東洲斎写楽という名の絵師が居ます。トウシュウサイシャラクと読みます。江戸時代後期の人物で、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重と並ぶ四大浮世絵師として扱われることもあります。代表作である三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛はあまりに有名で、モチーフを知らなくても写楽の作だと知っている方が少なくありません。しかし仔細は謎に包まれています。寛政6年(1794年)半ばから寛政7年(1795年)初頭の僅かな期間に150点程の作品を発表し、忽然と姿を消してしまったからです。大人気になったのは20世紀以降と言われていますが、ミステリさながらの正体探しが始まります。結果、同時代を生きた文化人全員が容疑者になるほど白熱しました。現代に至るまで結論は出ていませんが、阿波藩のお抱え能楽師である斎藤十郎兵衛説が最有力とされています。絵描きとして最大の特徴はデフォルメ能力です。当時、舞台役者の絵はファングッズの要素が強く、多少の美化は当然でした。しかし写楽は美醜に関わらず特徴を捉え、大胆な落とし込みで表現します。つまるところ当世風の似顔絵に近いものです。このせいで庶民にはさほど好かれなかったらしいのですが、徐々に革新性が評価されていきます。本当に新しいことをすると理解に時間が掛かるのは、何の業界でも変わらないものです。 (・ω・) 不遇者がそう思い込んで気休めにすることもある 【問題は話を聞く知能と器量があるかだ】 岬:大名稼業を全うして、 地獄に行かない方法はあるんでしょうか。 綾:私はとっくに覚悟を決めてますわよ。 岬:むしろ鬼側に回って改革を進めそうです。 綾:惰性で非効率的な仕事をしているのでしたら、 口を挟まない自信がありませんの。 【例外を許したら秩序がハチャメチャになる】 空:妹をそんな目に遭わせる訳には行かない。 俺が身代わりとなろう。 綾:お断りしますわ。 舞:美しき兄妹愛を一蹴した。 綾:肩代わりが許されると端から考えてませんし、 業とは自身で背負うものですの。 【時たま妙な潔さを発揮してくる】 結:我々は閻魔様に『上司の命令で仕方なかった』と、 申し開きする気で満ち溢れている。 岬:通用しますかね。 海:むしろ見苦しいと評価されるやも知れぬ。 舞:それを含めての人格なので、受け入れるしかない。 【一種の狂人で無ければ遂げられないのは事実】 綾:とはいえ真の地獄は戦乱の世かも知れませんわ。 結:面倒になった空気を感じる。 舞:しかしどうやれば終えられるかなど分からぬ。 海:その為に積み重ねる罪は現状の数倍の気さえする。 岬:だから押し付け合って争いが続くというのも、 解釈としては有りなのかも知れません。 人に限らず生命体は死んだら六道を巡るというのが、仏教に於ける真髄の一つです。その中で最も過酷なのが地獄になるんですけど、送られる基準は良く分かりません。厳密には虫一匹でも殺すとアウトなので、誰も逃れられないはずなのです。それだとどう考えてもバランスが悪いので、下から六分の一の悪党とかになるんですかね。 PR 梨と呼ばれる植物があります。バラ科ナシ属に所属する樹木の総称ですが、日常会話では果実を指すことが多いでしょう。原産は中国南西部で、日本には弥生時代頃にやってきたとされています。ちなみに外見が似ている林檎は明治期で、年数的には10倍以上も違います。濃厚な甘みと程よい酸味は共通していますが、アジア系はシャリシャリ感に重きを置き、ヨーロッパ系はねっとりとした食感を重視してきました。梨の漢字は中国から流用していますが、読みに関しては諸説あります。中心に近いほど酸っぱいので中酸(なかす)が変化した説、皮の下が白いので中白(なかしろ)を省略した説、風害に弱いので風なしから来た説、甘しが訛った説などです。無しと被って縁起が悪いので、有りと呼ぶ風習もあったようですが廃れました。梨を使った諺や慣用句は幾つかありますが、梨のつぶてが最も有名かと思わます。連絡を取ろうと試みても反応が無い様を表しています。しかしこれは無しと掛けた一種の語呂合わせで、果物との関係は稀薄なのだそうです。個人的にはしっくり来ない感が凄いんですけど、言語の淘汰なんて割と運が絡むのかも知れません。 (・ω・) 梨を投げても潰れるか美味しく食われるだけだよな 【胡散臭い御札を売り捌いた過去がありかねない】 公:地獄とやらが、良く分からん。 遊:坊主に聞けば済む話だろ。 公:問答したが抽象的か逆に仔細まで詰めてる。 経験から判断するに詐欺の技法だ。 莉:謎の世渡り術を持ってるよね。 遊:どちらかと言えば騙す側だろうに、 偉そうに語ったもんだ。 【そもそも刑期が長すぎて誰も出てこれないのでは】 公:地獄は懲罰的な場所らしいが、 責め苦で更生するという考えには賛同できん。 抑止力や人格をマシにさせる力があるなら、 いずれ地獄なんて誰も居なくなるだろ。 