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 昨日の話の続き。政治家としてあると便利なものとして、美貌、強運、タフネスの三つを提唱しようかと思います。単純に、イケメン、美女は、それだけで票が増えます。能力とは余り関係なく、巡り合わせで失墜する政治家は数多く居ました。そして政治家たるもの、打たれ強さがあれば大抵のことは乗り切れるのです。打たれ弱いというのはそれだけで罪悪とさえ言える業界なのです。

( ・ω・) でも考えてみたら、この三つは普通にどの世界でも便利だよなぁ

「あっつ……」
「これは少し、自身の匂いを気遣いたくなるところですの」
 うん、大丈夫。余りの暑さで頭働いてないから、二人の汗臭さなんて、深く考える余裕なんて無いよ。
「ヒャド、ヒャドー」
 前略、兄さん。今日も僕は、製氷機として絶好調の活躍を――。
「じゃなくてさ!」
 暑さって、本当、全ての思考力を奪ってしまう恐ろしいものなんだね。
「シス。ヒャドの氷で涼を取るの、最後で良いって、さっき自分で言ったでしょ?」
 何で十五になろうかってお嬢さんに、こんな幼児みたいな嗜めをしなきゃならないんだろう。
「うん、だからさっきのは第一部最終節? ここからは、第二部新章開幕ってことで」
「何さ、その言い訳」
「あたしは事態の把握をしてません。全て、大臣がやったことです」
「そういう、王様お約束の弁解は良いから」
 何て言うか、しっちゃかめっちゃかで、訳が分からなくなってきたよ。
「それはそれとして、さ」
 僕達は今、近隣住民から得た情報を元に、フジに程近い洞穴に潜り込んでいた。その情報とは、三年程前、異国の若者達がここにやってきたということ。そして、ほぼ同じ時期に、火山としてのフジが活動を弱め、又、ヒミコが失踪したこと。この二点から鑑みるに、兄さん達の可能性が高いと踏んだ訳だ。
「活動が弱いって話は何処に行ったのさ……」
 洞穴の内部は、余りの高温で溶けた岩が川の様に流れていた。幸いなことに探索できるだけの足場はあるし、新鮮な空気も流れてるから、活動出来ないことはない、だけど、絶えず熱気が押し出されてきて、下手な蒸し風呂より暑いんだ。っていうか、そろそろ熱いって言ってもいいくらい。

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