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 よし、今度は世界史三大事変――無理、絶対無理。そもそも私、世界史詳しい訳じゃないですし。局所局所を多少知ってるってくらいで、ざっと考えるだけで頭がパンクします。まあ、それでも、原子爆弾の発明は、今までなかった、余りに強力すぎる兵器ゆえの膠着状態という意味で、三つには入る気がしないでもないんですが。

( ・ω・) 唯、現在進行形の話なので、あっさり崩れる可能性も無い訳じゃない

「……」
 うっすらとだけ灯されたランプの炎を見遣りながら、ぼんやりと時が流れるのを待つ。あれから、もう一刻は過ぎただろうか。二年も旅はしているけれど、暗闇の中での軒の流れは、本当に曖昧だ。ネジを巻くだけでかなり正確に時を刻む時計はあるものの、本物ともなると家が買えるんじゃないかってくらいの値段だし、懐に入れて戦闘なんかしたらすぐさま壊れそうだから、持ち合わせていない。だから結局、交代時間は月の傾きを参考にするか、曇りの時なんかは全くの勘で交代時間を推し量るしかない。だから、最後の一人は、起きたと思ったら、東の空がうっすら明るくなってたり、逆に他の人の倍くらいの割り当てになったりだったりするのが実情だ。季節に依って夜の時間も違うし、案外、そこら辺は大雑把だったりするんだよね。
「ん……」
 不意に、横で寝入っているシルビーさんが、寝返りを打った。完全に熟睡しているその様から見て、さっきの言葉はやっぱり強がりだったのかな。こりゃ、僕の見張り時間を、少し長めにしよう――。
「……」
「……」
 唐突に両目がパッチリと開いて、互いの視線が同一線上に並んだ。どうしよう。割と本気で、気まずいんですけど。
「やぁ、おはよう」
「第一声に誤りがあるとか、考えたことって無いですよね」
 どうにも、僕の周りに寄ってくる方々は、頭の配線に難がある様な気がしてならない。これを、類が友を呼ぶと認めようとしない僕も僕なのかも知れないけどさ。
「交代の時間なら、まだ大分ありますから、寝てていいですよ」

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 以前、二十世紀三大発明を纏めようとして、三つで収まる訳ねーだろと投げっぱなしたことがありましたが、今日は日本史三大事変を纏めましょう。大化の改新、平城京遷都、平安京遷都、藤原氏の台頭、源平武家時代の到来、北条氏台頭、南北朝時代到来、日本史最高権力者足利義満、元冦襲来、応仁の乱、信長上洛、本能寺の変、関白秀吉、関ヶ原の戦い、黒船来襲、明治維新、日清日露戦争、満州事変、太平洋戦争突入そして敗戦、超高度経済成長、バブル経済そして崩壊……纏まるか! 大分、適当に並べていったんで、重要なものが抜け落ちてたり、順序が変だったりもしますが、そんな深く考えないで下さい。しかし三つとなるとねぇ。まあ、個人的意見としては、黒船襲来は入れて良いかなと思います。武士の時代が終わって、欧米化を推し進めた最大の切っ掛けですし。後は、公家支配から武家支配へと移った、平家の台頭から源平合戦の流れでしょうか。後一つとなると……軍事体制の終焉となった終戦か、天皇家が政治の中心に座った大化の改新か……日本史という観点から見れば、大化の改新ですかね。よし、俺的、日本史三大転換点は、この三つで。

