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 件の衝突動画流出から一日程が流れ、どうやらほぼ本物ということで確定した模様です。まあ、目的や流出元はともかくとして、何がどうあっても菅政権並びに、政府民主党に益は無いでしょうなぁ。出すの出さないので揉めてるから、こういう結末に至ったということすら想像出来ない残念なお歴々ですし。
 そしてその自称優秀な民主党幹部の言い訳が、大方の予想通り、『機密情報が流出するとか、危機管理体制がなってない!』で意地の悪い笑いをして差し上げるしか無いという。あのね、そこの点は既に通り過ぎたの。当面の問題は、何故この動画が隠蔽する必要があったのかでしょ。詰問だの、責任の所在だのは、時間掛けてやっても出来ることでしょ。子供じゃないから、分かるよね。

( ・ω・) 本当、このレベルまで落として説明しないと、理解しないんじゃないかって思えて怖いよ

「ん、アレクは、本当に優しい」
「そーでもないよ。ちゃらんぽらんなだけで、単にお人好しって言うか」
 僕自身の評もそんなものだけど、人に言われると釈然としないから困ったものだと思う。
「アレクには、兄さんになって貰えたら嬉しい。シスとアクアは、姉さんで」
 何だか、話が変な方向に向いてきた様な気がしないでもない。
「そして、義姉達は妹に色々と嫉妬して、イジメ倒すの」
「そういう物語多いよね」
 何か吹っ切れたのか、この人形使いさん、えらくノリノリです。
「分かりましたわ」
「こっちは何さ」
 さぁ、いつもの調子が、帰ってきましたよ。
「アレクさんに女性が近付くと普段ならシスさんが烈火の如く怒りだしますのに、今回はそうでない理由ですの」
「ほひ?」
 そーいや、結局、今回はその攻撃食らって無いよね。
「これは詰まるところ、家族の情を基本としていたからに他ならない訳で――」
「それ以上言ったら、本気で、怒るよ」
「シスさんは、いつでも可愛らしいですわよね」
 言ってにっこりと、満面の笑みを浮かべてくれるアクアさん。えーと、とりあえず難しく考えるとドツボに嵌る展開と見たし、ここは軽く流しておくのが正解だと思うんだ。
「本当、凄く楽しそう。家族はやっぱり、こうあるべき」
 こう言うのもなんだけど、ジュリの家族観って、随分と独特の様な気がしてならない。
「アレクだったら、旦那さんでもいいかな」
「ハハハ」
 トヨ様といい、僕の年下に懐かれる能力は、そこそこのものなのやも知れないね。

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 インターネット動画投稿サイトで、尖閣諸島近辺にて漁船が巡視船に激突したとされる動画がアップロードされたそうです。あー、ついに担当官僚か、罪の全てを被せられようとした沖縄地検が反乱を起こしましたか。えらいこっちゃで。
 まあ、私見として前々から、ついうっかりファイル共有ソフト的なもので流出させてしまえばええやん、そういうの役人の得意技やろとか冗談を言っていましたが、本当にやらかすとは。人間が想像出来ることは、全て実現可能ということどすなぁ。

( ・ω・) 益々、日本シリーズの影が薄くなるとか、言ってはいけないよ

 民主党、小沢氏が、『やだやだ、国会で晒し者になるのなんてやだー』と駄々をこねてますが、一方で某ネット動画に出る余裕はある様です。ネット動画好きですよね、あの爺さん。やっぱり、編集権がテレビ局や新聞に握られてるのは嫌なんでしょうか。嫌われ者ですしねぇ。やっぱり裏でコソコソと画策してるのが大好きなんでしょう。

( ・ω・) ネットで大人気なんて平然と嘘吐ける辺り、どっちもどっちなんですけんどね

「おっ、こりゃ中々、重いねぇ」
 え、シスが手伝ってくれるのは実に嬉しいんだけど。何でそこまで大変じゃなさそうなのさ。モロゾフさんの方が、僕が持ってるトーマスさんより軽いとかは……無いよね。単純に、僕の力が劣ってるだけですよね。えーえー、どうせ貧弱な坊やですよーだ。
「お手伝い致しましょうか?」
「大丈夫。思ったよりは大したことないから」
 嗚呼、久々に、凄くやってしまった気分だ。男って、どうしてこう見栄を張って生きているのか。何処かの偉い学者先生が、論文の一つも発表してるんじゃないかって、ちょっと思わなくもないよ。

「うん、それじゃ、ここでお別れ」
 全ての準備を終え、ようやく迎えた再出航の日。僕達は埠頭で、ジュリとお別れの挨拶を交わしていた。
「本当、何から何までお世話になって、ありがとう」
「気にしなーい、気にしない。子供は大人に甘えるのが仕事みたいなもんなんだからさ」
 よくよく考えてみれば、シスはもう十六歳で、アリアハンの国法では大人としての扱いを受けることが可能だ。人間、本当に年齢だけで大人と子供を区分けしていいのか、今一度考え直してみるべき――。
「どうして、わたくしの顔を見ましたの?」
 よくよく考えてみれば、とっくの昔に大人のはずのアクアさんでこれなんだから、難しく考えるだけ、頭の無駄遣いかも知れないよね。
「ま、良いじゃない。どうしても納得出来ないって言うなら、大人になってから借りを返してくれるってことで良いからさ」
「大人の、御奉仕?」
 何処でそういう言葉を憶えてくるのなぁ。

 睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走……御存知、昔の月の呼び名です。私はどうも、前々から、7~9月がどれがどれだか、今一つ憶えられません。文月、葉月、長月……まあ、月が長いんだから、長月が九月かな、くらいで。
 いや、このずらっと、並んだのを見て下さい。睦月、如月、弥生辺りはメジャーですし、五月晴れとか、五月をさつきと呼ぶこともあります。6月で梅雨なのに水無月とはどういうことやねんというツッコミはお約束ですし、収穫が終わって神様が出雲へほいさっさと行く神無月も憶えやすいです。そろそろ寒くなって霜が下りるなぁ、師匠も坊さんも走る師走を締めとして、どう考えても、7~9月は中だるみというかやっつけ仕事という印象を受けませんか、皆さん。

( ・ω・) 八つ当たりにも程があると言われれば、否定はしないのが現実ですが

「あのオッサン、珍しいもん好きだし、パクったりしないかなぁ」
「大丈夫、大丈夫。商人の基本は信なんだから、約束さえすれば破りゃしないって」
 そこらの小物ならいざ知らず、相手は天下の大富豪クワットさんだ。とはいえ、モノがモノだけに、きっちりと念書くらいは取っておこう。
「アレク、それじゃあ後はお願い」
「あれ、ジュリは一緒に来ないの?」
 言葉尻を単純に捉えると、そういうことになるんだけど。
「うん、今、ここでお別れしないと、心が揺れ動いちゃいそうだから」
 えっと、別に面倒とかそういうんじゃなくて、これって纏めると、僕が担いでクワットさんの所まで運ばないといけないってことだよね、動力無いんだし。だ、台車か何かに乗せたら官憲に捕まりそうだし……ほ、幌付きの馬車なら何とか。酔っ払ってることにすれば、きっと誤魔化せるよね。
「父さん、トーマス。私は、私の道を見付けなくちゃいけないから、しばらくお別れ。今生の別れにはしないから、許して欲しい」
 言って、ジュリは二人の頬を、手の甲でそっと撫でた。多分、彼女は将来、立派な人形使いになれる。そんな予感を覚えていた。
「よっと」
 このしんみりとした空気を壊さない為には、僕は可及的速やかに二人を運び出さないといけない訳なんだけど――ちょっと待った。トーマスさん一人でも、本当、普通に腰にくるくらい重いんですけど。人間を模してるって言っても、水に沈むくらい重い素材を使ってるせいか、二人前くらいには感じる。ゴメン、どう頑張っても、二人同時は絶対に無理。

 アメリカ中間選挙が始まったとか始まらないとか。日本も来年に統一地方選挙がありますし、政権交代した民主党はどちらも苦難に立たされるというのが大方の予想らしいです。私も似た感じですけど。まあ、北海道五区で三万勝ちのところが三万負けになったんですから、勝ち目はないでしょうねぇ。ずるずる支持率は落ち続けるでしょうし。もう、民主党所属の地方議員は無所属で出る準備をしておいた方がいいと思うんだよ。

( ・ω・) 沖縄県知事選も、民主の支援を断る戦いが始まると見てるんだ

「ジュリもそれなりに判断出来る年なんだし、ああいう大人になっちゃいけないという反面教師にするように」
「うん、分かった」
「何だか、身内を好き放題言われてる様な気がしますの」
 敢えて、否定はしないでおこうと思うのです。
「じゃ、話は纏まったね。ジュリは、これからしばらく、修道院暮らしだ」
「あ、いや、うん――」
 不意に、ジュリは何かを言い淀んだ。
「どうしたの?」
「父さんと、トーマスは――」
「きちんとお手伝いをして頂けるのでしたら、二人くらいはどうってことありませんわよ」
「違、う」
 言いながら、ジュリは執拗なまでに何度となく首を横に振った。
「父さんと、トーマスは、この街に置いていこうと、思う」
「え?」
 途切れ途切れに放たれる言葉に現実感を覚えられなくて、僕は反射的に問い返してしまう。
「私は人形使いとしての才能を、何故だか授かった。だけど今はまだ、この力を誰かの為に使おうとは思えないし、それを受け入れてもいない。だから、二人とはここで別れる。一緒に、ううん、近くに居るっていうだけで、甘えてしまいそうだから。
 いつか、出来る限り近い未来、私が私として生きる道筋を定めた時に、改めて会うべきなんだと思う」
 半身で首を向こうに向けながら、ジュリはそう口にした。彼女が、この二日間、いや、長いことずっと一生懸命考えて出した結論なんだろう。だったら、それを尊重してあげるのも、大人の責任なのかも知れない。
「分かった。クワットさんに、蔵か何かに保管して貰えるように頼んでみるよ」



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