にゃにゃにゃおーん。-keighさんに、桜井岬さんを描いて頂きました。猫耳でも良かったそうなんですが、寅年だから虎耳なんだそうです。
まあ、あれですね。虎には動物園以外で会ったことありませんが、多分、でっかい猫という認識で合ってると思うんですよ、遠目に見る限り。唯、体重200kgとかあるからじゃれられるだけで命懸けというか、マジギレされたら死ぬというか。体重5kgくらいしかない猫ならともかく、人間とそんなに変わらないヒョウと素手で戦って勝てる気しませんし。何が言いたいって、見た目に騙されんな。この虎っ娘は、にっこり笑ってとんでもない毒を吐くぞ、と。
( ・ω・) むしろそっちの方が良いという、病んだ患者もここに存在する
ここは人間社会が生み出した最終兵器、問題先送りでお茶を濁しておこうよ。余り長居すると、村人達の反感を買うかも知れないしさ。
「私も、目的は達せたし異存は無いわ。一刻も早く、鍛冶屋にヒヒイロカネを渡したいしね」
「そうだな。俺達も次なる目的地への準備をしたいところだ」
この状況で、何事も無く話を進められるモロゾフさんの精神構造も、少し羨ましい。
「ああ、そうそう、村長」
「は、はい?」
立ち去り際、クリスさんが声を掛けた。
「好き勝手やってる私が、敢えてルドヴェン侯の所業を断罪しようだなんて言わないけどね。一冒険者として、謎の失踪なんてことが起こるようだったら、ことを大きくせざるを得ないとだけ言っておくわよ」
「へ、へぇ、そこのところは、重々理解させて頂きました」
そう言えば、根本的に鉱山の体質が治った訳でも何でも無かったんだっけ。まあ、ここまで脅しておけば、当面は大丈夫かな。城下町に帰ったら、クワットさんにも一声掛けておいた方がいいかも知れない。むしろ腐敗貴族を叩きのめしたい人だから、嬉々として重箱の隅をつつきそうな気がしないでもないけどね。
◇
「それじゃ、お疲れ様でした」
大きな街道に差し掛かったところで、僕はクリスさんにそう声を掛けた。クリスさんが目指す刀鍛冶が居る方向は、ポルトガ城下から見れば真逆の方向にあるから、ここでお別れだ。アクアさんと会わせてあげられなかったのは残念だけど、素性は知っちゃったし、同じ旅人だ。生きてさえいれば、いつか又、会えるんじゃないかな。
「結構、面白かったわよ。心残りというか、あのモグラがどうなるかは気になるけど、うまいこと生き延びて欲しいものね」
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