2010
ふと思ったどうでもいいこと。例えば、海上自衛隊の船舶の名前って「かしま」とか、「ゆうぎり」とか、ひらがなが主体ですよね。全部は知りませんし、戦前、戦中は漢字でしたけど。この前、壮大な宇宙旅行をしてきた宇宙船も「はやぶさ」ですし。はて、かなは、日本が産んだオリジナル言語だからかしらん。世の中、謎が多いですよねぇ。
( ・ω・) 「かいこうりんね」、だと、流石にちょっと締まらないと思うんだ
「くーくー……」
「えーと、一つ、根本的な質問をしていいですかね」
「どうした?」
「ジュリって、夜にちゃんと寝てますよね?」
「子供だからな」
「今も、グースカ寝てるんですけど」
今の時刻は、一般の人が昼御飯を食べるかどうかといったところだろうと思う。働き詰めでいつ寝てるんだろうって人はたまに見掛けるけど、いつ起きてるんだろうって人は子供とはいえ珍しいと思う。
「飼い猫は、餌を狩る必要が無い為、一日の七割程度を寝て過ごすという」
「猫と同じっていうのもどうなんですか」
モロゾフさんの扱いの全てが、この言葉に凝縮されてる気がしてならない。
「そーいやアリアハンじゃ、『寝ない子はメタルスライムに、寝過ぎる子はバブルスライムになる』って脅し文句があったけど、あれって結局、どういう意味だったのかな?」
「さー、僕にはちょっと」
そもそも、子供の頃から標準的な睡眠時間しか取ってこなかった僕は、余り言われなかったし。単純に、身体が硬くなったり柔らかくなったりするってことなのかな。根拠は分からないけど。
「ん……」
あ、おはよう、ジュリ。
「くかー」
また寝ちゃう訳!?
「朝は、眠い」
ごめんなさい。もう既に、殆ど昼なんです。
「昼と、夕方と、夜も眠い」
むしろ、いつなら眠くないのか言って貰った方が、簡潔で早い気がしてきた。
「そういえば、何か目的があってこっちの大陸に渡ってきたって話でしたよね」
人形云々の話だけをするってのもどうかと思うんで、少し別の話題も挟んでみた。
「うむ、例の特殊素材を通常販路に手に入れることが難しそうなのでな。原産地で直接交渉をしようと思うのだ」
2010
残念ながら、現代選挙の手法は、有権者を相当のバカとみなして行動するのが基本です。まあ、先の参議院選で民主党が負けたのは、それを下回るバカだったからですけど、それはさておいて。
とはいえ、古い政治家先生曰く、最近の有権者か結構、賢くなったそうです。まあ、昔は実弾とか言って普通に袖の下がまかり通ってた訳ですし、そういった意味ではマシになったんですかねぇ。
何が言いたいかといえば、小沢先生は、やっぱり昭和世代、最後の政治家だなぁと、去年の衆議院マニフェストを、ちゃんと実行するとか、もう、大多数が信じてないのに、それをプッシュしてます。只でさえイメージが悪いのに、そりゃ、『菅の方がマシ』とか言われちゃいますよ。
( ・ω・) むしろこれが死滅しない内は、有権者がバカと言われても仕方無いのではないだろうか
「ふーん」
軽く流し読みしてみると、これで中々、興味深い。何しろ、対象があのダメなおじさんなだけに、食わず嫌いで流してきたけど、これも魔法は魔法だ。一つ切っ掛けがあれば、血が騒がない訳が無い。
「人間の魔力じゃ、意志を持たせるまでは難しいけど、自立行動くらいなら――」
試しに、本に書いてある通りにやって、近くにあるペンを動かそうとしてみる。
「あんま反応ないねー。メラでぶっ飛ばした方が速いんじゃないの?」
シスに学術的意義を解させるのも、本当に難しいことなんじゃないだろうか。
「単に慣れてないからなのか、特殊なコツが要るのか、本だけじゃ良く分からないや」
たしか、モロゾフさん達は、まだこの町に滞在していたはずだ。だけど気になるって言っても、あの人に教えを請うのはなぁ。何か、話が明後日にいって、纏まらないような。あれ、でもそれは、シスやアクアさん、トヨ様辺りを相手にしてても、大差無い様な?
