2010
何でも、北朝鮮が韓国に対して砲撃を仕掛け、韓国もそれに対して反撃したそうです。兵士に死人が出て、民間人も負傷してる以上、これって完全に戦争状態じゃ、と言いたいところですが、戦争の定義は、宣戦布告があって成り立つものだった気がするので、これは単なる小競り合い扱いですね。国際法、難しいネ。
( ・ω・) とりあえず、こっちに飛び火しませんよーに、と
「ん?」
とりあえず一掬いしようとスコップを地面に突き刺したら、いきなり何か固い感触があった。
石かな。それとも遺骨? そんな深い場所じゃないし、とりあえず土を掬って――。
「……」
固い部分を避ける様にして周囲から抉っていった結果、そこに晒されたのは翠色に光る握り拳程度の宝珠で――え、こんなあっさり見付かって良いの? 偽物だったりしない?
差し当たっては、パープルオーブとレッドオーブを横に並べて、見比べてみる。大きさは、目視で確認する限り同じだ。土埃で大分汚れてるけど、ぱっと見で感じる霊験的なものも、そう変わらない。
「シス。これって、価値的にどう思う?」
「あんま変わんないと思うよ」
最終診断装置、シスの意見も、これがオーブであると指し示している。ってことは、やっぱりこれは本物で良いんだろうか。殆どお墓を荒らさずに済んだのは良かったんだけど、何かこう、釈然としないものが残るって言うか。
「んじゃ、目的も達成したし帰ろうかー」
いやいや、だから、本当にこれで終わりで大丈夫? 今まで、何かしら揉め事に巻き込まれてきた人生を送ってきたせいで、素直に現実を受け入れられない性格になりつつ――。
「――」
風を切る音が、耳に飛び込んできた。
どうも、どっからか矢が飛んできたみたい。後ろの墓に、一本刺さってるよ。えーと、角度からして、大体、こっちかな。
「攻撃を受けたというのに、何故だかウキウキしておられるように見受けられるのですが」
「そんなことはないよ」
本当、何かしら起こらないと落ち着かないだなんて、そんなことは絶対に無いからね。
2010
巷で噂の柳田法務大臣が、大臣職を辞したそうです。まー、こうしなければ収集は付かなかったでしょうから、やや遅ってところですかね。もしかすると本気で、週末の世論調査を見なければ行動できないんじゃないですかね、この政府。週明けに動くことがあまりに多過ぎるような。偶然かしら。
( ・ω・) さぁて、次は仙谷官房長官が、矢面って奴ですか
話に聞いただけだけど、このお墓を作ったのは、イシスの兵達だということだ。彼らを守ることは出来なかったけれど、略奪の類が行われなかったのは、僅かにでも自尊心が発現したと信じたい。
「お、ここらは良いもんかなぁ。あー、でもこっちの方が――」
しかし、いつも疑問なんだけど、何でシスは価値があるものを、視認も出来ない状態で探すことが出来るんだろう。余りに便利すぎるもんだから、ついつい頼っちゃって久しいけど、不可解なんて一言で済ませて良いものじゃない。合理と理論が信条の魔法大好きっ子として、いつの日か解明すべきものだと思うんだ。
「一番でっかい反応はここだねー。間違いなく、国宝級のブツがあるよ」
墓の合間をジグザグに縫うようにして端っこまで歩いた後、シスは中心辺りに戻って、そう結論付けた。
ま、シスが言うんならそうなんだろうね。完全に慣れきって、疑ってすらいない自分が恐ろしと思わなくもないよ。
「さて、と」
鉱山での一件で反省して、小型のスコップを買っておいたんだよね。これで、効率的に土を掘り返すことが出来るよ。
「もうすぐ日が暮れそうだし、早めに終わらせないと」
どっちにしても今晩は損傷の少ない家を拝借するつもりなんだけど、仕事が早いに越したことはない。ここは一つ、気合をいれてだね――。
「じ~」
「ですの」
「あのー。何でこう、じっと僕のことを見詰めておられるのでしょうか」
「掘る道具持ってないから」
「同じく、ですわ」
し、しまった。なんとなーくかさばるから一つしか買わなかったけど、使う時は同時になるから人数分要るんだった。どうにも、こういう詰めが甘いよなぁ、僕。
2010
昨日だか本日だか、民主党の山岡氏がテレビ番組に出演していました。しかしこのオッサン、菅総理が落ち目になると湧いてくるよなぁとか考えていたら、その受け答えが余りに酷く、何しに来たんだ、こいつとか思ってしまいました。いえ、何かこの人が閣僚だったら、ついでに問責になるんじゃないかって勢いだったもんで、三周くらい回って、『まて、慌てるな、これは一郎の罠だ!』と連呼してしまいましたよ。あんな酷い受け答えしか出来ない人が、国会議員をこんな長いこと続けられるわけがないですから、絶対に深謀遠慮ですって。こんな人を選出するなんて、一体何処の土地――栃木四区、とね。
( ・ω・) こうして、又しても都道府県に関する偏見が刻み込まれたのであった
「いや、この村、金目のものは殆ど残ってないけど、どうもここだけは違うみたいだってこと」
「ん?」
えーと、それを僕に通りが良い様に変換すると――。
「このお墓に、何かあるって言うの?」
「そゆこと」
今まで、シスのお宝を見つけ出す能力が外れたことは一度もない。そこから導かれる、僕達が次にやらなければいけないことはというと――。
「墓暴きを、しろと?」
ノアニールで前例が無い訳じゃないけど、結果論としてあの中に死体は入ってなかった訳だしなぁ。ここにある墓標はざっと見ただけでも数十はあるし、形だけってことは無いだろう。少なくても、この数と同じだけは埋まっているはずだ。
