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2011

0728

 変な夢見たぞ、フルァ、シリーズ。
 シチュエーション、どっかの屋敷で何か命を狙われる俺。その屋敷を脱出する為のスペクタクルアクション。何度死んでも、自分の好きなところからやり直せる、ゲーム世代らしい設定だ。但し、死ぬ時の痛みと恐怖はきっちり引き継いでるぞ。精神が崩壊するのと脱出できるの、どちらが先かな。
 何これ、俺の脳内、怖い。どういう経緯を経て、こんな訳分からないビジョンを映像化したんですか。

( ・ω・) 尚、俺のその後については、全く憶えていない

 未だ賢者として完成に程遠そうなリオール君が数に入っているっぽいだけに、あまり年齢は関係無さそうな気がする。
「あ、そういう観点では、ジュリも無いとは言い切れないかも」
「又、新たな名前が」
「知り合いの、人形使いの女の子。年齢的にはトヨ様と同じくらいだけど、純粋な魔法の才能はちょっと下かな」
 方向性も、ちょっと違うしね。度合いについては、どれくらいのものかまでは良く分からないけど。
「何でこう、ポコポコと。
 ええい、前師匠め。私達姉妹を、『知り得る限り屈指の才能の持ち主』などと言ってたのはやる気にさせる為だったな」
「それも師匠としての選択肢だと思うけどね。ってか、人間、両手両足全部揃ってれば、二十本ある訳だから、そこまで無茶でも無いんじゃない?」
「その屁理屈の方が、よっぽどの無茶」
「或いは、その師匠の交友関係が、意外と狭かった可能性も」
「……」
「ん?」
「それが無いと言えない辺りが、元弟子としては情けない」
 魔法屋っていうのは半分研究職だから、部屋に閉じこもっちゃう人が多いのは、構造的にしょうがないとは思う。半ば強制的だったと言っても、僕はこうして世界を見て回ってる訳だから、そういう意味では良いことなのかも知れないね。
「師匠……師匠が思うより、世界は広うございました。シルビーはこれで心置きなく、あなた様に対してお暇と叩き付けることが出来まする」
 いや、仮に技術的に学ぶべきことが無くなっても、人として敬意だけは示しておこうよ。人間的なことに関しては、最初から諦めろっていう話もあるけどさ。

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2011

0727

 最近、少し戦国時代を勉強してるのですが、参謀、軍師と呼ばれる奴らの容赦無いこと。やっぱり、血で血を洗う時代じゃ、人格者なんてものは存在しないんですね。半兵衛も思ったより極悪エピありますし、義と愛の人、直江兼続って、もはやギャグだろうと。

( ・ω・) 桜井姉妹のキャラ設定は間違ってないと、確信した私であった

「ジパング……ああ、そういえば、若年の者が事実上の領主になったと、風の噂には聞いている」
「あそこは、基本的に宗教国家だからね。宗教組織のトップが、実質的に領地経営の類もやるみたい」
「して、その偉い人が如何した」
 如何したと言われると、端的に纏められなくて少し困る。ちょっと待って。少し、話す順番を纏めるから。
「さっきも触れた通り、僕が知る限り、魔法の才能という観点で優れてるのは、クレインとトヨ様になります」
「ちなみに、その人の年齢は?」
「そこ、気にするところ?」
「良いから」
 居るよね、こういう一つ二つの年齢差を妙に気にして勝った負けた言う人。
「一年ちょっと前に数えで十一って聞いたから……今は満年齢で十一かな? いや、誕生日知らないから、正確には不明ですけど、そんなもんでしょう。中身はもうちょっと大人びてるというか、達観してる部分がありますけど」
「十一……リオールよりも、年下だと?」
「あくまで才能の話ですし、どちらかって言うと、占術とかの方が得意みたいなんで、そう対抗意識を燃やすのもどうかと」
「うるさい、こうポンポカ年下に追い抜かれていく苦悩が、貴様に分かるか」
 いや、リオール君とトヨ様に関しては僕にとっても年下だし、そもそも、生まれ持った魔法の才能で何をするかが大事であって、単純な力比べでどうこう言ってるのはどうなんでしょうね。
「何にしても、そのクレインと比肩する程のトヨ様ですから、魔王軍に狙われててもおかしくは無いなぁと思い至った訳です」

