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 世論調査を見ると、期待する閣僚の一番人気は蓮舫氏なんだそうです。これって、逆に考えたら、誰も民主党の政策には期待してないってことなんじゃないですかね。だって、彼女は政策屋ですらない広報担当と言うか。更にぶっちゃければコンパニオン、レースクイーンと言うか、キャンギャルと言うか。ゲーム会社ですら、美人の広報使う時代に、未だに釣られる人が居るんだなぁと。

( ・ω・) ふわっとしたイメージだけで選挙は勝てるのか、一種の社会実験と化している

「ああ、そこら辺は、適当にやってくれ」
 言って、バーネットさんは中途になっていた鞘作りを再開する。
 邪魔をしてはいけないかなという建前と、どうしたものか分からない本音が交錯して、僕達はとりあえず一礼だけして、鍛冶屋バーネットを後にしたんだ。

「今更だけど、本当に貰っちゃって良かったのかな?」
 店を出て小半刻くらい町を散策した末に、本当に今更な疑問を口にした。
「いーんじゃないのー。剣なんて換金しないなら使ってナンボなんだし。
 剣の方だって、あんなじーさんより、アレクみたいな若者の方が良いって思ってるだろうしさ」
 シスって時たま、発想がオヤジ化することがあって困るよね。
「良き剣は良き鞘を選び、良き僧衣は良き僧を選ぶという言葉もありますわ。きっとイヅナも、アレクさんに出会う時を待っていたのではと思いますの」
 何かこう言われるとアクアさんがちゃんと聖職者に見える辺り、人間って不思議だよね。
「やいやいやい、てめーら」
 不意に、声を掛けられた。
「えーと、どちら様ですか?」
 声の方向を向いてみると、品の良くない青年が二名――あれ、何処かで会ったことあるっけ?
「てめぇ! ジョージの店でのされたのは昨日の話だぞ!」
「ああ、すいません。町のチンピラとか、山賊、海賊の類は、似た様なのが多すぎて、顔を憶えるのを諦めてるもので。
 ほら。頭の容量の無駄遣いじゃないですか」
「こいつ……とぼけた顔のくせに、とんでもなく口が悪いぞ」
 良く言われますけど、気にしないことにしたのです。

 

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 菅首相曰く、『消費税が実際に上がるのは二、三年後で、その時に衆院選もやるから』らしいのですが、そこまで議論を煮詰めた状態になっていれば、衆院選の結果如何に関わらず、上げることが確定している状態の様な。そして民主党はあと三年、解散しないと明言している訳で、結局、この参議院が事実上の信任選挙ってことで、消費税が焦点ってことになりますよね。民主党は、嫌がってますけど。

( ・ω・) 大体、民主党は選挙さえ勝っちまえば、『民意』で押し切るからな!

「だが、その理屈も一理ある。何処まで行っても、俺は俺。誰かの代わりにゃ、なれねぇってことか」
 言葉が、心に突き刺さった。
 僕は勇者の代わりとして、故郷を旅立たされた。トヨ様に言われた通り、今でも尚、兄さんを越えることは難しいという引け目も感じている。それでも、僕は僕なりに勇者としてやっていくと決めたんだから、この道を歩き続けるしかない。
「『イヅナ』は、持っていきな」
「へ?」
 この、予想してない展開があると頓狂な声を漏らしてしまう癖を治したいです。
「言っただろう? てめぇと俺の好みが一致したらくれてやるってな。
 何だかんだ言って、俺の半生はそいつと一緒にあったんだ。もう、カミさんみてぇなもんだよ」
「いやいや、そんな素性だったら、簡単には受け取れませんって。しかも師匠の形見とか、何ですか、その重さ」
「くれるというのであれば、断らないのも礼儀というものですわよ」
 流石は一般的な常識を全て打ち砕く破戒僧のアクアさん。普通、ここは立場上、止める局面でしょうが。
「良いんだよ。今までの俺は、ちと師匠とイヅナに拘りすぎてた。齢六十を間近で伸び代があるとしたら、そいつらから離れたところでしか有り得ねぇ」
「な、成程」
 何となく、勢いに押されて納得した様な気分になっていた。だけど頭の中はこの剣が自分のものになるという事実で混乱していて――次の言葉を構築することが出来なかった。
「で、では、ありがたく頂戴させて頂きます。今はどういった形が適切か分かりませんので、御礼は後日ということで」
 もう完全に事態を飲みきれなくて、何を言っているかも良く分かってないよ。

 

 何だか、各報道機関での世論調査で、菅内閣の支持率が概ね、急落したそうです。まあ、小沢氏の参考人招致すらしない、荒井氏が訳分からない金の使い方をしている、国会閉幕が強引すぎた上、色んな法案を投げ出した、そして何の脈絡もない消費税増税提案と、複数要因ですから、あと三週間あればまだ落ちそうですけどね。
 選挙して生まれた内閣って訳じゃないので、三ヶ月のハネムーン期間は無しってことですか。50%前後って、鳩山内閣だと一月水準くらいだったような。発足二週間でここまで下げるってのも、逆に凄いことに思えてきました。

