梅雨も明けてないっていうのに、何だか暑い日が続いていますが、まだ皆さん、御存命でしょうか。水分と、塩分の補給が鍵となっております。つーか、思うんですがね。身体の水分が減れば、喉が渇いて欲するからいいとしても、『俺の身体は、今、塩分が不足している』って信号は、微妙に分かりにくいと思うんですよ。濃い味付けが美味しく感じるくらいで。まあ、水分より優先順位が低いからしょうがないのかも知れませんけど。ってか、ちょっと暑くなったくらいで塩分が不足する機構自体、構造欠陥だろうと思わないこともないのです。
( ・ω・) 良く出来てる部分が多い反面、「?」が多いのも人体ですよね
「ほぉ、その若さで弟子を抱える程の技量を持っているとは、俺の目に狂いは無かったようだな」
一体、いつそんな評価を下したのか、事細かに御解説頂いて良いですかね。
「いや、或いは魔法業界にありがちな、不老の技術を極めてらっしゃるか。いやはや、どちらにしても大したものだ」
一応、この業界では不死の研究は禁忌扱いだし、それに準ずる不老もほぼ同様なんだけどね。というか、奥さんが人間の感覚で言えば殆ど不老なのに、何を言っているか判断しがたい。
「ってかさ。これからすっごいお宝の匂いがするんだけど、そっちは良いの?」
「だからね、シス。僕みたいな極普通の一般人は、お宝の匂いなんてものは分からないんだよ?」
そして、サラッと『これ』扱いする辺りが何処までもシスだ。
「調べていい?」
「トランスさんの時みたいに、いきなり服に手を突っ込んだりしなければね」
本来なら当事者であるシルビーさんの許可が要るんだろうけど、前に会った時、シスはこんな反応を示さなかった。何らかの関係が考えられる以上、やむを得ないってことにしよう。
「大丈夫、大丈夫。多分、この腰の道具袋の中だから」
ちなみに、シス語的にこの『多分』は、『確実に』に置き換えても、大して問題はない。
「んー。これは只の毒消し草で、こっちは満月草――お、これかな?」
言ってシスが取り出したのは、白銀の輝きを持つ拳大の宝珠だった。え、ちょっと待って。これって、もしかして――。
「シルバーオーブ!?」
すぐさま、自身の道具袋に手を突っ込んで、オーブを一つ取り出した。今、所持している三つの内、『宿縁』の宝珠であるパープルオーブを引き当てたのは、果たして偶然なんだろうか。
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