2010
何でも、社民党福島党首が、又しても『(普天間問題決着は)五月末に拘る必要は無い』と言っちゃったとかなんとか。うーん。まあ、何を根拠に期限を切ったのかは知りませんが、元々が無理な注文ですからね。唯、こんなこと言っても、自民党とマスコミが総理に直接再確認をとって、『五月末までに決着する努力をしていく』と言われて無かったことにされる訳ですけど。
後、あれだけ煽った責任というものがありますから、これを実行した場合、内閣総辞職は免れないとも思いますが。少子化消費者担当大臣として、その覚悟があって言ったんでしょうか。無いでしょうけど。
新党乱立、与党としての実績の無さ、内閣支持率の低下、更には民主党の掲げる比例削減の公約のせいで、消滅の危機を迎えてると言われている社民党ですから、存在感を示したいんでしょうねぇ。まあ、何処よりも沖縄を食い物にしてるって言うか。
( ・ω・) 危機が嬉々って変換されかけたけど、余り間違ってないよ!
「おおっと、てめぇの相手はこの俺だ」
言って、お師匠さんはずずずいっと、エンリコの前に立ちはだかった。
「どっちだって構わないぜ、かかってきやがれ! おい、てめぇらは扉の奴をやっちまえ!」
エンリコと、その取り巻きは二人が抑えてくれる流れになる。こうなると僕が相手すべきはドンとホセの二人だ。
「俺も、エンリコと同じく状況を完全には把握していないのだがな。何やら、癇に障ったというのであれば、相手をしよう。
所詮、人と人とは力でしか分かり合えぬもの。さぁ、俺を捩じ伏せてみよ」
「魔王バラモスと同じ理屈で、人を語るな!」
『ベギラマ』
僕は左手から閃熱を生み出すと、団子気味になっている残りの海賊達に放った。これは攻撃そのものより、ホセの動きを確かめるのが主たる目的だ。どう転んでも積極的にドンを守るってことは無いだろうけど、僕の反逆話をまだ真に受けているなら、とことんまでに逃げを打つ可能性もある。僕としては、そっちの方がありがたいんだけど――。
「うわらはっは」
よし。かなり不細工な演技だけど、よろめく振りをして必要以上の距離を取ってきた。これはこの件に関与しないという意思表示と見て良いだろう。これが僕への謀略っていう可能性も無い訳じゃないけど、ホセの優柔不断な性格からして考えにくい。
「ふむ、良い魔法だ。知恵同様、こちらの才能もそれなりにあるようだな。
だが、若さ故か、行儀が悪い。お仕置きが必要だな」
言って、ドンは嵌めていた手袋を放り捨てた。その中から出てきた両手の拳ダコは今までに見たことが無い程の異形で、手と言うよりは岩の断片であるかの様にさえ思えた。
2010
まだ福田政権だった頃、当時の小沢代表が大連立を持ち出したことがありました。この際、民主党内から反発の声が上がりすぎて、『てめぇらなんかとやってられっか!』とブチギレて代表を辞めかけた訳ですが、その時に私は、『じゃあ、これから誰をいじれば良いんだ!』と叫んだ記憶があります。
( ・ω・) あれから二年半、まさかまだ小沢氏を弄り続けてるとは、誰が思ったであろうか
「一体、何よぉ。剣舞でも見せてくれるって言うのぉ? そんな文化的な趣味、海賊には似合わないわよぉ」
「黙っててって、言ったよね!」
『メラミ』
怒りの言葉と共に、人の半分はある中型火球をヘラルドにぶち当てた。
「あらぁん!?」
「ヘラルド様!」
まるでゴムマリみたいにボヨンボヨンとヘラルドは壁まで転がっていく。お付きの三人もそれについていったから、残りは――。
「何の真似だ、アレクよ。幾らヘラルドといえど、打ちどころが悪ければ死ぬ時は死ぬぞ」
「その名前を、軽々しく呼ばないで。僕は兄さんの意志を継ぐ者の一人として、この名前を誇りに思っている。
あんた達みたいに、生きる意味さえ考えたことがない人に、この重みは分からない!」
