騒ぎの中心を見遣ろうとする。だけど背が高い人も多くて、どうにも巧くいかない。 「ねぇ、何が起こってるの?」 「どうも女が一人、馬鹿勝ちしてるらしい。賭場の方も本気出してるみたいだが、にっちもさっちもいかないみたいだな」 「へー」 何て言うか、随分とツキの無い日だね。何だかんだ言って賭場だし、因果応報なのかも知れないけどさ。 「で、と」 その女傑に興味が湧いて、もう一度背伸びをして覗き見ようとしてみる。だけどやっぱりどうにもならない。そこで、聞き耳を立ててみることにした。えっと、何々――。 「ダブルアップは、ここまでにしますの」 「……オーケー、オーケー。何処で終えようと、それは君の自由だ。異存は無いよ」 「……」 あれ。何か、ものすごーく、聞き馴染みのある声と喋り方の様な? 「ストレートフラッシュ、ですの」 「ハハハ。十回中三回もストレートフラッシュを出すだなんて、僕の長年のディーラー人生でも始めてのことだよ」 PR |
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