2019
てるてる坊主と呼ばれるものがあります。白い布に綿なりを詰めて丸くすることで頭部に見立てて、晴れを祈願するものです。軒先などに吊るすのが一般的な作法でしょう。日本にある程度の期間住んでいて、耳にしたことすら無いという方はほとんど居ないと思われます。雨が多い気候と、意外に迷信深い国民性が合わさってのことだと推察できます。雛形は中国の晴娘なる想像上の少女を模した人形で、今のそれよりずっと人間っぽいものだったのだとか。勘の良い方はお気付きでしょうが、この女の子はつまるところ生贄です。それは倫理的にまずいと思ったのか、祈りを捧げるお坊さんにシフトしていったという流れのようです。いずれにしても用が済めばゴミ箱行きな辺り、人間の業の深さが伺えるものの気がしてきました。
(・ω・) 童謡にも、雨やまんかったら首落としたるで、ってあるしね
【そう考えると昆虫の変態は期間が短くて実験しやすいな】
亜:これだけ科学が進んだのに、地球の中心がどうなってるのかどころか、
深海のことすら分からないことだらけってのが落ち着かないんだけど。
朱:謎があるからこそワクワク出来るんですよ~。
黄:自分の生態を把握するのを諦めたのが何か言ってるんだよぉ。
亜:そういやマムシが龍族になるメカニズムって解明されてないよね。
黄:ざっくり言って千年以上掛かるとか言われてるのに、
そんなもんの検証する根性ある奴が居ないだけだと思うんだよぉ。
【二十世紀後半の宇宙開発は意地の張り合いで資金投入されたっぽい】
朱:先代玄武さんなら海底探査機くらい作れるんじゃないですか~。
亜:海が陸地の二倍以上の広さがあるの忘れてない。
潜ることが出来ても、得られる情報はその場所だけな訳で。
砂漠を散歩したからって大したこと知れないのと一緒だね。
黄:研究が進まない理由が良く分かったんだよぉ。
朱:すぐにお金にならないでしょうし、スポンサーも見付けづらそうですね~。
【要するにいい年だってのに子供なのである】
亜:いっそ、地球を貫通する乗り物でも開発してやろうかしら。
朱:昔、似たことを言ってましたけど、現実的に可能なんでしょうか~。
黄:まずドロドロのマグマの中を自在に動くってのが難しそうなんだよぉ。
亜:熱にも耐えなきゃなんないし、圧力は深海以上だし、
座標を確認する手段を用意しとかないと迷子になるし。
朱:さしもの先代玄武さんでも無理そうですね~。
亜:不可能って言われたら燃えるのが私の性分だよ。
【宇宙の端まで百数十億光年と言われているけど観測できる限界って意味です】
朱:この星の核って鉄が主成分なんでしたっけ~。
黄:まだ地球が熱々だった頃、重くて量の多い鉄が中心に沈んでいったらしいんだよぉ。
朱:でも、見たことある方は居ないんですよね~。
亜:あー、もう、たかだか六千キロ下のことが分かんないなんてモヤモヤする。
朱:たしか一光年が十兆キロメートルくらいでしたっけ~。
黄:宇宙の話に慣れると太陽系すらちっぽけに感じるけど、
じゃあどれくらい知ってるんだと言われると、割とマジでサッパリなんだよぉ。
人体、宇宙、深海は、科学者にとって同じくらい深いテーマなのだそうです。要するに世の中分かってないことだらけなのですが、そこに挑み続けられるのは素直に凄いと思っています。
2019
ノイローゼと呼ばれるものがあります。ドイツ語をカタカナ語化したもので、日本語を用いて表現すると神経症になるらしいです。この場合の神経は全身に張り巡らされてる方ではなく、精神とか心理といった内面的な意味合いになります。ただ、医学的に精神病とはまた別のものになるのだそうです。ノイローゼは心の不調が肉体に諸症状を引き起こすことで、精神病は日常生活をするのが難しい水準にまで達してしまった疾患なのだとか。たしかに、ノイローゼという言葉を聞いて心療内科に通うべきかどうかは微妙な印象があります。軽度のものなら、パーッとストレス発散するくらいで治りそうな感もありますし。現代人にはそれが難しいんだよと言われるとそんな気もしますが。肉体と精神が不可分である以上、適当に折り合いを付けて生きていかないといけない訳なのですがね。
(・ω・) この話でノゼローゼを真っ先に連想する私はどうなんだろう