( ・ω・) こうなったら投票一週間前にまた総理を代えるしかあるまいて

「そいつぁ、俺の師匠が作ったもんだ」
「は?」
 只今、状況を整理中――。
「何て面してやがる。全部、俺が作っただなんて言った憶えはねぇぞ」
 せ、セコイ。頑固な職人がこんな引っ掛けをするだなんて、もう、誰も信じられなくなるよ。
「そいつは、『イヅナ』と言って、形見分けで貰ったもんだ。俺の職人としての半生は、そいつを超える為のものだったと言っていいだろうよ。
 だが、自信作と思っている四本の剣でさえ、遠く及ばねぇ。てめぇみたいなヒョロガキに、一発で見破られるほどにな」
「シス、そんなに違う?」
 自分の感覚を信じきれない辺り、僕ってとことん小市民だなぁって思うよ。
「聞かれなかったから言わなかったけどねー。平たく言って国宝級だと思うよ。このじーさんが悪い奴だったら、間違いなく盗もうって思うくらい」
 さらりと、酷い発言が混じったことについては聞き流すことにして。
「時たま思うんだ。一生を費やし、積み重ねてきた技工の全てを注ぎ込んでも越えられない壁がある。生きるってのは、こんなもんなのかねぇ」
 うーん。こんな重い話題を振られるとは思ってなかったから、どう返していいか分からないや。
「別にいーんじゃないの。そりゃ、市場的な価値とか、武器としての値打ちで見りゃ勝ち目無いかもしんないけどさ。じーさんにしてみれば大事な生きた証でしょ?」
 し、シスが人をフォローしてるとか、明日は天変地異でも起こるんじゃなかろうか。
「へんっ! こんな嬢ちゃんに励まされるたぁ、俺も耄碌したかね」
 弱音を漏らしておいてその言い草もどうなんだろうと思ったけど、名誉の為に黙っておいてあげようと思うんだ。

 日曜日のテレビ討論を幾つか見ましたが、野党系の出演者が声を揃えて、『テレビ討論で充分とか、国会軽視も甚だしい』と語気を荒げていました。当たり前です。つーか、そういうこと言うなら、総理が出て来い、総理が。街頭演説で適当なことくっちゃべってんじゃねぇよと。

( ・ω・) ってか、テレビの方が効果大きいと思うんだが、やっぱり失言を心配してるのかな

 ヒュン。
 風切り音が、耳に届いた。
 うわ、これ、本当に上等な剣だ。始めて手にしたっていうのに、長年慣れ親しんだあの鋳型の剣くらい違和感無く振るうことが出来てるし。
 続け様に、二本目、三本目も同じ様に扱ってみたけど、感想は似た様なものだった。バーネットさん、本当、商売を抜きにすれば良い職人なんだなぁ。世の中、どれだけ埋もれた人材が居るのかと、ちょっとだけ壮大なことを考えてみる。
「で、と」
 四本目の柄を握った瞬間、今までにない感覚が全身を走り抜けた。
 今の、何? まるで身体の器官が一つ増えたみたいだ。切っ先に触れる空気の流れを、指に感じることが出来る。剣を本格的に習い始めて三年以上経つけど、こんなことは今までに無かった。
「はぁ……はぁ……」
 気分の高揚が、吐息に漏れる。や、ヤバいって。これじゃ只の危ない人だよ。
 湧き上がってきた感情を無理矢理に理性で抑え込むと、五本目に手を掛ける。これも悪くない剣だ。だけど四本目の衝撃の強さのせいか、物足りなさを覚えて、すぐさま地面に戻してしまう。
「聞くまでもねぇかも知れねぇが、どれが一番気に入った?」
「この、四本目の、です」
 今までの僕にとって、剣っていうのは最低限の護身具に近かったはずだ。だけど、この剣は違う。剣士として未知の領域に運んでくれそうな、そんな印象さえ受けた。
「これは一体、何なんですか? 明らかに、他の四本とは違いますよね?」
 思ったことを素直に口にしていた。たしか剣の好みが合致したら譲ってくれるって話だった気もするけど、そんなことはどうでもいい。唯、この剣の素性を知りたかった。

 何かもう、民主党の動きが酷すぎて、突っ込む気力も無くなってきたんですが、もしやここまで作戦ではと思う今日この頃。まあ、無いでしょうけど。
 つーか、この期に及んで消費税アップを確定路線にするとか、チャレンジャーですなぁ。挑むべきところで挑むべきだとは思いますが、民主党らしくこっそりやれば良いのに。

( ・ω・) 小沢が押し込められて、統一性が無くなってきたってことかな?

「てめぇに、剣の良し悪しが分かんのか?」
「良し悪しを論ずるにはおこがましいことだと思いますが、好き嫌いなら言えます」
 医者とかもそうだけど、結局、僕みたいな一般人にとって信頼の原点って、好みのレベルの問題だと思うんだよね。シスやアクアさんと旅立ったのだって、そこが出発点だし。
「正直な奴だ」
 言ってバーネットさんは、近くの麻袋から小剣を五本引き抜くと、玄関の土間に突き立てた。
「俺はどうにも商売には徹しきれねぇ性格でな。四十年の職人生活で何本か作れた会心の作は卸しもしねぇで、こうして手元に置いてある」
「もしかして、譲って貰えるんですか?」
「話は最後まで聞け」
 はい、ごめんなさい。先読みしすぎるのが僕の悪いところです。
「こいつの中から、てめぇが一番、好きな剣を選びな。それが俺と一致したらくれてやる。
 但し、助言は無しだ。何だか知らねぇが、そっちの嬢ちゃんからは碌な気配がしやがらねぇ」
「ん?」
 職人道を歩いていると、シスみたいな訳分からない嗅覚を持った人を見抜けるようになるのかしら。まあ、最初から自分で選ぶつもりだったから、別にどうでも良いんだけどさ。
「じゃ、失礼して」
 膝を折ってしゃがみこんで、順に流し見た。一見した限り、どれもかなり良い剣だ。爪に軽く触れただけで薄く削ぎ取れる刃の鋭さと、生半可な衝撃では折れそうもない強靭な刀身。成程、これを会心の作っていうバーネットさんの話は、正しいみたいだね。
「――」
 次いで、左端の一本を引き抜くと、横薙ぎに振るってみる。



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