「じゃ、今日のところはこれで終わりにしようか」
「ういうい」
シスの相手をしてあげるのって、僕の義務だっけ。本来、盗賊を改心させるのは、神職であるアクアさんの方が適当の様な。でもまあ、アクアさんのお爺さんやトヨ様も神職だってことを考えると、必ずしもそこに拘る必要はない気もして――うん、別に勇者の仕事でも不思議ではないよね。
一見するとどうでも良いようなことでもそれっぽい理屈をつけて自己完結しないと落ち着かない性格を難儀に思いつつ、僕は小高く積まれた魔法書の山を本棚に戻した。
2010
アンチ民主党として、どっちが勝つと面白いのかという視点で物を考えてみる。
菅氏が勝つと、小沢陣営の議員が発狂して面白そうです。今の状況でさえ、色々問題発言して回ってるというのに。
小沢氏が勝つと、支持率超低迷アンド野党の集中砲火で、これはこれで面白そうです。
うーむ、どっちが民主党崩壊に時間が掛からないかと言われると、良く分かりません。まあ、どうあっても、今年度末の予算は通りそうもありませんけど。ここまで来たら、今の内に解散して再編した方が、世のため人のためなんですけどねぇ。
( ・ω・) それでも、保身と己の栄華しか考えないのが、正統派民主党議員というものさ
一応、正論の様なことは言っておくべきかなと思うんだ。
「だって、一人じゃ退屈なんだもーん」
シスを論理的に説得するのと、バラモス退治って、どっちも遜色ないくらいの大望だと思うんだよね。
「まあ、魔法の才能が無いシスが、この書物に何の興味も湧かないのはしょうがないと言えばしょうがない気もするけど」
何か、シスが興味持てて、読み易い本とか置いてないかな。
「これなんかどう。『世界の宝石大図鑑』」
挿絵入りで、分かり易いと思うけど。
「そんなの、現物と色や形なんかが近いだけじゃん。あたしは、本物以外、何の興味も無いし」
義賊のお爺さん。あなたの愛弟子は、大きな夢を持ちつつ、凄まじいまでの現実主義者に育ちました。これが良いことなのかどうか、僕にはちょっと分からないです。
「ん?」
本棚の背表紙を流し見していると、一つ気になる表題が目に入ってきた。
「『人形使い~ドールマスター~読本』?」
人形と聞いて思い出すのは、モロゾフさんとトーマスさんだ。あの人達で初めて知ったに等しいけど、こんな本があるってことは、僕が不勉強なだけだったのかな。
「人形って、あいつかぁ。どーも、あれ、苦手なんだよね。見た目、殆ど人間なのに、気配がまるで無いとか、気持ち悪くて」
相変わらず、普通の人とは違う部分に嫌悪感を感じてるよね。
「人形、ねぇ」
余り深く考えなかったけど、興味深い技術だよね。あのパーティは前衛の盾として使ってるけど、大型量産化すれば、町を守るのに使えそうだし。まあ、モロゾフさんの技術だと、極めて重要な素材がスピル一派の買い占めで入手困難らしいから、すぐさまどうこうは出来ないんだろうけど。
2010
民主党代表選が、真っ当に開催されるのがほぼ確実になったようです。ばんじゃーい。これで民主党分裂も、ほぼ確実ですね。ここまでやったら、プロレス並の遺恨が残るのは、誰の目にも明らかです。
とりあえず去年の衆議院選で民主党に入れた人は、政局よりも経済対策を優先させた麻生元総理に頭を下げる様に。
( ・ω・) まあ、選挙が行われるのが批判対象ってのも、民主党独特の話の気もする訳ですが
「ふむふむ」
ポルトガに帰ってきて、数日が経っていた。僕達は久方振りの纏まった休みを取って、思い思いの時間を過ごしていた。新造船とはいえ、一年もの長い間、酷使してきたということで、ドッグで点検と補修を受けている為だ。船員達も、一年振りの故郷ということで、それぞれの場所に散っている。
