2010
何でも、北朝鮮が韓国に対して砲撃を仕掛け、韓国もそれに対して反撃したそうです。兵士に死人が出て、民間人も負傷してる以上、これって完全に戦争状態じゃ、と言いたいところですが、戦争の定義は、宣戦布告があって成り立つものだった気がするので、これは単なる小競り合い扱いですね。国際法、難しいネ。
( ・ω・) とりあえず、こっちに飛び火しませんよーに、と
「ん?」
とりあえず一掬いしようとスコップを地面に突き刺したら、いきなり何か固い感触があった。
石かな。それとも遺骨? そんな深い場所じゃないし、とりあえず土を掬って――。
「……」
固い部分を避ける様にして周囲から抉っていった結果、そこに晒されたのは翠色に光る握り拳程度の宝珠で――え、こんなあっさり見付かって良いの? 偽物だったりしない?
差し当たっては、パープルオーブとレッドオーブを横に並べて、見比べてみる。大きさは、目視で確認する限り同じだ。土埃で大分汚れてるけど、ぱっと見で感じる霊験的なものも、そう変わらない。
「シス。これって、価値的にどう思う?」
「あんま変わんないと思うよ」
最終診断装置、シスの意見も、これがオーブであると指し示している。ってことは、やっぱりこれは本物で良いんだろうか。殆どお墓を荒らさずに済んだのは良かったんだけど、何かこう、釈然としないものが残るって言うか。
「んじゃ、目的も達成したし帰ろうかー」
いやいや、だから、本当にこれで終わりで大丈夫? 今まで、何かしら揉め事に巻き込まれてきた人生を送ってきたせいで、素直に現実を受け入れられない性格になりつつ――。
「――」
風を切る音が、耳に飛び込んできた。
どうも、どっからか矢が飛んできたみたい。後ろの墓に、一本刺さってるよ。えーと、角度からして、大体、こっちかな。
「攻撃を受けたというのに、何故だかウキウキしておられるように見受けられるのですが」
「そんなことはないよ」
本当、何かしら起こらないと落ち着かないだなんて、そんなことは絶対に無いからね。