さて、書く方も読む方もひたすらに疲れる政治講座も、これにて一先ずの終焉。またやる気になったら、或いは衆議院が解散されたら、何らかの形で御目に掛かるやも知れません。唯まあ、私の気紛れで飽きっぽい性格ですから、どうなるかは分かりませんが。
( ・ω・) 何にせよ、これを読んで政治を気に掛ける人が一人でも増えれば幸いです
【世紀の悪法!? 国籍法改正問題!】
岬:2008年6月4日、最高裁判所大法廷は、一つの違憲判決を出しました。
それは国籍法に関するもので、『日本国籍を持つ人物と、
外国籍を持つ人物の間が法律上の婚姻をせず子供を儲けた上で、
生後に認知を受けた場合、子供が日本国籍を取得できないのは、
憲法が定める法の下の平等に反する』というものです。
公:分かり易く、具体的な例をお願いします。どゆこと?
岬:例えば、日本人の父と、外国の母の間に子供が出来たとします。
父親は出産前に認知をせず、結婚もしませんでした。
出産後に認知はしましたが、結婚は相変わらずしませんでした。
この場合、この子供は日本国籍を取得できなかったんです
公:割とややこしいシチュエーションの様で……よくあるのか?
岬:まあ、真面目な話をしますと、バブル絶頂期の金が有り余ってる時代に、
海外で女性を札束ビンタしていた男性はですね――。
公:皆まで言うな。日本人としてちょっと恥ずかしい。
岬:さて、法律が違憲状態になった以上、
その実行力を失ってしまうので、改正が必要です。
法務省は改正に向けて調整を始めました。
そして、2008年12月5日、およそ半年の時を経て改正案は成立しました。
公:めでたしめでたし、ってか。
岬:ところが、事態はそんな生易しい状態にはありません。
公:ん?
岬:この法律の改正によって、20歳未満の未成年は、
日本国籍を持つ父親ないしは母親の認知さえあれば、
日本国籍を取得できるようになった訳です。
公:そういうことになるな。
岬:ですが、認知って何ですか?
公:……認めること?
岬:つまり、言ったもん勝ちです。
公:……あ。
岬:この改正最大の問題は、認知の内容が極めて曖昧だと言われている点です。
先ず、DNA鑑定が必要ありません。本当に、証言だけが頼りです。
公:幾らなんでも、それは無いだろ。
岬:民主党が提出した防止策としては、『疑いがある場合、
父親と子供が一緒に写った写真の提出を『可能な限り』求める』というのもあります。
公:可能な……限り?
岬:日本語って素敵ですよね。
大体、本気で作った偽造写真なんかの真偽はどうやってつけると言うんでしょうか。
公:頭クラクラしてきた。
岬:具体的にこの改正国籍法を悪用するとすれば、
ブローカーがホームレスを雇って偽装認知させ、
全く日本と関係の無い子供に日本国籍をばら撒くということでしょうか。
実際、日本人と偽装結婚する外国人は居ますし、
この大不況ですから、目先の小銭で売り渡す方も出てくるかと思われます。
公:日本人の価値って一体……。
尚、尚、偽装認知が発覚した場合の罰則は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金です。
日本国籍の値段は、20万円ってことでしょうかね。
公:日本人のパスポートって、裏で何百万円って値段で取引されるって聞いたことあるんだが。
岬:この改正案は、不思議なことに殆ど報道はされませんでした。
ですが、与党を含めた一部議員に反対運動もあり、又、一部ネット上では大反対の嵐でした。
改正されたことを全く知らない人も多いことでしょう。
日本国籍とは何なのか。報道とは何なのか。国会議員とは何なのか。
又一つ、考えさせられる材料が増えたのでは無いでしょうかね。
今項目の纏め:違憲判決が出た以上、国籍法は改正せざるをえなかった。だが、偽装認知の問題など、問題が多いまま改正されたのは、糾弾されるべきことなのだろう。
PR