2010
いきなり秋めいてるってレベルじゃねーぞ。といった感じで涼しすぎます。誰だ、気候管理してる奴。仕事適当すぎやしませんかね。
『やべぇww 暑さスイッチ切るの忘れてたwww 面倒だから軽く冬スイッチ入れとこうwww』って感じです。
( ・ω・) 何も彼岸きっちりに、思い出すこともないじゃない
「じゃあ、あの僧侶は?」
「アクアさん?」
「そう。あの無駄に色気を振り撒いてる、煩悩刺激型破戒僧」
な、何だかさっきから性格が変わりまくってませんか。或いは、ようやく疲れが抜けて目が覚めたのかな。
「アクアさん、ねぇ。うん、まあ、美人だし、色気も多いから、最初はすっごくドギマギしたけど、今はすっかり、近所の美形だけど変わり者のお嬢さんを見る道楽爺さんみたいな感じになってます」
あれ、僕、何を言っちゃってるんだろうか。
「その、アクアって言うのは誰?」
ああそうか。クリスさんは、アクアさんを知らないのか。
「僕の仲間の僧侶です。年齢は多分、クリスさんと同じくらいで、性格という意味では、凄く独特です」
あの人の特徴を簡潔に伝えるに辺り、人間面での解釈を外せないというのは、理解して貰いたいところだと思う。
「美人で、色気があるって話だけど」
「そこって、重要なんですか?」
第一印象として心に残るっていうのは間違いないけど、こう長いこと付き合ってると、そこの部分は割とどうでもよくなってきた。
「私よりも?」
「……」
ん?
「ソコは、そんなに重要な話ナノでしょーか」
うわ。トーマスさん並に、滑舌が酷いことになってるし。
「ふふ、冗談よ。お姉さんの自慢話に、ちょっと嫉妬してみただけだから」
「は、はぁ」
どこの世でも、女の嫉妬は国さえ滅ぼす。今の言葉を額面通り受け取る気はないけど、気には留めておこう。将来、気付かない内に憎愛劇の中心に居て、良く分からない理由で刺されたりするのは御免だからね。
2010
ツンデレってあるじゃないですか、ツンデレ。あれって、正直、デレたら魅力半減というか、大概、キャラクターとしてアウトだと思うんですよ。結局、中途半端なキレキャラと化して、叩かれる温床になると。
今日の格言、『ツンデレは、デレたら負けと、思ってる』。
( ・ω・) しかしこのスペース、話の飛びっぷりがおかしいな
「とりあえず、戻りますか」
この土砂を掘り崩して進むのは、最後の選択肢だ。労力がそもそもバカにならないし、更に崩れてくるかも知れない。ここは、坑道全体を把握するのが先決だ。もしかしたら、他の穴に通じてる場所があるかも知れないしね。
「それが、次善策といったところね」
ま、さっきの場所に戻れば、上からの穴が通じてる訳だし、どうにでもなるよね。僕は呑気に、そんなことを考えていた。
◇
「ねぇ」
戻りの道すがら、今度はジュリが声を掛けてきた。
「どしたのさ」
「アレクって、あの盗賊とどういう関係なの?」
「はい?」
世の中、意外な方向から矢が飛んでくることがあるものだと思う。
「えっと、クリスさんが聞いた訳じゃないですよね」
「そりゃ、まあ、ね」
何しろ、顔の位置も方向も、声質までが違う。聞き違いとするには、ちょっと無理がある。
「シスとの関係、ねぇ」
ジュリがそんなことを聞いてきたことに対する驚きはさておいて、とりあえず真面目に考えてみる。客観的に考えれば、若くして道を踏み外そうとしてる少女盗賊を勇者が保護したって感じになるんだろうか。何しろ、最初の最初に、ウマが合いそうだから旅の道連れにしたってだけだからなぁ。実際、一年半くらい一緒に居るけど、特に大喧嘩したこともないし、直感は当たってたんじゃないかって思う。
「多分、保護者と被保護者、かな。一応言っておくけど、僕が保護者の方ね」
何にしても、無難な回答をしておこう。シスに又聞きされたらふくれっ面になるかも知れないけど、それくらいならいつものことだから、気にしない方向で。
2010
日中関係の話の続き。まあ、さすがにここまで何度と無く煽られると、こちらも免疫が出来てくるというか、中国の国内問題で国民の目を逸らしたいことがあるんだな、と。中国は人口が多すぎて、一万人が怒ってても、全体の比率で見れば微々たるものなんですよねぇ。そもそも、情報が未だにフリーにならない国ですし、事の本質が何処にあるのやら。
( ・ω・) つーか、尖閣諸島が中国領なら、沖縄だって余裕で通るから凄い
僕も何だか、良く分からない話だったなぁ。だって、義理とはいえ、モロゾフさんは父親な訳で。トーマスさんは……何だか分からないけど、家族ではあるって、ジュリも認めてたし。
ま、ジュリにはジュリなりに、譲れない一線みたいなものがあるんだろう。だったら別に、それを無理に壊したりする必要は無いよね。
「あら」
不意に、クリスさんが声を漏らした。前方を凝視して、僕もすぐさま、その理由を把握する。
「あちゃー」