莉:何か語りだしたんだけど。 遊:目の前の問題から逃避する目的で、 無益な思考を巡らせるやつは居るらしい。 【生粋の戦闘狂には堪えられないだろう】 莉:死線を潜り抜けた侍が、 地獄から舞い戻ったなんて呼ばれたりするけど。 遊:武人は極楽には行けんのか。 公:普通に修羅界行きだと思う。 莉:極楽より居心地いいと感じる連中ばかりで、 苦悩なんかしないんじゃと疑ってる。 【性格が捻くれまくる弊害はさておき】 遊:まあ、餓鬼界帰りと比べたら迫力があると言える。 莉:無駄に兵糧を消費する厄介者になりそう。 公:うまいこと敵に潜り込ませてしまえばいい。 遊:そういう発想が出てくるのは茜の影響か。 公:相手が嫌がることを第一に考えておけば、 大抵はどうにでもなるとか言ってたな。 仏教式だと亡くなってからの日数で、初七日だとか四十九日なんてのが存在します。これは死者が何処に行くかを決定するまでの審査期間です。7日✕7回で、49日かかるという計算です。なので本来は毎週集まって法事をすべきと寺は主張します。しかしこっちから祈りを捧げたところで審判に影響あるのかと考えなくもありません。 盆栽と呼ばれる園芸があります。ボンサイと読みます。現代日本語では主に、植木鉢に根付かせた小ぶりの観賞用樹木を指します。元々は鉢植え全般を称していましたが、かなり狭まりました。大自然をコンパクトに表現していて、一部に熱狂的な愛好者が存在します。源流は中国にあるとされていて、明確な記録だけでも唐代まで遡ることが可能です。少なくても2500年前にはあったという推測もあり、いずれにしても極めて長い歴史を持っています。日本でも平安時代初期には伝来していて、当初は宗教的な贈答品として扱われていたとのことです。ここから江戸時代前半くらいまでは上流階級の趣味でした。しかし後半に入ると庶民にも浸透し、大衆文化として花開きます。20世紀に入る頃、欧米に素晴らしさを伝えようという運動が起こります。結果、あちらにもファンが出来たようで、今日に至るまで一定の勢力があるのだとか。ものに依っては一鉢で世間的な年収を上回るほどになり、経済規模も侮れません。昭和のマンガに慣れ親しんだ身としては、ボールが飛び込んで被害を受ける印象から抜け出せないんですけどね。 (・ω・) 陽の光を当てる都合上、野晒しが必要だもんな 【歴史に名を残すってそういうものかも知れぬ】 茜:日の本の経済を裏から支配したいよねぇ。 千:話の規模が許容範囲外で理解できない。 麗:そもそも、お金など価値の数値化に過ぎないのでは。 茜:流れを掌握することで人も制御可能になるんだよ。 千:やっぱり良く分からない。 麗:時たま別時空から紛れ込んでいるかの様になります。 【正しい直感だけど平坦な道ではない】 茜:最終的には、世界全てでも良いんだけど。 千:何処でも使える銭なんて無いのに。 茜:存在しなければ作るのが世の理じゃない。 麗:やりかねないのが恐ろしいです。 千:どういう理屈かは見えてないけど、 うまいことすれば物凄いお零れが貰えそう。 【経緯については不明な点ばかりである】 茜:金銀は大抵の場所で誰もが欲しがるでしょ。 同じく数字を追い求めるようになれば完成だね。 千:ついていけてる? 麗:雰囲気だけは。 茜:公康君は良い生徒だったよ。 千:ホイホイと金銭の匂いがする方に進んでたら、 何故か君主に収まった部分は否定しません。 【どうあれ食う以外の使い道は無いのに】 麗:皆がふと我に返って、 無意味だと気付いたらどうなるのですか。 茜:その時はしょうがないかな。 千:凄い綱渡りの気がしてきた。 麗:とはいえ領地で賄える米が権力の現状も、 似たようなものかも知れません。 近頃、金相場がまた高騰しているのだそうです。通貨の信頼と反比例的な関係にある訳ですが、限界突破するとどうなるのでしょう。世界規模でハイパーインフレを起こすのか、なんやかんやで上限があるのか。無学で浅慮な私にはトンと想像が付きません。 北京ダックと呼ばれる調理品があります。数多ある中華料理の品目で屈指の知名度を持っています。端的に言うとアヒルの丸焼きで、主に皮部分を食します。広東風だと皮のみを削ぎ、北京風は肉も切り取ります。ソース、野菜、薬味などと共に餃子の皮のようなもので包むのが一般的です。当然ながらアヒルを焼く食べ方自体は古来からありました。更に言うならアヒル食が盛んだったのは南京です。北京を冠している理由は明代の永楽帝が遷都した際、宮廷料理に加えたからというのが定説です。これが16世紀くらいの話で、数百年の時を掛けてじわじわ民間へと広まりました。現代ではちょっとした御馳走くらいの立ち位置で、庶民も口にする機会があるそうです。どうでもいい話ですが、日本で漢字の地名と洋名の組み合わせが定着したのはやはり語感でしょうか。北京鴨、だと悪くは無いんですが、高級な雰囲気は薄れます。というか単なる品種っぽく思えます。