2011
日本政府というものを、大雑把に上場企業に例えると、総理はサラリーマン上がりの社長、大臣が重役、そして国会議員、国民が株主といったところでしょうか。株主として多数派なのは国会議員ですが、国民もそれなりの比率を持っているので無視出来ません。その上、大株主である国会議員の権利を定期的に剥奪する力を持つのが国民なのですから、普通の企業でしたらかなり気を遣わないといけないお客様のはずなんです。ええ、普通は。
何で、ここ数十年、国会議員があそこまで増長したかと言えば、結局のところ、ひとえに国民がアホで浅はかだからに他ならない訳で。身銭を切ってる一般投資家の必死さを、見習うべきだとは思うんですよね。つーか、税金取られてる上に、生命と財産の安全保障も形式上されてる訳ですから、そんなもんじゃ済まない気もしますけど。
( ・ω・) まあ、一般投資家にも、括弧笑いをつけたいアホが居る事実は否みませんが
「という訳で、夢の怖さも薄れたから、大体満足。思う存分、寝るが良い」
「うん、それじゃ、お休みなさい」
ふむ。今回の会話で分かったこと。やっぱり、シルビーさんは良く分からない。分からないことが分かるって、何だかちょっと哲学的ですらあるよね。
◇
夢を見た。
兄さん、姉さんと一緒に無邪気に遊びあっていた、あの頃の夢だ。
三人で、一緒に居ることを何の疑問にも思わなかった。今ではみんなバラバラになっていて、在りし日の思い出が、際立って素晴らしいものに思えた。
「ん?」
不意に、世界が揺らいだように思えた。そりゃまあ、夢なんだから、何が起こってもおかしくないっちゃおかしくないけど、何だかこの感じ、前にもあったことが――。
『ザメハ』
「ギャッ!?」
覚醒呪文ザメハは、本当に目だけはすぐさまパッチリ覚めるけど、精神への衝撃具合が半端ない。専門外だから如何ともしがたいけど、僧侶系統呪文の研究者は、もう少しそこのところの実用性を考えて改良して欲しいと切に願う。
「起きた起きた」
目を開けてみると、シスとアクアさん、そしてシルビーさんが並んでいた。
「何があったの?」
「それが分からないから起こしましたの」
2011
昨日の話の続き。まあ、人生のセーブアンドリセットシステムは色々と取り沙汰されてますが、羽柴秀吉の人生は、これを活用したとしか思えない上り詰めっぷりだと思うんですよ。晩年の迷妄っぷりは、モチベーションの低下で、やり直すの面倒になったということで纏まっています。
( ・ω・) 尚、俺はこのシステムを搭載していても天下人に上り詰める自信はない
「まあ、嫉妬の炎を燃え上がらせるのはこれくらいにして」
そうして下さい。半ば時間潰しって言っても、話に発展性が無いので。
「不本意ながら、クレインとリオールが私を上回る才を持っていたのは事実。となると、やはり不可解なのは、その様な能力の持ち主を集めて一体、どうしようと――」
「それは僕も考えたんだけど、サッパリで」
結局のところ、動いて情報を集めないと、こっちとしても手の打ち方が思いつかない。
「もしやバラモスというやつは、老若を問わず、人間の男が好きなのではないかと――」
「無いと思うけどね」
たしかに、今のところ囚われてるらしいのはメロニーヤ様、クレイン、リオール君と、男ばっかりだけど、だったらもうちょっと世間的に男性限定の失踪事件が起きていても良い訳で。少なくても、僕達が巡った地方ではそんな噂、欠片も聞いたことないから、やっぱりこの線は無いよね。
「ありがとう」
「はい?」
いきなり謝辞を口にされたものの、それが何に対してのものか分からず、頓狂な声を漏らしてしまった。
「恐らく、ここ以外に飛ばされていたら、何をしていいものか判断できず、頭に血がのぼったまま、ネクロゴンドに乗り込み、すぐさま返り討ちにあったはず。それは犬死にに他ならず、私の生を否定するものだった」
「ん。まあ、そんなにかしこまらないでよ。僕としては、僕が思ったことを言っただけだから」
向き不向きはあるにせよ、魔法使いたる者、感情に溺れず、理で以ってことに立ち向かわないといけない。諭す様に言ってしまったけど、これは自分自身に対して言った部分もあるんだからさ。
2011
変な夢見たぞ、フルァ、シリーズ。
シチュエーション、どっかの屋敷で何か命を狙われる俺。その屋敷を脱出する為のスペクタクルアクション。何度死んでも、自分の好きなところからやり直せる、ゲーム世代らしい設定だ。但し、死ぬ時の痛みと恐怖はきっちり引き継いでるぞ。精神が崩壊するのと脱出できるの、どちらが先かな。
何これ、俺の脳内、怖い。どういう経緯を経て、こんな訳分からないビジョンを映像化したんですか。
( ・ω・) 尚、俺のその後については、全く憶えていない
未だ賢者として完成に程遠そうなリオール君が数に入っているっぽいだけに、あまり年齢は関係無さそうな気がする。
「あ、そういう観点では、ジュリも無いとは言い切れないかも」
「又、新たな名前が」
「知り合いの、人形使いの女の子。年齢的にはトヨ様と同じくらいだけど、純粋な魔法の才能はちょっと下かな」
方向性も、ちょっと違うしね。度合いについては、どれくらいのものかまでは良く分からないけど。
「何でこう、ポコポコと。
ええい、前師匠め。私達姉妹を、『知り得る限り屈指の才能の持ち主』などと言ってたのはやる気にさせる為だったな」
