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 中国の、いわゆる春秋戦国時代に、覇者というシステムがありました。平たく言うと、有力な勢力が諸侯を集めて、『いざって時はてめーらを守ってやるから、貢ぎ物を寄越しやがれ』というものです。
 ん? これってつまり、今の日本なんかとアメリカの関係と殆ど一緒じゃないのか?

( ・ω・) 人類、やっぱり殆ど進歩してない説が濃厚に

「やっぱり、クレインには一緒に来て欲しいけど、個人の意見は尊重しないとね」
「体の良い厄介払いだろうが!」
 流石はクレイン。僕が言いたかったことを、一言で纏めてくれたよ。
「じゃ、そういうことで。僕達は自分の部屋に帰るから。
 今後の身の振り方については、じっくり話しあってね」
「あ、逃げんな、コラ!」
 只でさえ混沌として訳が分からなくなってきてたのに、これ以上、引っ掻き回されちゃ溜まんない。
 ここは一時戦線離脱という名目で、距離を置かせて貰おうと思うんだ。

「あ、クレイン、おはよう。清々しい朝だねぇ」
 翌朝、相も変わらずお酒が残らない僕に対して、クレインは下手な二日酔い以上に疲弊しきっていた。
「てめぇ……良く俺の前に面ぁ出せたもんだな」
 生まれた時から勇者の息子なもんで、ある意味、打たれ強さは鍛えられてるよ。
「それで、どう纏まったの?」
「ネクロゴンドには行く。が、あいつらは置き去りにする」
「成程」
「ってのを真っ先に思い付いたんだが、よくよく考えてみりゃぁ、行き先がバレてんだから後を追ってくるだろうな」
「かもね」
「あいつらの強さで、生き延びられると思うか?」
 う、うーん。あんまはっきり言うのははばかられるけど、ダーマ準拠で一人前にもなってないとなると厳しいかも知れないなぁ。
「第二の方策として、てめぇらの乗ってきたっていう船に押し付けるってのがあるんだが――」
「何、その僕達の意志をきっぱり無視した発想」
「これも考えてみりゃ、あいつらが逃げ出しゃそれまでだって気付いて諦めた」
 僕達を気遣った訳じゃないっていうのが果てしなくクレインらしい。

 

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 横綱朝青龍が各界から弾かれるようにして引退を余儀なくされましたが、まあ、個人的な見解としては只の外国人排斥なのかなぁと。王選手の55HRを破らせない為に敬遠を指示した若菜元コーチ以来、日本のスポーツ界に、そういう真っ当な精神は求めなくなりました。けっ、何が伝統だよ。道を守りたいなら、華道や茶道みたいに、流儀を作って閉鎖的にやりやがれ。NHKで全試合中継して、優勝者を賞賛しておいて、尚且つ伝統を守るなんてことは不可能なんだよ。エンターテイメントである以上、朝青龍くらい強くて人気があって、でも素行に問題がある異端児が現れんのはしょうがないだろうが。

( ・ω・) つーか、日本の国技って、野球だと思ってるんだけどなぁ

「うん、でもクレインってこの中で一番強いのは間違いないけど、さっくり死にそうな意味でも一番だよね」
「てめぇも敵か!」
 あ、分かった。更に、この中で一番、いじりがいのある性格してるんだ。
「クレイン。何処かで悟らないと、結婚どころか人間関係構築も無理だと思うよ」
「その、捨てられた子犬を憐れむような目はなんだ!?」
 いや、何ていうか、境遇を理解しちゃった以上、同情せざるを得ないって言うかさ。
「何にせよ、これはお嬢様としての命令。拒否権などあるはずがない」
「お嬢様なら、それ相応の態度をとりやがれ!」
「姉さん、お嬢様って、何?」
「……」
 あーあ。ついに触れちゃった。まあ、うまく誤魔化す手段も思い浮かばないし、考えてみれば僕は無関係な訳だし、静観するしか無いよね。
「聞いて驚けリオール。私達は何と、かの大賢者メロニーヤ様の、実の子供である可能性が濃厚となった」
「冗談は、笑えてこそ冗談なのだと思うんだけど」
 リオール君の反応は、至極真っ当な物だとは思うんだよね。
「たしかに、今は状況証拠しか無いやも知れぬ。しかし、近い将来、法的にも親子となり、財産を全て手に入れるとここに誓おう」
「すげぇ殴りてぇ。つーか、女じゃなきゃ、間違いなく殴ってるな」
 あれ、シャンパーニの塔で、シスのこと気絶させてたよね?
 もしかして、シスって女として数に入ってないのかな。
「そして、僕のことも、そんな目で見てたんだね?」
「てめぇは一体、何を言ってやがる」
 ゴメン。自分でもちょっと、悪乗りが過ぎたって思うよ。