そりゃ僕自身が、人に誇れる様な生き方をしてきただなんて言う気はない。だけど、良く知りもしない赤の他人を扱き下ろして酒の肴にするなんて恥ずかしい真似をする程に落ちぶれてもいないつもりだ。
「俺ぁ、頭が悪いから良く分かってねぇんだがよ。勇者アレルってのは、てめぇの兄貴ってことで良いんだな?」
「ああ、そうだよ」
エンリコの問いに、極力、感情を押し殺したまま返答した。
「んで、その兄貴を俺らがバカにしたから、頭に来た、と」
「大体は、合ってる」
「よぉし、だったらこいつぁ、肩がぶつかったかどうか程度のケンカだ。思う存分、相手してやんぜ」
単純明快、頭に配線が一本しか通ってないエンリコらしい結論だと思った。ほんの少し、そちらの理屈の方が分り易いとさえ思えたくらいだ。
2010
何だか、有耶無耶の内に『総理の腹案=徳之島』という式が完成した気がしますが、私が知る限り、総理が断言したという情報はありません。まあ、仮に本当だとしたら、逆に凄いですよね。たしか二月か三月くらいには報道ベースで可能性が示唆されてませんでしたっけ。この情報化社会で、狭い日本国内のことを隠し通せる訳がないという説もありますが。
そして腹案がこんな薄っぺらいというのも、逆に凄いと言わざるを得ません。今後、どんな秘策があると言っても誰も信用しない訳で、あれ、何でこの人、まだ総理やってるの。
( ・ω・) 或いは、ふに案と称してお茶を濁すのはどうだろうか
「ああ、俺は根っからのポルトガ人だし、アリアハンやおめぇの兄貴がどう言われようと気にしねぇがな。仮にも弟子のファミリーとなりゃ話は別だ。
つーか、こんだけコケにされてまで小賢しい作戦を優先させるようだったら、むしろ見限ってただろうな」
「ありがとう……お師匠さん」
その言葉に、少しだけ心が落ち着かされた気がした。普段はだらしなさが目についてどうしようもない人に見えることもあるけど、こういう時、大人の後押しはありがたい。
「二人でコソコソ、何を喋ってるのよぉ。結局、そういうんだったら、ウチが相手してあげるわよぉ」
「少し、黙ってて……」
「あぅん?」
「少し、虫の居所が悪いんだ。余り調子に乗られると、やりすぎちゃうかも知れない」
「はぁ?」
エンリコの声が耳に入るのと同時に、僕は腰に下げた鋳型の剣を抜いた。それと共にお師匠さんも立ち上がり、ポルトガ兵時代のものだという得物を手にする。
「あーあ、それにしても俺は高ぇ酒には縁がねぇのかねぇ。だけどこんなゲスな奴らと飲むんじゃ、折角の良い酒も台無しか。
おい、スティーブ! 扉について、外から誰も入ってこれねぇようにしろよ!」
「がってんでやんす」
今、この部屋に居るのはドンを含めた幹部四名と、その近習が十名程だ。だけどヘラルドは自分では動けない為、それを守る為に数名を割くことになるだろう。ホセは恐らくこの手の荒事に進んで参加しようとはしないだろうから、実質的に厄介なのはドンとエンリコを含めた五、六人といったところ。この部屋の窓は崖に面してるから、入り口からの増援さえ防げれば、そこまで難易度の高い話じゃないはずだ。
2010
聞くところによると、今回の仕分け前半戦で削ったのは、75億円程だとか。あるぇ、最終的に、十何兆の無駄を省くと言って、この体たらくですか。こんな、かき氷を耳かきで食べるみたいな真似してたら、あっさり溶けちゃいますよ。まあ、支持率は溶けきってるんですが。
そして何か似た桁の数字があったなぁと思い出したのは、政党交付金。えっと、今年の民主党の交付額は、172億9700万円だそうです。こちらを仕分けるというか返納された方が、よっぽど好感度が上がると思いますわよ。
( ・ω・) 幹事長が守銭奴だから、絶対にやらないけどね!
「ふん、勇者アレルか」
とここで、ドンが口を開いた。え、意外な方向って言うか、こっちも知ってる訳?
