【一生ものの不覚】
黄:日本式の正座は嫌いなんだよぉ。
朱:わ、私もです~。
月:そういう時は、こう、足首を直角にして、膝を立てれば良し。
黄:……。
朱:い、今、黄龍さんの関節から、
聞こえてはならない異音を感知した気がしてなりません~。
黄:一瞬とはいえ、月読の言うことを間に受け、実行してしまうとは、
確実に、人生の汚点として処理されるべき事案なんだよぉ。
【場外から白熱】
櫛:茶道の本質はもてなしの心ですから、
形式に拘る必要はありませんのよ。
黄:足首を痛める前に言って欲しかったんだよぉ。
月:闘茶の基本は、騙す騙されるの、ピリピリとした緊張感。
口車に乗った方が負け。
黄:それで結果として喉が潤ったとしても、
心が乾いてしまったら意味がないと思われるんだよぉ。
【和なのに和まない】
朱:お、美味しいお茶ですね~。
櫛:朱雀さんは苦味が苦手そうですから、
お湯の温度を低めで煎れてみましたの。
黄:これぞ、もてなしの心なんだよぉ。
月:まあ身内でなかったら、『この媚び媚び野郎め』と罵っているところだが。
黄:時たま、月読は本当に日本の神様なのかと、
本気で悩んでしまうのは、困ったものだと思うんだよぉ。
【心当たりは無限大】
月:しかし思った。
黄:今度はどうしたんだよぉ。
月:私は、櫛名田の小姑。
黄:それがどうしたんだよぉ。
月:立場的に考えて、
私の茶に唐辛子汁でも混ぜておくのが正しい立場ではなかろうか。
黄:そんな陰湿な嫌がらせを受ける程のことをしているのか、
今なら許してくれるかも知れないから、全てを吐きやがれなんだよぉ。
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