( ・ω・) 結局、支配層が大幅に変わってる所に落ち着いちゃったよ

「でも、シルビーさん大丈夫? さっき言った通り、僕達三人でやっても良いんだけど。疲れてるでしょ?」
 ついさっき、死ぬか生きるのか一線を越えて、仲間を連れ去られてしまった訳だから、その心労たるや、想像するだけでも相当なものだ。
「大分、落ち着いてきたし、体力という意味だったら、特に問題はない。それにこれからは共同戦線を張る訳だし、そんなに気を遣わなくてもいい」
 たしかに、それも道理っちゃ道理かな。
「何だったら、俺達も参加しようか? そうすれば、一人当たりの担当は、もう少し短くて済むだろう?」
「ありがたい申し出ですが、僕達はこういうの慣れてますから」
 更に突き詰めて言うと、冒険に通じてない人の見張りは信用出来ないというのもあるんだけど、そこまで口にすると失礼になるから伏せておいた。
「この家、あんま金目のもんも無さそうだし、今日のところは大人しく寝ますかねー」
 この開けっぴろげな発言が、そろそろ普通のものに思えてきた僕自身がかなり怖いです。
「それじゃ、お休みなさい」
 寝室に案内される二人に、声を掛ける。
 さて、と。このまま椅子に座ってるのもあれだし、壁にもたれかかって、毛布でも被ろうかな。旅してるのが日常になっちゃったもんだから、こういう体勢の方が楽だっていうのも、少し問題だと思うんだよね。
 シルビーさんと、ボブさん夫妻も寝られる状態に入ったみたいだし、灯を落として、見張り業務に専念することにしますか。

 ふと思うんですが、国会中継って当然ですが平日の昼間ですよね。これは良くないと思うんですよ。血税を使っているというのに、あんまり、世間様の目に触れられることがない。こう、車業界なんかも休日をズラしてる訳ですから、国会も土日のどっちかにやって、平日一日休みでいいんじゃないですかね。
 折角の休みに、あのデコボクロと愉快な仲間達を見たくない? いやいや、下手なバラエティより笑えますよ?

( ・ω・) 国会として正しいかについては、敢えてコメントしない

 仮にも一人前の冒険者三人に対してわざわざ言うことじゃないかも知れないけど、念を押しておく。大真面目な話、この三人の不真面目さというか、常識の外れっぷりは、僕なんかじゃ制御しきれない部分がある。
「うむ、そうだな。夜もそろそろ、遅いようだ。俺も親父に会うとなるとむず痒いような、照れ臭いような気分だが、これも仕方あるまい」
「寝るところを用意させて頂きますね。生憎、お客様用の寝具はありませんので、私達の寝室ということになりますけど」
「あ、いや、僕達、野宿に慣れてますから、雨風凌げて、地面の冷えが無い場所なら充分で。毛布とかもありますし」
「お客様は、遠慮するもんじゃありませんよ」
「じゃあ、女性陣だけ……って、いやいや。交代で寝るんですから、起こしにいかないといけない訳で、寝室に入る度胸は、僕にはありません」
 これまでの旅は宿と野宿の二択だったから、念頭に無かった。気付いて良かったよ、本当。
「わたくし達は、気にしませんわよ」
 この、アクアさんの天然魔性っぷりに、どれだけの青少年が惑わされてきたんだろう。意図的に誘惑するのとどっちが罪深いのか、男の子としては検証してみたい課題だよね。
「だったら、私が最初の二刻はここで寝て、二番手の見張りをやる。そうすればアレクは、見張り後、寝室に行くことなく朝まで寝れる」
 ん、んー、そうだね。シルビーさんの提案を噛み砕いてみたけど、御厚意に甘えつつ、僕の条件を満たすとなるとそれが一番無難になると思う。まあ、二番手はシルビーさんじゃなくて、女性陣なら、誰でも成立するんだけど。

 トリオ・デ・三馬鹿で、三本の矢!

千:見て、二人共。こう、一本では折れちゃう矢も、三本揃えば――。
公:ちょっと待て、千織。最初に折った矢、改めさせて貰ったが、切れ込みが入ってたぞ。
莉:ってか、普通、三本の矢くらい簡単に折れるよね?
公:常識外の力が加えられることを考えると、十本くらいは集めたいところだな。
莉:常識外?
千:でも、十人も有力者を集めたら、絶対に話なんて纏まらないよね?
公:これは一体、何の話だっただろうか。
莉:だから、ねぇ。常識外?