2011

0726

 2011年現在、細かい小島なんかの小競り合いは大概の国にはありますが、大規模な土地で領土が確定していないのは南極大陸だけです。しかしまあ、当然のことながら、今のところ、この南極というやつは、定住には適さず、端っこに研究者や、各国の関係者が交代交代で陣取ってるだけです。とはいえ、将来的には氷が殆ど溶けることとなり、頑張れば住めて、資源も掘れる時代が来るかも知れない訳で、北極海下の資源同様、しばらくは揉めることになるとは思います。
 と、言葉にすると簡単ですが、最終的にどうやって決める気ですかね。大国同士の武力行使が難しい世界情勢で、ドンパチやって境界線を決めるって展開もないでしょうし、話し合いなんて100年経ってもケリつかないでしょうし。結局のところ、300年後も揉めてそうな気はしますが。世界市民を称する、自称無国籍人が住み着く可能性も、考えられなくもないですが。

( ・ω・) ある意味、それが一番、平和って説もある

「父があの偉大な大賢者だという事実を受け入れられなかったのか、しばらくの間、悶々としていた様な気はする。まあ、あのムッツリさんのこと、素人目には判別が難しいのだけれど」
 可哀想なリオール君。強く生きろよ。
「しかしまあ、私とは正式に姉弟となった訳で。貴様も安穏とその才能に身を任せていると、すぐさま奴に追い抜かれるぞ」
「賢者の才を持ち合わせている時点で、僕の負けって気もしますけどね」
 僕も、基本的な回復呪文は使えない訳じゃないけど、正直なところ、もう天井が見えてる気はする。若い身空で何を言っていると思う人も居るかも知れないけど、魔法の才能は、足の速さや算術に通じるものがあって、頂点に達するのは、せいぜいが青年と呼ばれる年齢辺りっていうのが一般的だ。もちろん、経験や熟達した技術が有用なことも事実だから、その頂点を過ぎた途端に魔術戦闘屋としての能力が落ちる一方って訳でもないけど、少なくても僕の僧侶系統の能力は、専門家には遠く及びそうもない。
「僕が今まで見てきた中で一番の魔法の才能を持ってるって言ったら、やっぱりクレインかトヨ様――」
 ん? 何か、凄く気にすべきことが無かった、今?
「トヨ様!?」
 深夜で、皆、寝付いてるにも関わらず、大声を出してしまいそうになった。
「出来ることなら、静かにした方が」
 ええ、ですから、口から漏れ掛かった言葉を、無理矢理に押し留めたんですよ。お陰で、ちょっと喉が痛いですけど。
「それで、そのトヨ様というのは、ナニモノ?」
「ヒミコ亡き今、ジパングで一番偉い人です」
 とりあえず、分かり易い肩書きから入ってみた。

2011

0725

 十六夜という言葉があります。『いざよい』と読むのはこの業界では常識の域ですが、これは、躊躇うの類義語である、『いざよう』が変化したものなのだそうです。満月の十五夜に比べて、その翌日は、月が昇るのが遅くて躊躇っているように見えるからだとか何とか。東雲を、しののめと呼ぶのは、漢字伝来以前の大和言葉の名残なのだそうですが、十六夜は言葉遊びの域ですね。或いは、現代、巷で溢れてる無茶なルビ振りも、300年の後には、一般語化してるのやも知れませぬという、ありきたりな話でした。

( ・ω・)  朱雀(ふに)が白虎(うにゃ)に、黄龍(だよぉ)られただと?

