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 さて皆さん。一般人という言葉に、どの様な印象をお持ちだろうか。規格から外れず、極々常識的な行動を取る人を思い浮かべることだろう。
 この一般人、社会の中に溶け込むのであれば非常に便利であるが、創作の世界ではどうであろう。空気や背景と呼ばれる存在になることは、容易に想像が出来るのではなかろうか。

 彼女が、中途半端な一般人っぷりが災いし、主人公の悪友という立ち位置でありながらフェードアウトしつつある悲劇の人、椎名莉以氏である。今後、彼女が目立つポジションに立つ予定は無さそうである。
 尚、口の端が歪んでいるのは、一般人であるがゆえであろう。
 
( ・ω・) 画像そのものの在庫より、まる見え縛りがローペースの理由だよ!

「君達は、この船のオーナーだ」
 その件に関しましては、腹を括ったので、もう繰り返さなくても良いです。
「しかし、航海中は、あくまでも客人に過ぎない」
「……」
 ん?
「船頭多くして、船、山に登る、という言葉を聞いたことがあるだろう? 海に於いて命令系統が乱れるということは、即、死に繋がる訳だ。決定を伴う行動を取る時は、必ず、船長である私を通すこと。言うまでも無いことかもしれなかったけれど、ここは大事なところなのでね」
「いえ、そんなことはないです」
 割と奔放なパーティで行動してきたせいか、そういう意識が低かった。三人くらいならいざ知らず、この船には十人単位の人が乗り込む。いざって時に命令が二つ出たら、どっちに従ったら良いか分からなくて混乱するよね。
「ってことだから、シス。つまみ食いなんかしても、僕達に揉み消す権限は無い訳だからね。大人しくしてるんだよ」
「何であたしにだけ言うかな~」
 いや、だってシス、職業が職業じゃない。
「とまあ、堅苦しくなってしまったが、あくまでこれは、命令系統の上下関係を明確にしたに過ぎない。普段は出来る限り、貴賓として扱うから心配しないでくれたまえ」
「あ、はい」
 基本、路銀は節約して慎ましい旅をしてるから、そんなには必要ないですけどね。
「とは言え、海に出る以上、食料の問題は常に切迫していると思って貰いたい。つまみ食いなどをした日には、船員達の反感を買うのは間違いないと言えるだろう」
「だから、あたしだけ見て言わないでってば」
 ハハハと、皆で笑い合う。その間、シスはずっとふくれっ面だった訳だけど、ま、いつものことだよね。
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