眼前にあったのは、土の壁だった。どうやら、ここもさっきの穴同様、天井から崩れ落ちてきたらしい。唯、決定的な違いは、さっきの穴はかろうじて通路を塞ぎきらなかったけど、ここは完全に埋まってる点だ。ここが出口に繋がってるとすると、かなりまずい状況と言える。
「鉱山って、こんなしょっちゅう崩れ落ちるものなんですかね」
入り際に、危険があっても自己責任である旨を告げた責任者の顔を思い出す。そりゃまあ、モンスターとの戦いならある程度は腹も括れるけど、こういう人災に近い形となると、納得しきれないものもあるなぁ。
「ポルトガって、王国自体が随分と腐敗してるらしいから。ここの鉱山も、鉱夫の都合も考えず、結構な無理をしてるのかも知れないわね」
言葉を選んで、『都合』とか『無理』って言ってるのは分かるけどさ。こんな環境じゃ、ちょっと間違っただけで大怪我で、更に間違っちゃったら死んじゃう訳じゃない。幾らポルトガの主要産業の一つだからって、これは無いと思うんだよ。
「とまあ、言うだけなら只なんだけどねぇ」
憤ってみたところで、その感情だけで世の中を動かせる器量や力がある訳でも無くて。世の中っていうのは、難しいよね。
2010
日中関係がアレなことになっていますが、個人的な印象としては、『わざわざ挑発しておいて、乗ってあげたのに、何でそっちがキレてるん?』的な。ケンカって、一方が無闇に白熱すると、もう一方はどんどん冷めていくと言いますが、そんな感じです。
( ・ω・) 中国政府も、煽りすぎて落とし所が見えて無いってのが真相に近いと思うんだ
「洞窟や、採光の悪い塔なんかに良く入るから思うんだけど、何で周囲を照らす呪文が無いのかしら?
メラなんかだと扱いが難しいし、熱いし、気を食い潰すし、余り効率的とは言えないわ」
「純粋に、光だけを生み出すってことですか?」
「戦闘では目眩ましくらいにしか使えないけど、私達冒険者にとっては、多様性があるものよ」
「は~」
いや、割と本気で感心した。成程、たしかに現代の魔法系統は戦闘の役に立つものが主流で、そういった細かい補助呪文はないがしろにされている。洞窟とかに入るのが少なかったせいか、その発想は無かったよ。
「面白そうなんで、将来の研究課題にさせて貰います。まあ、あくまでこの旅を終えられればですが」
今の僕にとって重要なのが、その戦闘に特化された呪文だっていうのが、ちょっと皮肉というか、残念な話だと思う。
「魔法学者志望なのかしら」
「漠然とした夢の一つってところですが」
「夢があるのは良いことよ」
その言い様に、復讐に身を染めた自嘲を垣間見た気がして、次の言葉を継げなくなってしまう。
「お嬢ちゃんは、何か夢って持ってるのかしら」
「……ん」
そんな僕に気を遣ってくれたのか、クリスさんは話をジュリに振った。
「家族が……欲しい」
「あら、お嫁さんってことかしら。随分とおませさんね」
「……」
その言葉に、ジュリはプルプルと首を振った。
「家族は……家族」
「だから、旦那さんを見付けて一緒に暮らしたいってことでしょ?」
「……」
もう一度、ジュリは首を横に振った。
「家族」
「そ、そう。分かったわ、家族ね」
結局は、クリスさんが折れて、この話題は打ち切りとなった。
2010
今更ながら気付いたこと。民主党新幹事長の岡田氏って、よくよく考えてみれば、郵政選挙の時に大惨敗した代表じゃないですか。代理も枝野氏だし、選挙に関して言えば、負けフラグがビンビンに立ってるような。
( ・ω・) 最近、菅総理ドM説を、若干信じつつあるんだ
「そっち降りようかー?」
「いや、ここも坑道なんだから、どっかに出口があるでしょー。とりあえずは、一回、外に出て合流しよー」
別に、いつまでと期限を切られた仕事じゃないし、明日に跨いだところで大した問題じゃない。そりゃ、早いに越したことは無いけど、ここは安全第一だ。幸い、上の坑道とはほぼ平行みたいだし、今来た方へ進めば外に出られるでしょ。
「りょーかーい。あんま変なことしないでよー」
変なことって何さ。どうにも、シスが言うことは今一つ理解しきれない。
「という訳で、こっち行って、外に出ましょう」
ジュリとクリスさんにとっても、この提案を拒否する理由は無い訳で。僕達は、一旦の離脱を目指して、歩を進めることになった。
◇
「ねぇ」
「はい?」
道すがら、今度質問してきたのはクリスさんだった。
「あなた、結構、魔法使えるでしょ」
「どうしてそう思うんです?」
質問に対して質問で返すのはどうかと思うけど、まあ、これで質問権的なものを相殺したってことで。
「その腰の剣がそれなりの品だっていうのはさておいて、身体の使い方から言って、腕そのものは甘めに見ても中程度だもの。だというのに、年齢に見合わないその落ち着いた物腰。他の部分に、相当の自信があると見るのが妥当だわ」
落ち着いてるかどうかはともかく、こののんびりとした性格は生来のものです。自信云々は余り関係ありません。
ってか、僕の動きを見ただけで剣の腕まで推察できるって、クリスさんってひょっとしてかなりの達人なんだろうか。
「でも、松明を使うのよね」
「……」
ん? 何の話?