 五行聖獣の知名度をざっくばらんに表すと、
 青龍≧白虎>朱雀>>>(色々と残念な壁)>>>玄武>>(四神の壁)>>麒麟>>>(現役の壁)>>>黄龍
 くらいだと思うのですが、どうしてこうなったんでしょうねぇ。青龍と黄龍なんて、色しか違わないのに。まあ、四神は平安京や江戸でも考慮されたらしいんで、四神と中央の壁は分からないでもないんですが。でも、じゃあ、玄武さんは何でこんな悲しいことになったのかと、色々と考えさせられます。

( ・ω・) そんな黄龍が主役な作品は、多分、『それゆけ黄龍ちゃん!』だけ

「!」
 言葉の意味を、理解しかねた。
「何……それ」
 何しろ、時代が時代だ。滅ぼされた町の話は幾つも聞いたことがある。だけど実際に目の当たりにしたことがない為に、声がうわずってしまう。
「まあ、私も、見た訳じゃないから、それとグリーンオーブに繋がりがあるかどうかは何とも」
 それもたしかに、道理だ。少し、ここを足掛かりに、情報収集してみるしか無いかな。
「ネクロゴンド、か」
「クレインは、どうしたの?」
「俺ぁ、ちょっくら、探りを入れに行くことにするかね」
「ネクロゴンドに?」
 繰り返すまでもなく、ネクロゴンドは魔王バラモス城直下の、いわばお膝元だ。徘徊する魔物もそれに見合った強さを持っているはずだから、僕としては真っ先に後回しにしたんだけど――。
「心配すんなよ。俺ぁ、バラモス以外だったら、大抵の魔物にゃ、負けやしねぇよ」
「べ、別に、心配なんてしてないんだから!」
「……んだぁ、それ?」
「アクアさん監修、正しいツンデレさん講座のたまもの」
「相変わらず、ロクなことしねぇアマだな……」
 その件に関しましては、リーダーとしてノーコメントを貫かせて頂きます。
「もう少し声を震わせて、視線を外すと尚良しですの」
 しまった! ノリでやっちゃったけど、これは本筋の話が進まない流れだ!
「ふむ。ネクロゴンド」
 あれ、シルビーさんはどうしたの?
「これで私達の次の目的地も、ネクロゴンドと定まった」
「はぁ?」
 いや、そりゃクレインじゃなくても、変な声あげちゃうよ。
「やはり、仮にも孫弟子として大師匠様が死地に赴くのを黙って見ている訳にはいかないであろう」
「勝手に殺すな!」

 

 民主党石川衆議院議員を含む、小沢氏の元秘書三明が起訴され、小沢氏の不起訴が決定しましたが、それと同時に、石川氏の離党が内定したようです。
 え、マジ。そんな露骨な尻尾切りやっちゃうの? 矛先は無くなるかも知れないけど、旧態依然の組織だって強調しちゃうんじゃないの?
 そりゃまあ、中期的に見りゃ、国民は忘れるかも知れませんが、『いざって時は平気で切り捨てる』上に、ついていく人は居ないんじゃないかなぁ。

