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2009

1119

 政治家を長く続ける上で、あると便利なものとして、地盤(確固たる票田)、看板(知名度)、カバン(政治資金)の、三バンがあると言われています。いわゆるところの世襲議員は、生まれながらにこの三つをそれなりに持っている訳で、そりゃ、選挙は有利でしょう。これを解消しようと思ったら、生まれながらの不平等を撤廃する必要がある訳で、それは現実的とは言えません。
 一番良いのは、こんな政治家個人の政策や能力とは関係ない部分ではなく、全ての有権者が自分の判断で投票することなんでしょうけど――。

( ・ω・) そっちの方が非現実的に見える! ふしぎ!

「トヨさまの目が意味ありげだったのは、同性であるわたくし達から見れば一目瞭然ですの」
「……」
 あー、そういえば、アクアさんって、普通に女性でしたよね。いや、何て言うか、美人で色気もあるけど、アクアさんはアクアさんっていう生物種の印象が強くて、すっかり忘れてたよ。
「ってかさ、あの婿がどうのこうのって、ジパング独特の挨拶みたいなものじゃないの?」
 ボケたら、イオ系魔法でツッコミ入れる地域ってのも聞いたことあるし、大抵の風習は許容するよ。
「本気で、仰られてますの?」
「……」
 あれ? ひょっとして、空気読めて無かったりする?
「ま、まー、僕、女の子の考えることは分からないから、とりあえず、仮定としてトヨ様が僕に気があるとしてもさ。それどころじゃないのは、二人も承知してるとこじゃない」
 何しろ、世界を救うまでは実家に帰ることすら、はばかれる身なのですよ。
「あら、戦いが終わった後、恋人が待っているというのは、良いものですの」
「個人的意見としましては、それは死出の旅路へと続きそうで嫌なのですが」
 いえ、そういう感じの小説を、何個か読んだ記憶があったりなかったり。
「そだよねー。恋人とはやっぱ、一緒に旅しないとねー」
 シスの意見も、何か色々とズレまくってる気がしてならないよ。
「とにかく、バラモスを倒すまで、この話は封印だよ」
 ゴシップ好きは女性の常とはいえ、当の本人にしてみればたまったもんじゃない。一応はリーダーとして、少し嗜めておこう。
「……」
「どしたの、シス」
「今、バラモス倒したら真面目に考えるって言ったも同然だよね?」
「ですの」
「……」
 あー! ひょっとして物凄い失言だった!?
「うん、ちょっとやる気出てきた」
 うう、吐いた言葉は取り消せないと良く言うけれど、自分の身に降りかかると、やっぱりね。
 ああ、もう。僕の恋話くらいで意欲が湧くんだったら、幾らでも好きにやってよ!

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2009

1118

 小泉ジュニアこと、小泉進次郎氏が国会デビューしたそうです。親の多大な力で以って二十代で国会議員になるというのはあれですが、テレビマスコミ向けとしては良い素材ですよね。顔が良くて、ハキハキ軽快に物を喋るって、将来的には良い神輿となることでしょう。

( ・ω・) 『※但しイケメンに限る』って、政治家でも常識なのかも分からんね

「今でこそ落ち着いておるが、富士は当節まで火猛る荒々しい山であった。気を付けるのじゃぞ」
「あ、はい」
 翌朝の立ち去り際、僕達はトヨ様に挨拶をしにきていた。
「旅慣れた者であれば、二日程で着くであろう。事が済んだ後、顛末と次第を報告に参れ」
「分かりました」
「間違うても、その足で異国へと旅立つでないぞ」
 そ、そんなに強調しなくても大丈夫ですって。僕、約束は基本的に守りますから。
「それじゃ、行ってきます」
 踵を返して、屋敷を後にする僕達。うーん、何度も経験してるけど、見送られての旅立ちは、後ろ髪を引かれる感じがするよね。
「なーんか怪しいんだよね」
 不意に、シスが目を細めて僕を睨んできた。
「ええ、不穏な香りで、むんむんですの」
 あっれー。アクアさんまで、何でそんなに食いついてくるのさ。
「単刀直入に聞きますわ。トヨ様と、何がありましたの?」
「……」
 予想のよの字もしていなかった発言に、思考回路が完全に停止しちゃったよ。
「何も、御座い、ませんよ?」
 うわっ、自分で言っておいてなんだけど、何、このどもり方。何かあったって白状してるみたいなもんじゃない。
「それはもちろん、アレクさんも年頃の男性なのですから、お付き合いどうこうを否定するつもりはありませんの。唯、仲間であるわたくし達に黙っているのは水臭いのと、トヨ様の年齢を考えて、健全さを――」
「ちょ、ちょっと待った!」
 今、ようやく、話が少し繋がって見えた。
「何さ、いきなり。どうして僕がトヨ様と付き合うとか、そういう話になってるの」
「……目」
「目?」
 シスが漏らした言葉を、鸚鵡返しに口に出した。

2009

1117

 最近、何だか妙に出張っているトヨ様。いつものことながら、何とは無しに出したキャラクターです。でも生き生きとしてるし、随分と良いキャラじゃね? と思う今日この頃。もういっそ、メインヒロインってことで纏まっても誰も文句言いませんよね。

