政治家を長く続ける上で、あると便利なものとして、地盤(確固たる票田)、看板(知名度)、カバン(政治資金)の、三バンがあると言われています。いわゆるところの世襲議員は、生まれながらにこの三つをそれなりに持っている訳で、そりゃ、選挙は有利でしょう。これを解消しようと思ったら、生まれながらの不平等を撤廃する必要がある訳で、それは現実的とは言えません。
一番良いのは、こんな政治家個人の政策や能力とは関係ない部分ではなく、全ての有権者が自分の判断で投票することなんでしょうけど――。
( ・ω・) そっちの方が非現実的に見える! ふしぎ!
「トヨさまの目が意味ありげだったのは、同性であるわたくし達から見れば一目瞭然ですの」
「……」
あー、そういえば、アクアさんって、普通に女性でしたよね。いや、何て言うか、美人で色気もあるけど、アクアさんはアクアさんっていう生物種の印象が強くて、すっかり忘れてたよ。
「ってかさ、あの婿がどうのこうのって、ジパング独特の挨拶みたいなものじゃないの?」
ボケたら、イオ系魔法でツッコミ入れる地域ってのも聞いたことあるし、大抵の風習は許容するよ。
「本気で、仰られてますの?」
「……」
あれ? ひょっとして、空気読めて無かったりする?
「ま、まー、僕、女の子の考えることは分からないから、とりあえず、仮定としてトヨ様が僕に気があるとしてもさ。それどころじゃないのは、二人も承知してるとこじゃない」
何しろ、世界を救うまでは実家に帰ることすら、はばかれる身なのですよ。
「あら、戦いが終わった後、恋人が待っているというのは、良いものですの」
「個人的意見としましては、それは死出の旅路へと続きそうで嫌なのですが」
いえ、そういう感じの小説を、何個か読んだ記憶があったりなかったり。
「そだよねー。恋人とはやっぱ、一緒に旅しないとねー」
シスの意見も、何か色々とズレまくってる気がしてならないよ。
「とにかく、バラモスを倒すまで、この話は封印だよ」
ゴシップ好きは女性の常とはいえ、当の本人にしてみればたまったもんじゃない。一応はリーダーとして、少し嗜めておこう。
「……」
「どしたの、シス」
「今、バラモス倒したら真面目に考えるって言ったも同然だよね?」
「ですの」
「……」
あー! ひょっとして物凄い失言だった!?
「うん、ちょっとやる気出てきた」
うう、吐いた言葉は取り消せないと良く言うけれど、自分の身に降りかかると、やっぱりね。
ああ、もう。僕の恋話くらいで意欲が湧くんだったら、幾らでも好きにやってよ!
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