「いやいや、おかしい。父は命を狙われる恐れがあるからと、関わりを断つ為に孤児院に入れたはず」
「でも、魔法を使えるようになることと、バラモスを含めた魔王軍に立ち向かうことに、直接の関係は無いよね。メロニーヤ様の子供だったら才能がある可能性は充分にあるし、高位の魔法使いになれば、戦いで死んだり、怪我を負う可能性も減る訳だし」
 あくまで、状況から導かれる、一つの推察だけどさ。
「そんなメロニーヤの娘より、才能のある僕って凄いと言いたいとは、良い度胸だ」
 一体、何処まで根に持ってるのさ。
「しかし、その理屈には、たしかにそれなりの筋が通っている」
 ちょっと思い付いて言ってみただけの話なんだけどね。
「成程。これが、ねじ曲がった親の愛というやつか」
 う、うーん。たしかに、結果論として何とか生き延びてきた訳だけど、手元で育てなかった以上、何を言われてもしょうがないかなとも思うよ。
「あー、それで、リオール君なんだけど」
 慕っていた幼馴染みのお姉さんが、実姉だったとか、悲劇であることに違いはない。理由に違いはあるけど、僕とトウカ姉さんも似た関係だし。初恋って、実らない為にあるのかも知れないね。
「リオールが、何か?」
「いや、ダーマで別れて以降、どうだったかなぁって」
 恐ろしいことにこの姉は、あのリオール君の露骨な情愛に、気付いていなかったっぽいのだ。一日程度しか一緒に居なかった僕ですら感知できたのに、全く以って難儀としか言いようがない。

2011

0724

 さて。意外にも予定通り、被災の度合いが厳しい東北三県を除き、地上アナログ放送が終了しました。絶対に、テレビ各局と総務省が音を上げると思っていたんですけね。私は、横浜ベイスターズも終戦しましたし、ニュース以外見ることもねーなと気付いて、対応は一時見合わせることにしました。今時、ニュースくらいネットで幾らでも読めるわ。デコボクロの国会での醜態を晒さない各局報道部にも、怒り心頭ですしね。ああ、こうやって、テレビ無くても生きていけることに気付く人が増える訳か。

( ・ω・) 尚、生活に今のところ影響が無いことは、割と本気で触れてはいけない

「師匠は?」
「ん?」
 あれ、その話はしなかったっけ?
「特には。剣の方は、元護衛隊隊長のお爺さんに教わってたけど、魔法は本を読んで、気付いたらそれなりになってた感じで」
「何それ、ズルい。私が基礎魔術の習得に、どれだけ師匠の厳しい指導を受けたと思っている」
 そう言われても、出来ちゃったものはしょうがないじゃない。
「ほら。クレインも言ってたし、ある程度以上は生まれ持ったものが大きくて、師匠はあくまで切っ掛けに過ぎないって――」
「それは、遠回しとも言えず、全力で自慢しているようにしか聞こえない」
 たまたま持ち合わせていたものを披露するのが自慢になるかどうかは、文化、境遇の影響を高く受けると思うんだよね。
「そういうシルビーさん達は、どうして魔法使いと賢者になったのさ。
 あれ、そういえば、シルビーさんも、元は賢者志望だったっけ?」
 ポルトガで、回復呪文を掛けてもらった記憶がある様な。
「つい一年前まで、実父があの偉大なる大賢者メロニーヤ様だというのを知らなかったのに、この道を選んだのは、やはり血筋というものなのか」
 勇者の血筋から、ポンっと生まれた魔法使いとしましては、返答に困ります。
「まあ、実際のところは、孤児院に居た頃、院長と懇意にしていた前師匠に見染められ、半ば口減らし的に修行の日々が始まった訳だが」
「それ、赤の他人の僕が考えると、メロニーヤ様が手を回したとも考えられるよね」
「……」
「……」
「ナヌ?」
 今まで、一度として考えたこと無かったんですね。


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