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2011

0822

 民主党代表選まであと一週間なのだそうですが、あいつら、ちゃんと政策論争やってんのか。まあ、政策に対する信念なんて、変な方向にしかない連中ですので、やってないことは知ってますが。今更ですけど、こんな滑稽な話も無いですよね。党内の政策論争をする為の代表選が、数合わせの力比べになっているという。それは自民党も同じな訳ですが。
 政党政治じゃないと民主主義は機能しないけど、政党政治のせいで民主主義の本質が曖昧になるって、何かちょっと禅問答の領域ですよね。

( ・ω・) もう、国会議員は15人くらいに絞って、半独裁政治にした方がマシなんじゃないか?

 言ってクリスさんは、やや白みかけている東の空を見遣った。
「私の師、ケインズが目指していたのは、剣を通じて精神を高次元化すること――戦いの為の技術はあくまでも二次的なもので、本来の目的では無かった。だけど、こんな時代ではそっちの方が重要視される訳で。師の本懐を達成させるには、まずは世界の有り様を変えないといけないって結論になったのよ」
「へー」
「何よ、その感嘆は」
「若いのに、ちゃんと物を考えてるんだなぁって」
「バカにしてる訳?」
 たしかに、年下であろう僕が言うことじゃないんだけどさ。
「いや、さ。これで意外と、戦う目的を明確にするって大変じゃない」
 僕の場合、旅立つことだけを先行させて決めたこともあって、アリアハンを出た頃はまだ、その部分が曖昧なままで――ジパングでトウカ姉さんと再会して、ようやく意義を見出せたように思う。トヨ様に説教されたのも含めてだけど、あの頃までは本当に、兄さんの代替品の意識が強かったもの。
「という訳だから、私も仲間に入れて貰うわよ」
「はい?」
 又しても来ましたよ。若干どころじゃない、理解に苦しむ発言が。
「あなた達は、バラモスを倒す為の旅をしているのでしょう? だったら仲間は、多いに越したことはないと思うけど」

 

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2011

0821

 ここ数日、雨の影響ですっかり涼しいですけど、みなさん、体調を崩されたりしていないでしょうか。このまま秋になれば良いのになぁとは思ってたりもしますが。いいじゃないか。もう八月下旬なんだし、そんな暑くなくたって。まあ、奴らは虎視眈々と逆襲を狙ってますからね。慌てて夏服を片付けることの無いように。

( ・ω・) お前は誰と戦ってるんだと言われると、私にもちょっと分からない

「大した、執念で」
 この状況で軽口を言えるのは、胆力なのか、頭の線が足りないだけなのか、僕にはちょっと良く分からない。
「ま、そのことについては私にも色々と思うことがあってね」
 そう言うと、クリスさんは剣をひいて、腰の鞘へと収めてしまう。
「あ、あれ?」
 あんまりにもあっさりと引っ込められたもんで、こっちとしても呆気に取られちゃったよ。
「えっと、そもそも、何で剣をつきつけてきた訳?」
 本気で斬ってくるとはあんま考えてなかったけど、金属刃の冷たさと、本気の目は、僕の魂を揺さぶるには充分だった。
「何となく、かしら」
「……」
 凄い理由も、あったもんだと思う。
「よくよく考えてみたら、あなた達に、私の手助けをしなきゃならない義理も無い訳だしね。そりゃ、こっちとしたら何が何でも聞きたい気持ちもあるんだけど、そっちにはそっちの事情があるんだし、実際のところ、こんなことする必要も無かったとも思ってるわ」
「そういうのは、もう少し考えてから行動していただければ幸いかと存じます」
 僕が言っていいことなのかは知らないけどさ。
「ずっとね、考えてはいたのよ。ヤマタノオロチを殺すことが、本当に仇討ちになるのか、ってね」

2011

0820

 代表選といえば、いわゆる小沢票の動向が話題となっていますが、こいつら逆にすげーよな。何でこの期に及んで、小沢氏の決定についていけるんだろう。まあ、親戚やら何やらが、関連の利権を貪ってるからでしょうけど。見ように依っては麗しい忠誠心に見えないこともないですが、私の中で忠義心とは歯向かわないことではなく、過ちを犯した主君に耳の痛い諫言を出来ることなので、単なるイヌ扱いになっています。中国共産党って、歴史的にイヌが一番出世するよね!

