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 ドラクエといえば海上移動手段として船が定番ですが、あれって結局、誰が操縦してるのかが一部謎です。纏めると(一応、ネタバレ反転)、1→船無し、2→持ち主の孫を助けた見返りに、3→黒胡椒と引き換えに、4→トルネコの私物、5→ルドマンがくれた、6→チャモロの一族の私物、ひょっこりひょうたん島、7以降はやったこと無いので知りません。
 4と5は、船員も雇ったと考えるのが妥当ですが、他のシリーズは、セットでくれたんですかね。或いは、少人数でも動かせる船なのか……謎は尽きません。

( ・ω・) こういう妄想こそ、ビデオゲームRPGの醍醐味だよね!

 ここには、薄汚れたと言っては失礼かも知れないけど、年季の入った船が多い。かつて海洋大国だった時代からの艦だからなのか、或いは、クワットさんが言うところの政治腐敗に依る整備費用不足が原因なのか。とにもかくにも、傷だらけの船体と補修痕が、生々しく、そして痛々しく思えた。
 そんな中、一つだけ違和を覚える程、目に付く船があった。生木に近い薄い乳白色の船体に、傷の少ない滑らかな外観。底にこびりついている苔やフジツボの類も少なく、明らかに新造艦だ。
「もしかして、これが――」
「うむ。既に着水式を済ませ、ロマリアまでの試験運行はしたものの、紛れも無く君の為の新船だ」
 『君の』という言葉を強調された気がして、少し、気後れしてしまう。
「乗ってみて、良いですよね?」
「聞くまでもないよ」
 確認の意思を合図として、僕は船へ向けて駆け出した。何だか、期待と希望で胸がバクバクと鳴ってる。小さな頃、誕生日の前日に緊張して眠れなかったあの感じにも似た心持ちが、今の僕を支配していた。
「うわ……」
 甲板から見渡す光景を一言で表現するなら、蒼だった。大海原の、ともすると吸い込まれてしまいそうなまでに深い蒼と、天空の、何処までも奥行きを感じる無限大の蒼。この高さでさえ息を飲んでしまうくらいの絶景なのに、見張り台に上がったら何が見えるんだろう。
 だけど、いきなりあそこまで行くのは、結構、勇気が――。
「あたし、ちょっと上まで行って来るね」
「……」
 そういえば、何とかと煙は高いところが好きって言うよね。いや、シスがそうだって言ってる訳じゃないよ?

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