【世代の話をしたら黄龍はどうなるんだということになりかねない】
亜:ブラックリストに載りそうなんだけど。
黄:いきなりなんなんだよぉ。
亜:ほら、私って玄武辞めた後、日本人片瀬亜沙として高校入ったじゃない。
黄:女子高生とお喋りする為とかいうタワケっぷりなら憶えてるんだよぉ。
朱:むしろ八百年くらい生きてて十代の子と話題を合わせられるんですから、
神と崇めてもいいのやも知れませんよ~。
亜:正直、あの子達は神様よりカリスマとかの方が好きみたいだけどね。
【記憶を一新する装置を作るとか言い出しかねないな】
亜:んで、三年で卒業しては別の高校に入学するを繰り返してたんだけどさ。
なんか変だぞって、一部で気付かれつつあるらしくて。
黄:高校生活の経験値が半端ないんだよぉ。
朱:十年以上学生をやってる日常ものは珍しくありませんけど、
このパターンだと飽きそうですよね~。
亜:というか、学園祭とか修学旅行なんかの記憶がこんがらがって困ることはある。
朱:普通は限られた回数しかやらないんでしたっけ~。
黄:因果応報とは言うけど、こんなしょうもないしっぺ返しなら、
別に食らっても良いんじゃないかと思うんだよぉ。
【消去法的選出をしている国が結構ありますよね】
朱:そういえば勉強はどうしてるんですか~?
亜:適当にやってるよ。上位には入るけどトップにはならない程度に。
朱:目立って良いことなんて無いって理屈ですかね~。
亜:学年一位なんて必ず一人出るんだから大したこと無いんだけどさ。
何故か神聖視されちゃう辺り、若さを感じるかも。
黄:その理屈だと国家主席も微妙なもんだということになるかと思ったけど、
実際問題、凄くてしょうがないかと言われると首を傾げるんだよぉ。
【経緯は違えどある意味に於いて同類なのである】
亜:結局どうしようかなぁ。疑惑持ってる連中を洗脳しちゃうのが早いんだけど。
朱:倫理的どうこう以前に、可能ってことが怖いですよね~。
黄:隠居する前に本気出して、どれだけ仕事が出来たか試してみて欲しかったんだよぉ。
亜:マジな有能っぷり見せ付けたら、こんな気軽に先代になんてなれなかったと思う。
朱:青龍さんが泣いて引き留めたんでしょうか~。
黄:そんな青龍を見てみたい辺り、成程、傍観者というのは気楽なもんなんだよぉ。
という訳で、玄武という職を人工知能に放り投げるという、天才のようでいて何も考えてない先代玄武さんのお話です。現役時代、どんな仕事っぷりだったかに触れた記憶が無いのですが、可もなく不可もなくくらいだったんですかね。
2019
バイオエタノールと呼ばれるものがあります。厳密な科学用語なのかは知りませんが、一般的には穀物などを原料として作られる、燃料を用途とすることを主目的としたエタノールのことです。十年かそこらか前、化石燃料の消費は二酸化炭素の濃度を上げる一方だということで注目された時期がありました。ただでさえ世界の食糧事情が逼迫してるのに、更に食い潰してどうするんだとか、設備投資やらなんやらで資源は使われるなどの反対意見も根強かった気がします。あれだけ政府、マスコミ共に推していたのに立ち消えたところを見ると、技術的な問題が大きかったのでしょう。最近は、藻の繁殖力を活かして燃料に出来ないものかという方が有力な感じすらあります。こっちも、長いこと話題になってる割にはパッとした成果は聞きませんけど。陰謀論が好きな方が産油国が立ち行かなくなるので潰されてるというのを主張してたりもします。何にしてもいずれは枯れるんだから先々のことを考えないといけないのですが、明日できることを今日するなが人間の本質っぽいところもあり、私が死ぬくらいまではこのまんまな気もしています。
(・ω・) 自分が死んだ後のことなど知るかに反論するのは難しい
【マニア向けという売れなかったものを擁護する便利ワード】
月:アラビアンナイトをパクって、万夜一夜物語を作ろうと思う。
黄:盗作宣言するだけマシに思えるのが不思議なんだよぉ。
朱:真似してないと居直るのは見苦しいですからね~。
月:まあ、日本には既に御伽草子があって知名度が抜群なんですけどね。
朱:月読さんが編纂することで、
知る人ぞ知るマイナー感が出るという考え方もありますよ~。
