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 作品中、えらく生き生きと動き回るトヨ様を見てふと気付く。あれ、ひょっとして中身が似てる武則天って、コントじゃなくて、シナリオ向きのキャラクターだったんじゃないのか。だとすれば、何と言うか、不幸な話と言えば不幸な話ですよねぇ。

( ・ω・) 連載開催後、四年も経って気付く辺りが、流石は俺って感じだよね

「まあよい。待つ女というのも趣があって悪くはないものじゃ。国事に忙殺されておれば、いずれ魔王打破の報を聞くことになるであろう」
「ぜ、善処します」
 最近、期待を掛けられても、受け流しきれずに曖昧な返事をしてしまうことがあるのは、僕の中に何か変化があるからなのかなぁ。
「じゃが、何も無しに時を刻むというのも芸が無い。ここは一つ、担保でもとっておこうかの」
「担保、ですか?」
 はて。何か愛用の道具でも渡せば良いのかな。パープルオーブをお目こぼしして貰ったし、それくらいは構わないと言えば構わないんだけど――。
「本来ならば口づけと言いたいところじゃが、嫌々されても居心地が悪いでの」
「……」
 さらりとこんなことを言える辺り、五つ六つ年下とはいえ、女性という奴は本当に末恐ろしい。
「そうじゃの。これを預けるとするか」
「ん?」
 言って、トヨ様は身につけていた首飾りを外して僕に手渡してきた。
「何です、これ?」
「神代の頃、これなる国を産みたもう地母が眠りし霊山より切り出した珠玉を削りて――お題目はともかく、要は国宝じゃな」
「マジですか」
 言われてみると霊験あらたかで、おごそかなものに見える辺り、僕の器も知れたものだと思う。
「どうじゃ。これを返しに来ぬ限り、余とお主と国賊となってしまうことを理解出来たかの」
 成程。これは間違いなく、『担保』と呼ぶに相応しいものだ。
「無論、余は手渡し以外、認めぬでの。翼を使うなどの横着は許さぬぞ」
「りょ、了解です」
 流石はトヨ様。そういう小手先の揚げ足取りなんて、真っ先に潰してくれますね。

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