アクアさんは、いい機会ということで、ロマリアに里帰りして、僕とシスは居残りだ。僕達もアリアハンに帰っても良かったんだけど、やっぱり心が折れそうになりそうだから見送った。シスの場合、ほとぼりが冷めてるかどうかまだ分かんないって理由なんだけどさ。
今、寝起きしてるのは、いつも通り、場末の安宿だ。クワットさんは泊まっていっても構わないと言ってくれたけど、豪邸過ぎると落ち着かないしね。どうせ昼はぷらぷらして、寝るのと余った時間を過ごすだけの場所だし、大した拘りは無い。
それに、あそこに泊まってたら、隙あらば商売のことを仕込まれそうで、とても気が休まりそうも無いし。
「うーむ」
僕は今、ポルトガ国営の図書館で、魔法書を読み漁っている。最初に来た時は、船をどうするかでドタバタしてて、のんびりと寄る余裕は無かったけど、いい機会だから、読めるだけ読んじゃおうと思うんだ。クワットさんのコネを使って、一般来館者が読めないものも目に出来るし、正直、かなり勉強になる。僕としては、ここらで魔法の方も一つ二つ飛躍したいところだし、今日も今日とて黙々と――。
「ねー。すっごい暇なんだけどー」
はい、図書館では、静かにしましょうね、シス。
「本がそんなに好きじゃないなら、図書館に来なきゃ良いじゃない」
2010
個人的に、小沢氏と拙著、センセーショナル・エレクションの桜井茜は似ていると思っています。何考えてんだかさっぱり分からない選挙屋さん。一番向いてるのは、やっぱり幹事長職でしょうねぇ。裏の取り締まり屋。金とポストで議員を操って、美味しいところを啜ってやるぜ~。
まあ、逆に言えば、こういうタイプが矢面に出てくるようじゃ、もう末期とも言えます。元々、民主党の前の前の代表は小沢氏だった訳ですが、他にいい傀儡が居ない時点で、この結末は遠からず予測されて然るべきだったんですかねぇ。鳩は論外として。
( ・ω・) 茜なら、ここに到るまでに、何かの対策を打つとは思うんだけどねぇ
「つー訳でアレだ。陸に上がって、三十前後の良い女と知り合いになった場合、何を置いても俺に紹介する様に。これは師匠命令だ」
「地味に難しい課題を課してくれますね」
大体、あんま大きな声では言えないけど、普通、三十歳で良い女って言ったら、結婚してる人の方が遥かに多いと思いますよ。或いは、宗教上の理由なんかで結婚しないとか、性格に致命的な問題があるとか。むしろ年上好みの若い人を狙った方が効率的な気がしないでもないくらいで。お師匠さんの恋愛事情なんて、割と本気でどうでも良いんだけど。
「一応言っておくが、二十五以下のガキは興味ねーからな。お前も年食えば分かるだろうが、女は三十過ぎてからだ。それまでは所詮、熟成期間なんだよ」
何だか、剣の手ほどきをしてくれる時よりも、真剣な眼差しで語られてる様な気がしてならない。
「ん……何の話?」
あ、ジュリ。
「このおじさんの話はね。一生の内で一度として役に立つことは無いだろうから、軽く聞き流すのが一番だよ」
「分かった」
「おいこら、そこの不肖の弟子。ガキに何吹き込んでやがる」
「生憎、お師匠さんの発言に関して、剣の技術以外のことは、全部、右耳から左耳へと通り抜けてますので」
「んだと、このぉ!」
お師匠さん、怒りの指導棒を、すんでのところで躱す。うーん、さすがにこれだけの期間、真面目に実戦と修行を繰り返してると、それなりに腕が上がるものだよね。ちょっと前まで、軌道を読み取ることも出来なかったもの。こんなところで成長を実感するっていうのも、それはそれでどうなのかなって、思わなくも無いけどさ。