「ん? あの時、ドンも居たっけか?」
「ああ、まだ先代のお頭が生きてた頃だな。勇者と、その仲間がやってきたのは。何でも、オーブとかいう宝珠を探しているとか言っていたな」
幸いにしてと言うべきか、こっちの思惑とは違う方向に流れてるけど、ペラペラ喋ってくれるのはありがたい。と同時に、時系列を一瞬で把握出来なくて、少し混乱した。
えっと、兄さん達がアリアハンを旅立ったのは五年ちょっと前。その半年くらい後にレイアムランドに辿り着いてオーブの情報を得て――ジパングからパープルオーブを送りつけてきたのが更にその一年半後だ。どうもオーブ探索期間は、相当、色々な地域に足を運んでたらしくて、ここもその一つだったってことになるのかな。
だけど、ここで一つ疑問も湧いてくる。今、トランスさんが持っているレッドオーブだけど、当時はまだ無かったのか、或いは単に見逃したのか。んー、幾ら兄さんと言っても、所詮は人間だからなぁ。シスみたいに、百発百中でお宝を発見できる方がおかしい訳だから、後者の可能性も否定はしきれない。
「あの時も思ったが、勇者という生き物は良く分からんな。一人、ないしは数名の力で魔王を倒すことなどが出来るものか。戦は、数の力で以ってのみ決まる。圧倒的暴力に対抗できるものは、同質の暴力だけだ。いずれは俺もその力を得て世界へと繰り出し、覇を争うことになるであろうな」
流石に、カチンと来た。そりゃ、僕は勇者として未熟かも知れないけど、その意志と能力を持った兄さんを貶めるのは納得いかない。揉める訳にはいかないから、黙ってるけどさ。
2010
仕分け前半戦が終了したそうですが、凄いですね、民主党は。自ら、『政権浮揚の切り札』と銘打っておきながら、小沢前原高速料金バトル! 普天間移設問題! 小沢幹事長起訴相当! と、自ら色々な問題を噴出させて潰すんですから。むしろ民主党そのものが参議院選に勝つつもりが無いんじゃないかと思える程です。まあ、真面目にやってるんでしょうけど。
そしてよくよく見てみれば、この一週間騒がれた問題三つの内、二つが幹事長、一つが代表の口の軽さが原因って、どんな与党第一党ですか。そりゃ支持率も麻生・福田水準割れが見えてきますわいな。
( ・ω・) あとは『神の国』森を、破るだけとなってきました
「俺の名は、アレク」
偽名を使うことも考えたけど、この一件が終われば又、別の地に旅立つんだし、特にその理由も無い訳で。
「アレ……ク?」
「どうかしたかい」
「いや、何か引っ掛かってな……ん! そうそう、何か似た名前の奴に会ったことがあったな」
「ふぅん?」
一応は、平静を装ってみたけど、ドキリとした。僕と似た名前って言われて、思い付くのは一人しか居ない。
「そういや髪も黒かったし、顔も何処となく……お前、アレルって親戚いねーか? 生きてりゃ二十歳くらいになってると思うんだが」
「さて、ね。エンリコには言って無かったかも知れないけど、俺は元々が孤児でね。親戚と言われてもちょっとな」
こ、この話題はまずい。兄さんとの関係がバレる可能性は限りなくゼロに近いだろうけど、僕の平常心の方が保てそうにない。余計なことを勘繰られる前に、適当な方向に逸らさないと。ああ、でも兄さん情報を持ってるなら、ちょっと聞き出したい気も……僕は一体、どうすれば良いんだろうか。
「それで、このむさ苦しいのが、義父のダニエル」
「んが?」
「幸薄そうで、実際、碌な人生送ってないのがスティーブだ」
「でやんす?」
様々な葛藤が心の中を巡りに巡った結果、とりあえずは問題先送りでケリをつけた。エンリコとはこれっきりってこともないだろうし、後日、どうにかして情報を引っ張り出す機会もあるはずだ。幾ら何でも幹部全員が揃ったこの場で無理をするのはリスクが高すぎる。