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 今年の流行語大賞が、『政権交代』になったそうですが、ケッ、やっぱり『。』つけやがらなかったな、この素人め。民主党のポスターやマニフェストを見たこともねぇ奴が、政治を語ってんじゃねぇよ。

( ・ω・) ここまで豪快な出来レースは、サザエさんも愉快だろうと思うんだ

「ふぃぃ」
 三分の一程を渡ったところに、僕の背の倍はあろうかという岩があった為、そこに身を隠し、少しだけ息を吐いた。まだ、モンスターに特段の動きは無い。うん、これくらいの距離なら、さっきよりは見分けが付く。
 成程、たしかに一つの丸い胴体から、幾つもの頭が生えてる感じだ。奇妙奇天烈と言うべきか、独特の生態系を持つモンスターだからと考えるべきなのか。思案したところで纏まらないことは端に置いておくとして――。
「真ん中の頭の額に、黒いものだっけ?」
 僕の目では、この位置からでも、言われて何とか、ある様な気がする程度のことしか確認できない。
「ありゃ何だろうね。黒いのは糸の束……ヒゲみたいなもんなのかなぁ?」
「もう少しだけ、寄ってみよう」
 幸いにと言うべきか、ここからは、良い感じに岩が幾つもバラ撒かれていて、隠れる場所には事欠かない。
「少し、待ちますの」
 ここで制止の声を掛けたのは、アクアさんだった。
「これ以上、進むのは反対?」
「いえ、そうではなく、万一に備えてピオリムを掛けておこうと思いますわ」
 ピオリムは初歩の僧侶系魔法だけど、これを使うと足に羽が生えたんじゃなかろうかってくらい素早く動くことが出来るから、色々な局面で重宝する。シスが、才能の無さを悔しく感じた魔法の一つなんだけど、それはそれとして。
『ピオリム』
 アクアさんの杖から光が漏れ出て、僕達に伝播する。それと同時に全身が軽くなり、ちょっとした高揚感も感じ入ってしまう。うん、これならモンスターが相当に素早く動いたとしても、通路まで逃げ切るのは難しくないはずだ。
「それじゃ、行くよ」
 再び、こそりこそりと、ゴツゴツとした岩肌を進んでいく。傍から見たらカルガモの親子風のコソ泥集団かも知れないけど、こっちは真剣なんだからね。

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