【お笑い芸人とか逆に滑り倒しそう】
朱:たしか王様に殺されそうになった女性が面白い話をして時間を稼いで、
最終的に放免されるって流れでしたっけ~。
月:芸は身を助けるの究極形だな。
黄:現代の罪人にも適用したら良いんだよぉ。
月:『あんた有罪だけど、ここで傍聴者を笑わせたら減免したるわ』的な。
朱:酷い無茶振りですね~。
黄:勢いで言ってみたけど、口八丁の詐欺師に有利過ぎるルールなんだよぉ。
【議論したら同類に堕ちそうという今更過ぎる感覚】
月:鮭みたいに海水淡水どっちでもいけるやつが居るんだから、
海に生息する河童が居てもいいはずだ。
黄:何がどういう思考を経て、そんな発言をしたんだよぉ。
月:いや生物が浸透圧を利用してるってのを聞いて、鮭ってどうなってんだって思って、
となると河童が川や湖専門ってのは固定概念に過ぎないのではとかだな。
朱:中々の脳内カオスっぷりですね~。
黄:妖怪に科学を適用できるのかとか、それはもう別種なのではとか、
言いたいことは幾つかあるけど面倒だから流すことにするんだよぉ。
【個性を確立するとそこから大きく動けないというデメリットも手にしてしまう】
月:他にも、耐熱性を得た雪女とかな。
黄:魅力の八割くらいが無くなるんだよぉ。
朱:春になったら消える儚さがあってこそですよね~。
月:病弱少女が健康になったらモヤモヤするみたいなもんか。
黄:ひでー例えだけど、割と合ってる気がするんだよぉ。
朱:神々しさを身にまとった月読さんは、
もはやアイデンティティが崩壊してるも同然というのも一例になりそうです~。
そういや当初は玄武も混ぜようとか思ってた気もしますが、黄龍、朱雀、月読だけで完走してしまいました。このトリオが主戦級だった時代もあったなと思うと、まるで他人事のように懐かしいのです。
2019
虹を現代科学で説明すると、プリズム化した空気中の水滴で太陽光が分離されて各波長が連続して並んだもの、辺りになります。日本人は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色であると認識しているのが一般的です。アメリカでは六色、ドイツは五色で区分しているのだとか。当然のことながら日光には紫外線や赤外線も含まれているので、人間の目では認識できないというだけで虹の内側や外側にも橋は掛かっています。言い換えれば、可視域が違う他の生き物だと別のものとして認識されているということになりそうです。人間なんて所詮400nmから800nm程度の狭い範囲しか知覚できない訳ですが、その僅かな領域で情報の大半を得ているというのも色々と考えさせられるものがあります。
(・ω・) 雨の多い日本だとレア度低いからか、扱いが普通なところあるよね
【職業としての忍者が死滅したからには全てが自称に過ぎない】
月:月読は影の存在であることから、忍者属性を追加したら売れないだろうか。
黄:日本人以外がイメージするニンジャは、むしろスーパーヒーローなんだよぉ。
朱:手裏剣の乱れ打ちで弾幕を張りつつ、火遁や水遁で全体攻撃するんですよね~。
月:これはゲームに汚染されてるだけでは。
黄:地元で廃れてしまった文化が他所で隆盛を極めることもあるし、
そっち系も市民権を認めて良いのではなかろうかなんだよぉ。
【どんなタイプの忍者だろうと出来る気がしない】
月:まあ、敵国の庶民になりすまして情報を集める、
いわゆる草も忍者の一種って教えると大半の外国人は驚くらしいが。
朱:戦闘能力が一般人並だなんて、世界的に認められませんよ~。
月:なんか、忍者にえらい拘り持ってるんですけど。
黄:昔、朱雀として生を受けなかったら忍者になってたとかほざいてたんだよぉ。
月:夢を見るのは自由だし素晴らしいことだと思わなくも無いが、
最低限の適性は考慮した方が良いんじゃなかろうか。
【一つの国家ではあるけど文化や民族の幅がでかすぎる】
朱:ここは国際会議を開いて、正しい忍者像を決めるべきじゃないでしょうか~。
月:あ、これ日本の意見が無視されるやつだ。
黄:ここで発信力の無さが響いてくるんだよぉ。
月:大国は自分の主張を頑として曲げないしな。
黄:各国がどんなニンジャ観を持ってるかって意味では見てみたいんだよぉ。
