聞くところによると、今回の仕分け前半戦で削ったのは、75億円程だとか。あるぇ、最終的に、十何兆の無駄を省くと言って、この体たらくですか。こんな、かき氷を耳かきで食べるみたいな真似してたら、あっさり溶けちゃいますよ。まあ、支持率は溶けきってるんですが。
そして何か似た桁の数字があったなぁと思い出したのは、政党交付金。えっと、今年の民主党の交付額は、172億9700万円だそうです。こちらを仕分けるというか返納された方が、よっぽど好感度が上がると思いますわよ。
( ・ω・) 幹事長が守銭奴だから、絶対にやらないけどね!
「ふん、勇者アレルか」
とここで、ドンが口を開いた。え、意外な方向って言うか、こっちも知ってる訳?
「ん? あの時、ドンも居たっけか?」
「ああ、まだ先代のお頭が生きてた頃だな。勇者と、その仲間がやってきたのは。何でも、オーブとかいう宝珠を探しているとか言っていたな」
幸いにしてと言うべきか、こっちの思惑とは違う方向に流れてるけど、ペラペラ喋ってくれるのはありがたい。と同時に、時系列を一瞬で把握出来なくて、少し混乱した。
えっと、兄さん達がアリアハンを旅立ったのは五年ちょっと前。その半年くらい後にレイアムランドに辿り着いてオーブの情報を得て――ジパングからパープルオーブを送りつけてきたのが更にその一年半後だ。どうもオーブ探索期間は、相当、色々な地域に足を運んでたらしくて、ここもその一つだったってことになるのかな。
だけど、ここで一つ疑問も湧いてくる。今、トランスさんが持っているレッドオーブだけど、当時はまだ無かったのか、或いは単に見逃したのか。んー、幾ら兄さんと言っても、所詮は人間だからなぁ。シスみたいに、百発百中でお宝を発見できる方がおかしい訳だから、後者の可能性も否定はしきれない。
「あの時も思ったが、勇者という生き物は良く分からんな。一人、ないしは数名の力で魔王を倒すことなどが出来るものか。戦は、数の力で以ってのみ決まる。圧倒的暴力に対抗できるものは、同質の暴力だけだ。いずれは俺もその力を得て世界へと繰り出し、覇を争うことになるであろうな」
流石に、カチンと来た。そりゃ、僕は勇者として未熟かも知れないけど、その意志と能力を持った兄さんを貶めるのは納得いかない。揉める訳にはいかないから、黙ってるけどさ。
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