漢名は北京の鴨を焼く的な熟語が使われているようです。最近は英語以外も珍しくありませんし、本場風にベイジンカオヤーと呼んで良いのやも知れません。 (・ω・) 家庭で作れないから青椒肉絲みたいにはなれないかしら 【現代の国連加盟国でも一部は諦めてるのに】 岬:独自通貨を作りましょう。 綾:凄まじいことを言い出しましたわ。 岬:びた銭の為に資源を渡すなんて理不尽です。 自国で賄うに越したことはありません。 結:理には適っているんだが。 海:どうすれば叶うか想像できない遠大さだ。 【技術不足で輸入に頼ってた時代だぞ】 綾:一応、鉱物はそれなりに産出しますわ。 舞:よし、掘って溶かして固めるだけだな。 海:図案はどうしてくれようか。 結:柿の実とか渋いし良さげだ。 綾:あまりに過程を放ったらかしていて、 呆れと微笑ましさがごっちゃになっていますの。 【上意下達で何とかなる程度には飼い慣らしてる】 綾:領内に流通させる量は簡単ではありませんの。 数年は掛かると見て良いですわ。 岬:三日後には飽きてる自信があります。 海:もっとすべきことがあるのは理解した。 舞:領民が受け入れるかは別の話だしな。 綾:それに関しては沙汰で強要させますので、 製造よりは楽ですわね。 【加齢説と複数人説が対立するのか】 岬:肖像画を刻印してやろうと思ってたんですけど。 綾:かつてローマ皇帝がしていたと聞きますわ。 結:千年は残るだろうに、大した勇気だ。 舞:良い感じに美化するのだろう。 海:掛け離れた姿を幾つか描いてしまって、 史家を混乱させそうである。 現職の皇帝を硬貨に初めて刻んだのは、かのユリウス・カエサルなのだそうです。それまでは先祖を用いるのが一般的だったのだとか。ちなみにカエサル暗殺記念硬貨なんてのも発行されたそうです。古代ローマ人の悪ノリが凝縮されているというか、中々にぶっ飛んだ帝国ですよね。 暗黒星雲と呼ばれる宇宙用語があります。英名はdark nebulaです。一般的に、星から離れた空間は真空であるという認識の方が多いと思われます。しかし厳密には水素やヘリウムなどの粒子が少しだけ存在します。ある程度の濃度になると星間ガス、または星雲の名を冠します。幾星霜の時を経て凝縮し、星系になることもあります。その中で暗黒星雲は、可視光を放たず、外部からの光もほぼ反射しないものを指す単語です。つまり名前こそ大仰ですが、物質が濃い目でめっちゃ暗い場所を称したに過ぎません。対になるのは散光星雲で、こちらはやや具体的な名称です。定義はあくまで人の目で知覚不能なので、赤外線やラジオ波は発しています。これらは機器を用いての観測が可能です。天の川を見上げると光が不鮮明で、黒く染まっている箇所が散見されます。これが最も手っ取り早く目視できる暗黒星雲とのことです。透過を阻害すると言っても、地球の大気と比べたらとてつもない薄さです。しかし大きさは光年単位で、宇宙らしいスケールになっています。恒星になる可能性を秘めていると考えたら、当然っちゃ当然なんですけどね。 (・ω・) 昭和だと、暗黒星雲からやってきたとかありそう 【君主は心の声を漏らしたら駄目なんじゃ】 公:もしや派閥争いを制せば、立場が固まるのでは。 遊:南蛮にはコロンブスというやつが居てだな。 言うとやるには越えられない壁があるとしたそうだ。 莉:言葉だけの人が格好悪いのは間違いない。 公:ボソッと口にした一言が集中砲火なのは、 さしもの俺も不本意だと言わざるを得ない。 【紙幣はおろか小判すら無い時代である】 莉:人を動かすには、何を求め、何が怖いのかを、 見極めるだけの眼力が必要なんだけど。 公:金をバラ撒いておけば良いんじゃないか。 遊:だから貴様はボンクラなんだ。 公:銅銭を積み上げて首を縦に振らない輩が、 存在するというのが理解しかねる。 【人格の根幹が不安定な連中は脆い】 遊:そういう意味で宗教は強いぞ。 何せ価値観を望む方に誘導できるからな。 公:拝金主義を蔓延させろということか。 莉:金銭から、一度離れようか。 遊:元が商人である以上は無理なのかも知れんが、 一周して信念的な何かを感じなくもない。 【統制しきれないと逆襲されるけど】 莉:だけど民が何を第一に考えてるかって、 国造りの基礎って気もする。 遊:疎かにすると長くはもたん。 公:思想の不一致が揉める根源か。 遊:とはいえ全員を満たすのは難しいから、 少数派に割を食わせる手法が不可欠な訳だ。 日本で始めて大判を鋳造したのは豊臣秀吉であるというのが定説です。しかしこれは実用目的というより、報奨の側面が強かったとされています。後に江戸幕府が通貨を統一するに当たって、大判小判を高額用に割り振りました。とはいえ大判は相変わらず市場に流通するタイプではなかったようです。100万円札とか作られても庶民には使い道がねーよと例えれば、分かりやすいかも知れません。 |
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