朱:中国代表として出たいところですが、
国内の見解をまとめられる気がしません~。
【楽しさを優先しないと成り立たないからしょうがないじゃない】
黄:そもそも、日本人は忍者より侍の方が好きって印象なんだよぉ。
月:現代の侍とかラストサムライなんかは聞くけど、忍者に置き換えると微妙感あるな。
根本的に裏方仕事で、花形から程遠いのを知ってるからだろうか。
朱:ここは忍者の独立国を作って、地位の改善を図るべきですかね~。
月:その国、どうやって生計立てるんだ。
黄:見世物にするくらいしか思い付かないんだよぉ。
月:その手のテーマパークはあるけど、忍者というものが正しく伝わらない一因でもある。
日本人的なキャラクターが戦闘要員として起用される場合、侍と忍者は鉄板です。そして日本人から見るとツッコミどころ満載なのもお約束なのですが、文句を言うのも無粋な気がしないでもないです。
2019
出歯亀という俗語があります。現代ではデバガメと読むのが一般的ですが、かつてはデバカメだったようです。基本的には性的欲求を満たす為に覗き見などをする行為を意味しますが、単に物陰から隠れ見る場合にも使われることがあります。風呂帰りの女性を殺害した女湯覗きの常習者、池田亀太郎が出っ歯であり、あだ名がそうであったことに由来すると言われています。八百屋の長兵衛さんが接待碁の達人で八百長みたいな話ですが、こちらよりは信憑性があるようです。出歯亀という文字だけ見ると、生き物の亀とどう繋がるんだと考えてしまいますが、全く関係が無いというオチになる訳です。ある意味、タートルさんこそ被害者と言っても良いのでは無いでしょうかね。
(・ω・) 馬鹿とかエロ河童とか、理不尽な扱われ方をする動物は少なくない
【語りたいだけだから適当に相槌打ってりゃ満足するぞ】
朱:神器についてお伺いしたいことがあるんですが~。
月:お、朱雀もこの界隈に興味を持っちゃったか。
一言に神器と言っても色々とあるんだ。武器防具はもちろん、祭祀用のとかな。
まあ、新参にはド派手な攻撃技を持ってるのが良いだろう。
各神話の本質が籠められてる場合もあるから侮れるものじゃない。
とはいえ深く考えず、『カッケー』とか『スンゲー』くらいのノリでだな――。
黄:マニアに取っ掛かりを与えると、こうなるんだよぉ。
朱:話の要点以外は聞き流すコツを憶えましたから大丈夫ですよ~。
【箔とかブランドなんてのはそういったものである】
朱:神器に、レプリカとか量産品があるって話がありましたよね~。
月:我々が用いる俗な区分だが、真正、模作、複製、贋物の四段階がある。
真正は神話などに登場するオリジナルで、
模作はそれをコピーした中でも完成度が高いものを言う。
朱:その二つに何か差はあるんですか~?
月:ぶっちゃけ、能力的には殆ど無い。
一級の神族が技術と時間を注ぎ込んで作り上げた訳だからな。
朱:スポーツ選手が実際に試合で使ったかどうかと考えれば納得できる話です~。
【レアグッズの復刻でひっそり泣く人は少なくないという】
月:複製は模造品の内、それなりの出来のものを言う。
量産型なんかも、これに含まれることが多い。
朱:まず、神器をたくさん作ってどうしようっていうんですかね~。
月:たしかに、真正の価値を下げるだけだからやめて欲しい面もある。
黄:完全にコレクター視点なんだよぉ。
朱:自分でもコソコソ製造してるのにこの言い草は凄いです~。
月:私が秘匿する分にはマーケットに影響が無いから良いのだ。
【現在進行系で騙されてそうな匂いしかしない】
月:贋物は見てくれだけ似てる出来損ないだな。
初心者が粋がって見せびらかすのを鼻で笑うのが通過儀礼みたいになってる。
朱:陰湿さが滲み出てますね~。
黄:収集家なんてこんなもんなんだよぉ。
月:私も、若かりし頃はちょいちょい掴まされたものだ。
黄:真贋を見極める目は身銭を切らないと身に付かないと言うけど、
月読の資金源は国庫からちょろまかしたものだったはずなんだよぉ。
四段階の用法は、このネタの為に私が適当に作ったものなので、何処かでしたり顔で語ったりすると恥を掻いたりします。まあ、創作家としては非常の喜びと言っても良いことでもあるのですけどね。