【現代の追い剥ぎ!? ノンフィクション海賊物語!】
茜:ところで遊那ちゃんは、海賊って聞いて、何を連想する?
遊:んあ? そりゃ、ジョリーロジャーだろ。ドクロマークの海賊旗だな。
或いは倭寇か、キャプテンキッドか……概ね、そんなところか?
茜:うん、御約束通りの、模範的な回答をありがとね。
遊:微妙に、バカにされたような?
茜:じゃあ、今の時代の海賊って言ったら、どう答える?
遊:は?
あれか。ひょっとして、金しか目的じゃない資産投資家を皮肉って……
いや、あれはハゲタカで、海賊ではないな。
茜:二十一世紀になったこの御時世でも、不用意に航海してると、襲われるんだよ?
遊:それは何だ。ひょっとして、捕鯨船狙いの過激派反捕鯨団体の話か?
茜:まあ、あれも、ちょっとしたテロリストだけど、それとは別件。
有名どころは、東南アジアのマラッカ海峡と、アフリカ、ソマリア沖かな。
今の世の海賊は、マシンガンとか装備してて、タンカーとかを襲うんだよ。
遊:……。
茜:遊那ちゃんは、ちょっと社会適合性が欠けてるけど、
もしもの時の就職先に選んだりしないでね?
遊:するか!
茜:特にソマリア近海は、政府が事実上、機能してなくて、全てが野放しに近い状態なの。
そのせいもあって、世界最悪クラスの治安になってるんだよ。
遊:世界は、まだまだ、混沌としとるなぁ。
茜:まあ、民主党、平田健二参院幹事長は、
「海賊というのは漫画で見たことはあるが、イメージがわかない。
ソマリア沖で、日本の船舶が海賊から襲撃を受けて被害を受けたということがあったのか」
っていう、驚きの発言をしてたりするんだけどね。
遊:それは、全く知らなかった私に対するあてつけか?
茜:遊那ちゃんみたいな、そこらに居る女子高生と、国会議員を一緒くたにしなくて良いと思うよ?
遊:それもそうだ。国税を禄とし、法案に賛否を投ずる権利を持つ国会議員と、
まだ何者でも無い私が同格であるはずがない。うん、きっとそうだ。
茜:と言っても、種々の法案に関して不勉強な議員はそこかしこに居るんだけどね。
その話は主眼じゃないから、置いておこうかな。
遊:給料分の仕事はして欲しいものだな。
茜:何はともあれ、日本も通商航路としてあの近海は通らないといけないから、
襲われないようにしないといけないよね。
となると、日本で対抗出来るのは、海上自衛隊しかないかな。
遊:いや、それこそ一部団体が得意な、非武装、無抵抗、ホールドアップで良いんじゃないのか?
茜:あ、ピースボートって平和団体があるんだけど、
ここはソマリアへの自衛隊派遣には反対だったんだけど、
自衛隊に要求して、護衛してもらったことがあったりするんだよ。
遊:何だ、その笑えないブラックジョークは。
茜:ま、人間、誰よりも自分が大切ってことだよね。
遊:何だかなぁ……。
茜:とにもかくにも、『海賊』っていう言葉が、まだまだ死語じゃないってことだけは、
認識して貰えれば良いかな?
今項目の纏め:自衛隊が合憲か否かの議論はあるだろうが、現実的にものを考えた時、日本で商船を守れる力を持つものは海上自衛隊しかない。物資が届かなくなったり、商売が滞ること以上に理念が大事を言い切れる大人は、どれ程に居ることやら。
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