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 何だかんだで、ようやく出航したアレク一行ですが、ドラクエ3的に考えて、船を手に入れたってことは物語の三分の一くらいは終わったはずですよね。ええ、希望的観測ですが。ってことは、ここに至るまで9ヶ月を費やした訳で――。

( ・ω・) あれ、完結まで二年以上って試算が出たんだけど、これマジ?

「う……ん……」
 身体の中心が固まってしまったかの様な冷え込みで目を覚ます。ポルトガを出て、どれ程の月日が経ったのだろうか。少なくても、寒暖の移ろいが季節のそれよりは遥かに早いことは理解出来る。何しろ身体の方がついていかなくて、毎朝の様に、凍えたまま布団を被り直してたんだから。
「今日は……特に予定無かったよね……」
 客として船に乗ると、想像してた以上に時間が余ることを知り、稽古の量を増やした。幸いなことに、ポルトガで兵士の経験があった人が居て、簡単にだけどポルトガ流の剣術を教わることも出来た。何だか、色々な流派が混じって、我流に近くなってるところがもあるけど、少なくても、アリアハンを出た時よりは強くなっていると実感できた。
 他にも、船での仕事も少し回して貰っている。帆の調整なんか全身の力を使うし、筋力の鍛錬も兼ねてると言えたしね。尤も、最初は余り役に立たなくて、指揮に回ってくれないかってポソリと言われた訳だけど。
 だけど、今日は特に予定の無い休養日だ。久々に、魔法の練習をしてみようかな。本当、剣も魔法も一流じゃなきゃ勇者じゃないなんて、一体、誰が決めた――。
「おぉい! 陸だ、陸が見えたぞぉ!」
 見張り台の男の大声で、一瞬にして、船そのものが目を覚ました。夢うつつだった僕の身体と心にも、あっという間に血が巡って覚醒する。気付いた時には、寝巻きのまま寝室を飛び出して、甲板へと駆けていた。

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