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 鳩山総理の所信表明演説がありましたが、ノーカットで見た訳では無いので特にコメントすることはありません。まあ、前にも触れた通り、政治家が抽象的なことしか述べないのは中身が無い時であり、長い演説は失敗作であるとは思いますが。いえ、あくまで一般論ですよ。

( ・ω・) それより、献金だ、普天間だと、問題が山積ですなぁ

 ランシール共和国。アリアハンの西方、そしてバハラタの南方に位置する小国だ。共和国の名が示す通り王族は存在せず、各地方の代表者が議場で国の方針を決めている。貧富でいうと、それ程に豊かとは言えない国だけど、穏やかな風土と、国境線を持たない大陸の独立国である二点から、何処かのんびりとした雰囲気だ。そう、この国は故郷、アリアハンに似ている。実際、ここから東に船を進めれば、一月もしない内に着く隣国だ。ジパングに向かおうと思ったら、アリアハン経由の海路もあるって話だから、立ち寄ることも選択肢にはあった。
 だけど僕は、それを選ばなかった。季節が幾つか巡り、帰りたい気持ちが無いって言ったらもちろん嘘になるけど、今、母さんや爺ちゃんの顔を見たら、二度と旅には出れそうも無いと思ったからだ。僕達はここ、ランシールを出航した後、北方のバハラタから陸地沿いにジパングを目指す。
 バハラタや他の港では、食料の補給くらいの短い停泊しかしない予定だ。だからランシールで船を整備する三日間は、この先、当分ない陸でのゆったりとした時間になる。揺れには強いから船の上はどうってことないんだけど、やっぱりしっかりと地面を踏みしめて歩けるのって良いよね。何だかウキウキして、街中を走り回りたい気分になるよ。好奇の目で見られるのが嫌だからやらないけど。
「えー、たかが草が三百ゴールドは高いって。良いとこ百ってとこでしょ」
 そんな心の高揚を吹き飛ばしかねない、少女の声を耳にした。
「嬢ちゃん。この消え去り草が、ここランシールでしか取れない特産品だってのを忘れて貰っちゃ困るぜ。一ゴールドだって、負ける訳にはいかねぇなぁ」
 シスの一方的な値下げ要求に、一歩も退かない店主さん。何だか、どっちが勝っても遣る瀬無いものが残りそうだけど、一応、保護者として見ていこうかな。

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