「それも師匠としての選択肢だと思うけどね。ってか、人間、両手両足全部揃ってれば、二十本ある訳だから、そこまで無茶でも無いんじゃない?」
「その屁理屈の方が、よっぽどの無茶」
「或いは、その師匠の交友関係が、意外と狭かった可能性も」
「……」
「ん?」
「それが無いと言えない辺りが、元弟子としては情けない」
魔法屋っていうのは半分研究職だから、部屋に閉じこもっちゃう人が多いのは、構造的にしょうがないとは思う。半ば強制的だったと言っても、僕はこうして世界を見て回ってる訳だから、そういう意味では良いことなのかも知れないね。
「師匠……師匠が思うより、世界は広うございました。シルビーはこれで心置きなく、あなた様に対してお暇と叩き付けることが出来まする」
いや、仮に技術的に学ぶべきことが無くなっても、人として敬意だけは示しておこうよ。人間的なことに関しては、最初から諦めろっていう話もあるけどさ。
2011
最近、少し戦国時代を勉強してるのですが、参謀、軍師と呼ばれる奴らの容赦無いこと。やっぱり、血で血を洗う時代じゃ、人格者なんてものは存在しないんですね。半兵衛も思ったより極悪エピありますし、義と愛の人、直江兼続って、もはやギャグだろうと。
( ・ω・) 桜井姉妹のキャラ設定は間違ってないと、確信した私であった
「ジパング……ああ、そういえば、若年の者が事実上の領主になったと、風の噂には聞いている」
「あそこは、基本的に宗教国家だからね。宗教組織のトップが、実質的に領地経営の類もやるみたい」
「して、その偉い人が如何した」
如何したと言われると、端的に纏められなくて少し困る。ちょっと待って。少し、話す順番を纏めるから。
「さっきも触れた通り、僕が知る限り、魔法の才能という観点で優れてるのは、クレインとトヨ様になります」
「ちなみに、その人の年齢は?」
「そこ、気にするところ?」
「良いから」
居るよね、こういう一つ二つの年齢差を妙に気にして勝った負けた言う人。
「一年ちょっと前に数えで十一って聞いたから……今は満年齢で十一かな? いや、誕生日知らないから、正確には不明ですけど、そんなもんでしょう。中身はもうちょっと大人びてるというか、達観してる部分がありますけど」
「十一……リオールよりも、年下だと?」
「あくまで才能の話ですし、どちらかって言うと、占術とかの方が得意みたいなんで、そう対抗意識を燃やすのもどうかと」
「うるさい、こうポンポカ年下に追い抜かれていく苦悩が、貴様に分かるか」
いや、リオール君とトヨ様に関しては僕にとっても年下だし、そもそも、生まれ持った魔法の才能で何をするかが大事であって、単純な力比べでどうこう言ってるのはどうなんでしょうね。
「何にしても、そのクレインと比肩する程のトヨ様ですから、魔王軍に狙われててもおかしくは無いなぁと思い至った訳です」
2011
2011年現在、細かい小島なんかの小競り合いは大概の国にはありますが、大規模な土地で領土が確定していないのは南極大陸だけです。しかしまあ、当然のことながら、今のところ、この南極というやつは、定住には適さず、端っこに研究者や、各国の関係者が交代交代で陣取ってるだけです。とはいえ、将来的には氷が殆ど溶けることとなり、頑張れば住めて、資源も掘れる時代が来るかも知れない訳で、北極海下の資源同様、しばらくは揉めることになるとは思います。
と、言葉にすると簡単ですが、最終的にどうやって決める気ですかね。大国同士の武力行使が難しい世界情勢で、ドンパチやって境界線を決めるって展開もないでしょうし、話し合いなんて100年経ってもケリつかないでしょうし。結局のところ、300年後も揉めてそうな気はしますが。世界市民を称する、自称無国籍人が住み着く可能性も、考えられなくもないですが。
( ・ω・) ある意味、それが一番、平和って説もある
「父があの偉大な大賢者だという事実を受け入れられなかったのか、しばらくの間、悶々としていた様な気はする。まあ、あのムッツリさんのこと、素人目には判別が難しいのだけれど」
可哀想なリオール君。強く生きろよ。
「しかしまあ、私とは正式に姉弟となった訳で。貴様も安穏とその才能に身を任せていると、すぐさま奴に追い抜かれるぞ」
「賢者の才を持ち合わせている時点で、僕の負けって気もしますけどね」
僕も、基本的な回復呪文は使えない訳じゃないけど、正直なところ、もう天井が見えてる気はする。若い身空で何を言っていると思う人も居るかも知れないけど、魔法の才能は、足の速さや算術に通じるものがあって、頂点に達するのは、せいぜいが青年と呼ばれる年齢辺りっていうのが一般的だ。もちろん、経験や熟達した技術が有用なことも事実だから、その頂点を過ぎた途端に魔術戦闘屋としての能力が落ちる一方って訳でもないけど、少なくても僕の僧侶系統の能力は、専門家には遠く及びそうもない。
「僕が今まで見てきた中で一番の魔法の才能を持ってるって言ったら、やっぱりクレインかトヨ様――」
ん? 何か、凄く気にすべきことが無かった、今?
「トヨ様!?」
深夜で、皆、寝付いてるにも関わらず、大声を出してしまいそうになった。
「出来ることなら、静かにした方が」
ええ、ですから、口から漏れ掛かった言葉を、無理矢理に押し留めたんですよ。お陰で、ちょっと喉が痛いですけど。
「それで、そのトヨ様というのは、ナニモノ?」
「ヒミコ亡き今、ジパングで一番偉い人です」
とりあえず、分かり易い肩書きから入ってみた。