スカウターってあるじゃないですか、スカウター。ドラゴンボール世界の、戦闘力を測れる便利グッズ。あれって、測量限界を超えると、ボンッとか言って壊れる仕様になってますけど、何であれを作った科学者はそんな設計にしたんですかね。いや、エラー表示にすれば済むはずなのに、どういった理由で物理的に粉砕してしまうのか。機密保持でしょうか。でも、旧型スカウターでさえ、測れなくなる限界点は二万オーバー……宇宙に数える程しか居ないというのに、わざわざそんな想定をするものなのでしょうか。やはりここには、何か深い理由が隠されてると考えるのが妥当だと思う次第です。
( ・ω・) 貴様一体、何を真面目に語ってやがるという反応は常識的です
やれやれ。クワットさんの奥さんもそうだったけど、あのほわほわぼけぼけした空気を持った人がお嫁さんとお母さんをやってるって、凄い世界だよなぁ。うちの母さんも、若干、その気が無いとは言い切れないけどさ。
あれ、そういえば、アクアさんが所属するアリスト派って、女性僧侶の結婚、出来たっけ。え、記憶が定かじゃないからあれなんだけど、アクアさんがあの立ち位置に収まる可能性がある訳? うーわ、世の中、気付くべきではない真理っていうものが、そこら辺に転がってるものなのやも知れないね。
◇
「ここが、お住まいですか?」
「ああ、そうだ」
三人に連れられてやってきたのは、村の中心地からは少し外れた、森の入り口に程近い場所にある一軒家だった。一言で言うと、丸太で組まれた、普通の小屋って感じだ。ああ、そうか。大きさは違うけど、この親父さんのお父さんが暮らしてたほったて小屋に、ちょっと似てるかも知れない。やっぱり奥さんがエルフで、旦那さんが人間という特殊な家庭事情だと、森の近くで自然に囲まれつつ、人間らしい生活もしたいという妥協点として、こういったものになるのも必然の流れなのかもね。
「うーん、あんま金目のものの匂いはしないなぁ」
さりげなく、シスがとんでもなく失礼なことを言ってる気もするけど、もうここまで来たら失礼合戦で、行くところまで行っちゃってもいいと思うんだよ。
「アレク君、だったか。済まないが、少し薪割りを手伝って貰っていいかね」
「あ、はい」
特に大した御礼が出来そうもない状況で泊めて貰うんだし、お手伝いくらいはむしろ進んでやりますよ。
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