「って言われても、ここ以外に怪しいところ無いんだってば」
「う、うーん……」
「為すべきことを、為す。その為に、わたくし達は足を止める訳にはいかないのですわ」
言って、アクアさんは一歩、足を踏み出した。
そうか、そうだよね。僕達がしなくちゃいけないのは、グリーンオーブを見付けだすこと。その為に、道義や倫理から外れることもあるやも知れない。未だに覚悟が足りないなと、又しても思い知らされたよ。
「で、大体、どこら辺だと思う?」
「んー、ちょっと待って。匂いが濃いとこ、調べてみるから」
もちろん、比喩的表現なんだろうけど、シスが言うと、本当に鼻で嗅いで検知してるんじゃないかって思えて怖いよ。
「結構、色んなものが入ってるっぽいねー。多分、埋葬した人が、その人の物も一緒に埋めたんじゃないかなー」
2010
まあ、色々な意味でぶっちゃけた話、女性キャラって女子高生という肩書きが付いてるだけで三割は得する風潮がありますよね。高校卒業が最終回なんて話幾らでもありますし。更に刀持ってると更に三割アップって感じがします。重ね掛けで69%アップ、約七割ですよ。そりゃ、帯刀女子高生がヒロインの話がそこらに転がってる訳でさぁ。
そして古来より2時間サスペンスの伝統として、湯けむりと温泉を書いておけば視聴率が3%は違うと言われています。むっはー。ひょっとして、帯刀女子高生が温泉に行って、ついでに水着で泳ぐ話なんて書けば、バカ売れ確定なんじゃないのか、おい。
( ・ω・) 実際、こんな話ばっかりな気がしてならないから困ったもんだ
言っても、アクアさんは年長者だよなぁ。僕なんて、無事に旅を終えて、兄さん達と帰れたら一年くらいゴロゴロして過ごしたいとか思ってるのに。そういやクレインも商売始めたいなんて言ってた気がするし、意外と皆、ちゃんと今後のことを考えてるのかも知れない。
「あたしはどうしようかなー。折角、色んなとこ行ったんだし、いっそアリアハンなんて一つの国に拘んないで、世界進出とかしてみようかなとか」
ああ、そうだった。僕にはシスの更生っていう、大仕事があったんだっけ。こんなこと言うと何だけど、打倒バラモスに比肩する難題の様に思えて、先行きが全然、纏まらない。
「アレクさんは、どうされますの?」
「ん、んあー」
前に、トヨ様と似た問答をした記憶があるけど、正直、兄さんと父さんを見付けて、姉さんを元に戻した後のことすら、あんまり煮詰めて考えていない。本当、こういう会話の流れになると分かりきってたのに、何でこんな質問したんだろう。自分で、自分の心の機微が分からない。
「そ、それより日が暮れる前にグリーンオーブを探さないと」
自分で振っておいてこの打ち切り方もどうかと、ちょっとくらいは思うよ。
「さぁ、シス。何か怪しいところを探し出すんだ」
そして、更生が使命とか言っておきながら、全力で頼りまくってる現状について、思うことが無い訳じゃないよ。
「あれ、気付いてたんじゃないの?」
「何をさ」
はい、いつもの通り、シスとの会話は、解読という、他とは一味違う手順が必要ですよ、と。
2010
最近、セネレで一番精神年齢が高いのは誰かを考えてみたのですが、三回りくらいして、岬なんじゃないかという結論に至りました。とりあえず男共はガキばっかなので論外。茜も、基本的に大人とは言えませんし、遊那、結、舞、海は言うに及ばず。りぃは年齢相応くらいですかねぇ。実年齢より高そうなのは、頑張って、綾女、西ノ宮、岬くらいかなぁ、と。三人共、子供っぽいところも残ってるんで、ギリギリの消去法なんですが。
まあ、私的意見として、源静香さんに勝てる精神年齢の高さを持ったティーンは知らないのですが。
( ・ω・) 『理屈に合わないことをするのが人間なのよ』とかサラッと言える大人になりたい
「……」
「アクアさん?」
表情を変えず無言のまま、アクアさんはふらりとこの場から歩き去っていった。その先にあるのは、小高く盛られた土の山と、十字架の杭だ。そうか。まず為すべきことは、それだよね。
「……」
墓標に一通りの祈りを捧げた後、チラリと横目でアクアさんを見遣ってみた。膝をついて目を瞑り、両手を組んだまま微動だにしないけど、一体、どういった心中なんだろうか。
考えてみれば、二年近く一緒に旅をしてるけど、深く心の奥底まで立ち入ってみようと思ったことは殆ど無いような気がする。何しろ普通に接するだけで手一杯なのに、それ以上となると中々、ね。だけど、実家が修道院だったと言っても何で僧侶になったのかとか、御両親のこととか、知ってる様で知らないことが結構ある気がしてならない。
「ねぇ、アクアさん」
「どうしましたの?」
お祈りが一区切りついたと思われるところで、声を掛けてみた。彼女はいつも通りのゆるりとした動きで立ち上がると、膝の土埃を払うこともなく、こちらに向き直った。
「アクアさんは、バラモスを倒したらどうするつもりなの? 実家に帰るの?」
聞きたいことはたくさんあったはずなのに、口から出てきたのは陳腐なものだった。
「はっきりと決めている訳ではありませんが、ジュリさんのこともありますし、そうなることも有り得るやも知れませんわね。唯、例えバラモスを滅したとしても、世の乱れがすぐさま糺されるという訳でもないでしょうから、旅を続けて見識を広めつつ、その一助になりたいとも思いますわ」