西ノ宮シスターズで、三本の矢!
麗:あなた達。この矢を見なさい。ほら、一本ではポッキリ折れちゃう矢も、こうして三本揃えば――。
バキッ
結:おぉ、姉者、怪力でござるな。
海:うむ、即ちこの世はパワーこそ全てということ。
舞:然り然り。
麗:……。
実際の西ノ宮麗とは、仕様が若干、異なります。後、アホみたいに一致団結してる三つ子に、この話を説く必要がないって?
( ・ω・) 雰囲気だ、雰囲気。世の中の八割は、勢いで成立しているのだよ
たしかに、僕に今ひと時の気持ちが足りないのは事実かも知れないけどさ。エルフ見たさに案内役を買ってでて、そのまま駆け落ちしちゃう人に言われると、考え足らず過ぎるんじゃないかって言いたくなるんだけど、間違ってないよね?
「分かりましたよ。一宿一飯の恩義もありますし、どの道、夜のルーラは危険ですから、出るのは明日の早朝になるんです。その時に少しだけ、お付き合いします」
視界が利かない中での呪文移動は、国際的に極めて危険な行為であると認定されていて、すぐさま命に関わる緊急時以外は使用を禁止されている。夜間だけじゃなくて、嵐の日なんかも同様だ。さっきシルビーさんが単身、ネクロゴンドのバラモス城近くへ行こうとしていたけど、夜目が利く飛行系モンスターに撃墜されて、最悪、一瞬で終わりだったはずだ。
「うむ、それでこそ男子というものだ」
どこら辺にどう、男の子の資格が絡むのかは分からないけど、朝、明るくなってからルーラで飛べば、そんなには時間的な損失はないはずだ。どっちにしても思索する時間は必要だし、お爺さん達から、何かしら着想を切り替える切っ掛けを貰えるかも知れない。頭を冷やす為にも、必ずしも間違った行動ではないと信じよう。
「という訳だから、今日はもう寝よう。何らかの動きがあるかも知れないから、三人で交代で起きてることにして、明日、陽が出たらノアニールに向かう。その後にレイアムランドに行くってことで良いかな」
「船はどーすんのさ?」
「あ、そうか」
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