( ・ω・) シスが、シスが無駄だと思うけど、アップを始めた模様です

「それが出来ぬのであれば、その時こそ余の婿になるがよい。なぁに、余は御主の器量ではなく、魔術の才に期待しておるでの。今のままでも、さしたる問題は無いわ」
「……」
 いやぁ、その期待のされ方は沽券に触れそうなんで、余り嬉しくないかなぁ。
「トヨ様は、優しいんですね」
「ほぉ、分かっておるのぉ」
「きっと、将来は良い女になりますよ」
「うむ、何しろ余は、せくしーぎゃるじゃからの」
「ハハ……」
 意味、分かって使ってるのかなぁ。
「紛れもなく、だいなまいとばでーじゃ」
 うん、今、確信した。ことこの台詞に関しては、勢いで喋ってるだけだ。
「まあ、案ずるでない。人とは、長き齢を掛けて完成へと近付くもの。この若さで全てを悟れたら、後人生がつまらぬわ」
「トヨ様こそ、随分、人生の奥深さを知ってる様に見えますが」
「若いのぉ。女とは、騙る生き物じゃぞ。この程度の外面を見誤る様では、苦労が耐えぬじゃろうな」
 安心して下さい。女性に振り回されるのは日常で、むしろ耐性が出来てます。
「さて、そろそろ戻るとするかの。過ごし易い季節とはいえ、夜風が身に染みる頃合になってきたわ。それに、逢瀬と思われでもしたら、ことじゃしのぉ」
「それもそうですね」
 ところで、半分、何も考えずに相槌を打っちゃったけど、おーせって何だろう?
「……」
「どうしました?」
「ヌシには、ちと早すぎたやも知れぬな」
「?」
 はて、トヨ様は何を言ってるんだろうか。やっぱり、僕には女の子の気持ちはまだまださっぱり分からないや。

2009

1116

 年の瀬も迫り、来年は寅年だというのに、あの野良猫の為の企画は何も思い付いていません。年頭に少しくらい、コントを書き下ろしたろうかしら。だけどまあ、考え様に依っては、三年後には辰年が待っているとも言えますよね

( ・ω・) その頃まで、連載が続くのが前提になってる自分が怖い

「一つ、問うて良いか?」
「はい」
「御主は兄とその仲間、そして父を探しておるという話じゃったが――見付け出した暁には、どうするつもりなのじゃ?」
「どうって……一緒に帰りますよ、アリアハンに」
 爺ちゃんと母さんが待ってるんだ。将来的に家を出る可能性はさておき、当面、それ以外の選択肢なんて無い。
「それは、全てが終わった後の話であろう。バラモス退治はどうするのじゃ」
「……」
 又しても、深く考えることを避けてきた部分を抉られた。兄さんと姉さんを追ってジパングまで来たけど、その後は――。
「考えて……ないです」
「であろうのぉ。それも又、そなたがゆーしゃを受け入れておらぬ一つの証拠じゃ。恐らくは、兄を見付け、任を全て押し付けようとしておる」
「だって、兄さんの方が強――」
 出かかった言葉を、強引に飲み込んだ。事実は、事実だ。仮に僕がついていくとしても、足手まといにしかならないかも知れない。
 それでも、これを口に出してしまったら、僕を勇者として認めてくれるアクアさんやシスを裏切ることになる。勇者として以前に、人として、それだけは出来ない。
「あるがままを自分の一部として認めることじゃな」
 そう言って、トヨ様は草を枕に大の字となった。
「人は、完璧には出来ておらん。じゃが、同時に脆くも出来ておらぬ。視界を広げ、ゆーしゃであることを自分の血肉とすることから始めると良い。余がジパングの大巫女トヨであると身体の隅々に行き渡った折、無限の大海原が広がるが如く心が開けたことは、生涯、忘れぬであろう」
 再び、首だけを動かしてトヨ様はこちらを見遣った。勇者を、自分の血肉にする――勇者って、他人や功績に依ってじゃなくて、自分の意志でなるものなのか。今の僕には、難しすぎる問いだった。

2009

1115

 今だからバラせることシリーズとか言いながら、特に他のネタはありません。うーん、ある意味、アレな話が多過ぎて、今更一つや二つ――。

( ・ω・) そういえば、月読は最初、冷涼、無表情系キャラだったはずなんですけどねぇ

「それも、占いの力ですか」
「余を甘う見るでない。身の上を知り、人となりを見ればその程度のことは分かるわいの」
 いえいえ。普通というか、百人居たら百人はそれが出来ないから、人間関係は複雑なんですってば。
「たしかに、そうかも知れませんね。僕は、兄さんと比べられるのを嫌って、憧れの気持ちで覆い隠していた気はします」
 魔法使いの道を選んだのも、多分にそういう感情があったんだと思う。体力的な面では絶対に勝てないのが分かっていたから、せめて魔法だけは兄さんを越えたい。無意識に近いけど、そういう考えはあったはずだ。
「でも、それって悪いことですか?」
 トヨ様も言った通り、才能は残酷なまでに人を線引きする。それを認めた上で一つの道を極めようとするのは、選択肢としてあって良いはずだ。
「そうさのぉ。人の生き方はそれぞれゆえ、否定も肯定もせぬが――」
 天蓋を見上げていたトヨ様が、再び僕の方へと首を動かした。
「御主は、ゆーしゃの任を受けたのであろう? 経緯や腕に差異があろうとも、その時点で兄と同格であろうに。何ゆえ、卑屈になる必要がある」
「それは――」
「心の機微が分からぬ訳ではない。憧れであった存在を越えてしまうことへの躊躇いがあり、それが枷となっておるのじゃろう。断言しても良い。そなたは、兄を怖れている。純粋な劣等感と言った方が的確やも知れんがの」
「……」
 一言の反論も出来なかった。心の内を暴かれたこともそうだけど、トヨ様の言葉は、一つ一つが重い。五つ六つ年下の女の子の言葉が、荒縄であるかの様に、僕の心を締め付けた。

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