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 隣国中国のキャッチフレーズに、『中国四千年の歴史』というものがあります。唯まあ、この数字、三千になったり、五千になったり、すげー曖昧なのは御存知の通りです。そして、ふと思う。歴史というか、文明の起点の定義って何なのさ? 人が、ある程度以上、集団生活したてたら文明? 一次産業に携わってない人の比率が、一定を超えたら? 火や車輪、言語といった、現代にも通じる、それっぽいものが使用されていたら? 大雑把に、中央の政局で何があったか知られていたら? もう、何が何やら訳分からん。考古学界では、ちゃんと定義されてるのかしら。
 日本の政治的動向を把握してるという意味での歴史は、千四、五百年といったところでしょうけどね。正直、古墳時代以前は、曖昧な部分が多すぎると思うんだ。

( ・ω・) そういう意味で、中国の歴史も三千年程度が妥当ではなかろうか

『ヒャダイン』
『ヒャダイン』
『ヒャダイーン』
 向こう側では、シルビーさんが解き放たれたかの様に氷系魔法を連発していた。幾ら厄介なスカイドラゴンが居なくなったからって、あれはやりすぎじゃなかろうか。何だか、只の憂さ晴らしに見えないこともない。
「さて、と」
 部隊の中枢であるエビルマージとスカイドラゴンを欠き、戦況は一方的なものへと変わっていた。もう、無理することもないかな。残党退治はあっちに任せて、僕は左肩の回復に専念しよう。ああ、痛かった。
「ま、こんなとこかな」
 蜘蛛の子を散らすようにして魔物達を追い払った三人は、僕達の方へと歩み寄ってきた。
「ふぅ、良い仕事をした」
 合流早々、自分では中々、言えないことを平然と言えるのが、この人達の怖いところです。
「この方は、どちら様ですの?」
 ああ、そういえば、アクアさんはクリスさんと面識無かったっけ。
「前に、話だけはしたと思うけど、ポルトガでお世話になったクリスさん。大剣豪ケインズ翁の弟子で、公女様なんだって」
「良く似てるとは、言われるわね」
 その形式は、崩さないんだ。
「それで、ね」
 そう、一言だけ口にすると、クリスさんは剣の刃を、僕の首筋につきつけてきた。

 


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