( ・ω・) まあ、反小沢と呼ばれる人達が、本気出すやも知れないってことさ

「そ。今はお頭やってるらしいよ」
「……」
 シスの話は、いつだって予想を遥かに上回ってくるよね。
「ん、赤ってことは、レッドオーブがあるかもってこと?」
「そだね」
「あー、そういや、いつだったか、凄く綺麗な赤い宝珠を手に入れたって、自慢げな手紙がきたことあったなぁ」
「……」
 えーと、ちょっと待ってね。言いたいことを簡単に纏めるから。
「何でそんな大事なこと、今まで話さなかったの?」
 レイアムランドで話を聞いた時点で、すごーく関連がありそうな情報だよね。
「すっかり忘れてたから」
「……」
 あー、そうだった。シスは何処までも感覚の人で、僕とは根本的に頭の構造が違うんだった。
「とりあえず、御飯食べたら手紙を書いてみようか。今でもあるのかっていうのが気になるし、大きさと形で大体の見当は付くだろうから」
「それ、多分、無駄だよ。基本的に、あんま話聞いてないって言うか、質問に対して、真っ当な返事が出来るタイプじゃないから」
 シスにそっくりだなぁなんて思っちゃったけど、よくそんな人が良くお頭なんてやってるなぁと、割と本気で考えちゃったよ。
「ま、それでも一応、お願いするよ。行くとすれば世界半周の話だし、裏は出来るだけ取っておきたいから」
「りょーかい」
 さて、と。もう一つ、並行で考えなきゃならないことは、と。
「誰か、テドンってどういうところか知ってる?」
 僕は、一年前までアリアハンから出たことがない。しかも、この旅路で近付いたことがないせいもあって、この地方のことはさっぱり知らないっていうのが本当のところだ。
「言う機会を、逸していたのだけれど」
 不意に、シルビーさんが小さく手を上げた。
「その町はネクロゴンドに程近いということもあって、五、六年程前、既に滅ぼされている」

 

 世論調査を見る限り、ここのところ、みんなの党が支持を伸ばしている様です。どうでも良いけど、言いにくいのは何とかなりませんか。略称が『みんな』ってのも様になりませんし。
 それはさておき、客観的に見て、何で支持を伸ばしているかと言えば、民主党支持層が離れ、されど自民党も受け皿となっていないということでしょう。何というか悲しい話ですよね。与党としての実績が無いことが、支持を集める一番手っ取り早い方法だって言うのも。

( ・ω・) まあ、連立の一員となったら、彼らも人気を落とすんだから、どうでもいいか

「うんうん。お酒飲みながらの一時は、淑女としては外せないポイントだよね」
 そして君は、まだ飲む気なの?
「酒飲みのことを、ウワバミって言うんだっけかな。
 ウワバミって何のことだっけ?」
「たしか、大きな蛇のことだったと思いますわ」
 成程、丸呑みするからってことかな。
「まあ、トウカ姉さんを丸々取り込んだ、ヤマタノオロチに比べればまだまだだよね」
 自分でも、何に対抗してるのかは良く分からないけど、とりあえずシスの酒癖については、今後も見守っていかないといけないと思うよ、本当。

「それで、何か面白いものはありましたの?」
「うーん、どうだろう」
 メロニーヤ様が書き記したオーブについての紙片は、確たる裏付けがあるものじゃない。余り自信満々に言って恥を掻くのもあれだから、ちょっと抑え気味に表現しておこうっと。
「とりあえず、これ見てもらえるかな」
 言って、紙片を書き写したものをテーブルに広げた。
「これは……よもや、全てのオーブについて書かれておりますの?」
 さすがはアクアさん。頭の中身は混沌としてても、ことの本質を理解する能力は高くて助かるよ。
「パープル、イエロー、ブルーは揃っておりますから、これが正しいとすれば、残りの場所は全て判明したことになりますわね」
「でも、これはあくまで、その可能性があるってだけの話だから。
 仮にその時点で正しい情報だとしても、いつ書かれたものか分からない以上、今もあるとも限らない訳で」
 唯、何も取っ掛かりがない状態から見れば、ワラよりはすがれるものなのかなって感じではあるよね。

 



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