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 昨日の話の続き。では、奴らにリスクを背負わせるにはどうすればいいのだろうか。
 ピコーン!
 そうだ、総理に就任する時、一族郎党の私財を差し押さえて、退任する時、信任投票しようぜー。もし不支持が支持を上回ったなら、私財ぼっしゅーとってことで。

( ・ω・) いや、マジでこんくらいの覚悟が無きゃ、総理になっちゃダメだと思うんだけど

「アレクさんが決めたことでしたら、反対する理由はありませんの」
「あたし、寒いとこ苦手なんだけどー」
「じゃあ、シスはポルトガで留守番する?」
 一端、アリアハン戻ってもいいけど。キメラの翼くらいなら渡すよ。
「絶対、やだ。何が何でもついてくからね」
 だったら、意味も無くそういうこと言わないで欲しいなぁ。
「じゃ、そういうことで、次の目的地はレイアムランドだ。マスター、情報、ありがとうございました」
「ふぅん。なぁに、酒場のオヤジにとって、情報は重要な商売道具だからな。こんなことで、世界を救う一端を担えれば、将来、新たな話題提供が出来るってものさ」
 ここにも、商売上手なおやっさんが居る。
「それに、長い付き合いになるやもしれないしな」
「はぁ?」
 謎の言葉を残したまま去るマスターを、僕は呆気にとられたまま見詰めていた。
 ま、いっか。今日は夢見が良さそうだし、細かいことは置いておこうっと。

「船をお借りすることに、決めました」
 翌日の朝一番、それこそ市場が動き出すくらいの時間に、僕達はクワットさんの家へとお邪魔して決意を伝えた。あ、もちろん、使いを出した上で許可は貰ったからね。余りに非常識だと思われるのは心外だよ。
「それはそれは。こちらとしても願ってもないことと言えましょう。ですが、借りるなどと言わなくて結構。初めから、差し上げるという前提での提案でしたのでね」
「いえ、まあ、そうは言いますけど」
 余りに高価なものすぎて、はい、そうですかと受諾できない自分が居た。何処までも、勇者に向いてない気質だなと思ったりもするよ。
「それに借りるのであれば、返済義務が生じます。もしも何処かで難破した場合、それこそ一生を掛けて返して貰わなくてはいけなくなりますよ」
 いやいや。出航前に、何をそんな縁起でも無いことを。

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