( ・ω・) グダグダなのは、コント的によくあることだよ!

 僕達の船は、この地方から見て北の海岸に接岸して、待機して貰っている。ここから歩きで片道二日ってところだった。一週間、音沙汰が無かったら状況を見て、行動を選択してもらうことになっているんだけど、ルーラで寄っていけるだろうか。町なんかは、仔細な位置が地図に乗ってるから狙いを付けやすいんだけど、割と大雑把にしか把握してないからなぁ。多分、大丈夫だとは思うけど、クレインに人へ向かう移動方法を教わっておけば良かった。
「それじゃあ、船に行ってポルトガに帰還して貰って、ノアニール、レイアムランドの順で」
 段々と、日程が過密になってきているような。と言うか、僕、シス、アクアさん、シルビーさん、ボブさん、メアリーさん、ジョン君となると、計七人になる訳か。僕のルーラで、飛ばせる人数なんだろうか。こう、三、四人に分けて何往復かした方が……。
「シルビーさんは、ノアニールに行ったことは?」
「クレインを探してフラフラしてた頃に一度。
 宿屋に勝手に泊まって、素泊まり分のお金しか置いていかなかったのは良い思い出」
 正直なところ、村があるのに野宿するのも何だし、間違った判断じゃないとは思うんだよね。
「そっか。じゃあ、明日はこちらの家族を連れて、ノアニールに先行してくれると嬉しいかな。僕達は船に寄って、伝えることを伝えたらすぐに向かうから」
「了解」
 よーし。これで今度こそ、詰める部分は無いよね。
「じゃ、改めて、しっかり寝よう。明日は多分、長い一日になるから、寝れる内に、しっかり寝ておくこと」

 西ノ宮シスターズで、三本の矢!

麗:あなた達。この矢を見なさい。ほら、一本ではポッキリ折れちゃう矢も、こうして三本揃えば――。
 バキッ
結:おぉ、姉者、怪力でござるな。
海:うむ、即ちこの世はパワーこそ全てということ。
舞:然り然り。
麗:……。

 実際の西ノ宮麗とは、仕様が若干、異なります。後、アホみたいに一致団結してる三つ子に、この話を説く必要がないって?

( ・ω・) 雰囲気だ、雰囲気。世の中の八割は、勢いで成立しているのだよ

 たしかに、僕に今ひと時の気持ちが足りないのは事実かも知れないけどさ。エルフ見たさに案内役を買ってでて、そのまま駆け落ちしちゃう人に言われると、考え足らず過ぎるんじゃないかって言いたくなるんだけど、間違ってないよね?
「分かりましたよ。一宿一飯の恩義もありますし、どの道、夜のルーラは危険ですから、出るのは明日の早朝になるんです。その時に少しだけ、お付き合いします」
 視界が利かない中での呪文移動は、国際的に極めて危険な行為であると認定されていて、すぐさま命に関わる緊急時以外は使用を禁止されている。夜間だけじゃなくて、嵐の日なんかも同様だ。さっきシルビーさんが単身、ネクロゴンドのバラモス城近くへ行こうとしていたけど、夜目が利く飛行系モンスターに撃墜されて、最悪、一瞬で終わりだったはずだ。
「うむ、それでこそ男子というものだ」
 どこら辺にどう、男の子の資格が絡むのかは分からないけど、朝、明るくなってからルーラで飛べば、そんなには時間的な損失はないはずだ。どっちにしても思索する時間は必要だし、お爺さん達から、何かしら着想を切り替える切っ掛けを貰えるかも知れない。頭を冷やす為にも、必ずしも間違った行動ではないと信じよう。
「という訳だから、今日はもう寝よう。何らかの動きがあるかも知れないから、三人で交代で起きてることにして、明日、陽が出たらノアニールに向かう。その後にレイアムランドに行くってことで良いかな」
「船はどーすんのさ?」
「あ、そうか」



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