2010
ぼちぼち冬も深まって寒くなってまいりましたが、皆さんは如何お過ごしでしょうか。冬といえば外出時にコートが手放せない地域にお住まいの方も多いでしょう。神奈川も、昼はともかくとして、朝夕はそれなりに寒い訳で――。
岬さんも、完全に真冬モードの模様です。セネレ本編は、4~7月じゃねーかという突っ込みは聞き流します。
いやぁ、夏の薄着は薄着であれですが、やっぱり通は冬の厚着というものでしょう。しかし女子高生という生き物は、何故、生足全開で冬を越そうとするのか。生物学会では七不思議として語られてるそうです。
( ・ω・) ジーク生足! 絶対正義は譲らない!
何しろ相手は、アリアハン不世出の英雄とまで言われた父さんだ。幾ら血が繋がってるって言っても、僕みたいなタイプが、そんなに似てるはずがない。
「ん? ぱっと見って言いました?」
表現を適当に選んだんじゃないなら、その言葉が指し示すのは――。
「あくまでも俺の感触というか私見だが、あいつも心の奥底では、割と近しいものの考え方をしていた様に思える。勇猛の様でいて慎重、豪胆の様でいて繊細。もしかするとアレクは、そういいった気質を受け継いだのかもな」
意外と言えば、意外な話だった。勇者の中の勇者と言われた父さんが、僕に近かった?
僕の中の勇者観が根底から覆されるかの様な言葉に少しばかり混乱し、どういった返事をしたものか分からなくなってしまう。
「晩御飯出来たってよー」
ここでシスがやってきたのは、僕にとって良かったのか何なのか。
「どしたの? いつもの三倍くらい間の抜けた顔しちゃってさ」
「いや、大丈夫」
ここで自分を大丈夫と評する辺りが、実に僕らしい話だと思う。父さんなら、そして兄さんなら、当惑した時の自分を、どう処理するんだろうか。勇者という存在について、又しても考えさせられちゃうよ、本当。
◇
「それで、勇者というのは一体、どの様な御仕事なんですか?」
食前の挨拶を済ませ、雑談を交えながら食事を進めていると、メアリーさんがそんなことを問い掛けてきた。
世の中で、素でこれを問える人以上に怖いものなんてない。そりゃ、一応は職業として名乗ってるんだから知ってて当然と思うんだろうけど、僕自身、二年も考え続けて、ほんの少ししか見えてないんだよね。