( ・ω・) だから割と本気で、近々中共は滅びると思ってる私

「迂闊だったわ。これでも幼い頃から貴族達の醜い宮廷政治を見てきて、人を見る目はそれなりのものだと自負してきたというのに、あの沈黙を読み違えるなんて」
「まあ、これでも純情な一庶民ですので、ちょっと挙動が違うんでしょう。もう少し、下々の者のことを学ばれたら如何かと」
「軽口を叩ける立場だったかしら」
 ゴメンナサイ。ちょっと調子に乗りました。
「それで、あの時は何で口籠ったのかしら?」
「……」
 言い回しを選ぶのに、又しても沈黙してしまう。
「僕の大事な人が、深く関わってるから」
 ようやく搾り出した言葉が、これだった。洞窟の奥がどうとか言うと飛んでいってしまいそうで、口にすることは出来なかった。
「クリスさんは、どうして僕がそのことを知ってるって気付いたの?」
「この剣を鍛えた人がジパングの出身でね。事実上の国主であるトヨ様と懇意にされてるらしくて、色々と話を聞いたらしいわ」
 あの人は何をしちゃってるのかなぁ。いや、多分、情報を集める一環だったんだろうから、そんなに責められることでも無いんだけどさ。
「で、その後は、情報を集めて、キメラの翼で追ってきたって訳。この辺は、まだ小さかった頃に父達と来たことがあったしね」

2011

0819

 民主党代表選が煮詰まってきたのか、グダグダ感を増しているのかは良く分かりませんが、何はともあれ、選挙無しで、三代目の総理が誕生する訳ですね。ふーん、お前らが三年、四年前に言ってた、『民意無しの総理禅譲とは何事か』って……アホらしくて、一々、突っ込む気にもなれませんが。
 ともあれ、今回の代表選は、サポーター不参加なんでしょうか。それよりも、前回の『ノーサイドォォォ』に匹敵する名言だけを、期待したい所存であります。

( ・ω・) この状況で総理をやりたい奴って、アホなのかドMなのか、よく分からん

「あ、あのー、これは一体、どういうことでしょうか」
 又しても、頭の方がついていかないのですが。
「あなた、私に言うべきことがあるんじゃないかしら?」
「え、えーと、この度は、お助け頂き、ありがとうございました」
「それで、本当に後悔しないわね?」
 い、いえ、一つ、心当たりがあると言えばあるのですが、口にするかどうかは、検討中な次第でありまして。 
「ふむふむ。これが世に言う、修羅場という奴か」
 はい、シルビーさん。事情を全く知らないのに適当なことを言うのはやめましょう。たしかに、修羅場っちゃ修羅場だけど、シルビーさんが期待してる方向性とは、全く、関係が無いんだからね。
「私の旅の目的は、前に話したわよね?」
「ケインズ翁の仇を討つ為、だったかと」
「その仇の名前は?」
「ヤマタノ、オロリ」
 わ、わ。思いっきり動揺して、ちゃんと発音できてないし。
「何か、心当たりは」
「あり、ます」
 ここまで来ると、しらばっくれることが出来なかった。剣をつきつけられて脅迫されているのも一因だけど、何よりも気迫に押された格好だ。仇討ちが正しい生き方か、僕には分からないけど、一命を賭している覚悟だけは伝わってきた。

2011

0818

 隣国中国のキャッチフレーズに、『中国四千年の歴史』というものがあります。唯まあ、この数字、三千になったり、五千になったり、すげー曖昧なのは御存知の通りです。そして、ふと思う。歴史というか、文明の起点の定義って何なのさ? 人が、ある程度以上、集団生活したてたら文明? 一次産業に携わってない人の比率が、一定を超えたら? 火や車輪、言語といった、現代にも通じる、それっぽいものが使用されていたら? 大雑把に、中央の政局で何があったか知られていたら? もう、何が何やら訳分からん。考古学界では、ちゃんと定義されてるのかしら。
 日本の政治的動向を把握してるという意味での歴史は、千四、五百年といったところでしょうけどね。正直、古墳時代以前は、曖昧な部分が多すぎると思うんだ。

( ・ω・) そういう意味で、中国の歴史も三千年程度が妥当ではなかろうか

『ヒャダイン』
『ヒャダイン』
『ヒャダイーン』
 向こう側では、シルビーさんが解き放たれたかの様に氷系魔法を連発していた。幾ら厄介なスカイドラゴンが居なくなったからって、あれはやりすぎじゃなかろうか。何だか、只の憂さ晴らしに見えないこともない。
「さて、と」
 部隊の中枢であるエビルマージとスカイドラゴンを欠き、戦況は一方的なものへと変わっていた。もう、無理することもないかな。残党退治はあっちに任せて、僕は左肩の回復に専念しよう。ああ、痛かった。
「ま、こんなとこかな」
 蜘蛛の子を散らすようにして魔物達を追い払った三人は、僕達の方へと歩み寄ってきた。
「ふぅ、良い仕事をした」
 合流早々、自分では中々、言えないことを平然と言えるのが、この人達の怖いところです。
「この方は、どちら様ですの?」
 ああ、そういえば、アクアさんはクリスさんと面識無かったっけ。
「前に、話だけはしたと思うけど、ポルトガでお世話になったクリスさん。大剣豪ケインズ翁の弟子で、公女様なんだって」
「良く似てるとは、言われるわね」
 その形式は、崩さないんだ。
「それで、ね」
 そう、一言だけ口にすると、クリスさんは剣の刃を、僕の首筋につきつけてきた。

 


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